2008年02月08日

新型インフルエンザへの区独自の対策を!

 2月19日(火)か20日(水)のどちらか(共に午後)に小坂から本会議で代表質問を行いますが、現在、質問する項目について最終絞込みを行っています。
 その中でも扱う予定の「新型インフルエンザへの区の対策」について書きます。まず、新型インフルエンザについてはこちらをご覧いただければと思いますが、被害の予想について抜粋します。

(以下、厚生労働省HPより抜粋)
 日本政府は人口の約1/4の人が感染し、医療機関を受診する患者数は最大で2500万人と仮定して、対策を講じています。
 また、過去に流行したアジアインフルエンザやスペインインフルエンザのデータに基づき推計すると、入院患者は53万人〜200万人、死亡者は17万人〜64万人と推定されています。しかし、これらはあくまでも過去の流行状況に基づいて推計されたものであり、今後発生するかも知れない新型インフルエンザが、どの程度の感染力や病原性を持つかどうかは不明です。
 これ以上の被害が生じる可能性を否定できない一方、より少ない被害でとどまる可能性もありますので、実際の発生状況に応じて柔軟な対応がとれるように準備しておく必要があります。
(抜粋終わり)

 これだけでは恐ろしさはまだ伝わりきれないと思います。一つの病気に対して小坂が何故、これだけ危機感を持つかというと・・・。
 ・そう遠くない時期に発生することは確実だが、時期は読めない。
 ・発生するとく飛沫感染から爆発的に世界中に広がる。タミフルという現存の抗ウィルス剤が治療に有効に利く「可能性」も有るが、発生してみて初めて詳細が解明される、その新たなウィルスに利く抗ウィルス剤を開発・十分な量を製造するのに一定の時間が必要となる。
 ・人と鳥、豚の三角関係の中で全く新しいウィルスが発生して、最初の一人目の患者が出てから1週間で数千万人に感染が広がる。致死率は推定6割。

 国においてはこちらの対策行動計画、都においてもこちらの計画が策定されてはいますが、現場で具体的にどのように対応するのか、という面から見ると曖昧かつ不十分と言わざるを得ません。「大体、こんな感じで対処してよ、あとの現場の具体的対応方法は区市町村に任せるよ」といった感じです。

 この問題について先進的な取り組みをしていることで有名なのが品川区です。詳しくはこちらのページを参照していただければと思います。訓練の内容も緻密。このような品川区の事例が全国的に注目されているのは、裏を返せば多くの自治体ではこの問題に対してほとんど対策が打てていないということです。
 国としてもっと踏み込んだ対策を求めたいのはもちろんですが、そうしたことを待っているわけにはいきません。震災と同じで、明日のニュースで「新型インフルエンザ発生!」という緊急速報が流れても何も不思議は無い状態ですから、与えられた条件の中でも区で具体的な対策をまず立てることが急務です。
 書くと切が無いのですが、いくつか箇条書きで・・・。この問題は「誰の不満も出ないよう丸く収まる問題」では無く、震災時のトリアージのように優先順位を付けなければならない事項も多いのです・・・。


 ・新型インフルエンザが流行した際の具体的訓練(実働・図上)の実施。広範な関連団体の参加が必要。(品川区の事例の写真
 ・緊急時は常識的な枠組みでは対応できない。例えば、米国のニューヨーク州立病院では、新型インフルエンザ流行時には、眼科や歯科の医師まで動因して対応するという取り決めがなされています。区内の関係団体とそうしたことについて取り決めをしておくべき。
・国や都の計画では緊急時に医療ボランティア(看護学校や医科大の学生などを想定)を募集するとなっていますが、急に集められるはずも有りません。そうした具体的な募集を今から登録制で実施し、感染防止や様々な知識を有る程度身に付けておくことが必要。しかし、こんなニュースもあるので現実は極めて厳しい・・・。
 ・新型インフルエンザについての広報を区として、日頃から十分行うことは言うまでも有りません。
 ・都の予測では流行時に都内で380万人が感染し、1万4千人が死亡するとなっていますが、火葬するのが間に合わない為、遺体の一時保管場所の確保が不可欠。荒川区内ではどこに保管するのか?また、当時の新型インフルエンザといえるスペイン風邪が流行した際の米国のセントルイス市では市長の指導で葬式も含む全ての集会を禁止し、自宅から出ないことを市民に徹底して大流行を避けたとの話もあるように、流行時には危機感の無い人にとって「集会や外出もだめ?俺の勝手だろ?」という反応が必ず出てくると思いますが、それをどこまで押さえられるか?この問題についての日頃からの周知と自治体の大胆な決断が不可欠です。
 ・平常時でもなかなか入院先が見つからない病院。こんな大流行が起きた際にどこに入院させるのか?今日、流行が判明したという前提で緊急病床が区内や近隣でどの設置できるかのシュミレーションも必要。
 ・流行時に必要となる人工呼吸器の備蓄も自治体で行う必要が有る。
 ・新たなワクチンを投与する優先順位の確定。例えば米国NY週では0歳〜18歳までの層を優先的に投与すると決定している。


・・・書いていると本当に切りが無く、また、本来はやはり国で大決断して欲しい事項も有ります。でも、それを待ってばかりはいられません。調べれば調べるほど、国や都の指示待ちではなく区独自の認識、対策を確立しておくべきという思いが強まるばかりです。
 
 このブログ記事も雑な説明で、分かりにくい点も有るかとは思いますが、リンク先も是非、お読みいただき、この問題の重大性を知っていただければと願っております。

small_ribon.gif新型インフルエンザに区独自の対策を一日も早く取るべき、という方はこちらを押してください。
ninkiblogbanner.gif
posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 防災・防犯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする