2008年09月08日

教育再生は幼児教育から(いずみ幼稚園視察)

 8月26日のブログ記事(まず、こちらをお読み下さい)に書いた、いずみ幼稚園を視察して参りました。幼稚園での教育において、石井式漢字教育(参考記事)や音感教育等を実施するなど、「鉄は熱いうちに打て」という考えのもと、明確な理念に基づいた教育を行っている私立幼稚園(個人立)です。こちらに記載の通り今年1月に完成した新しい園舎です。
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 こちらにいずみ幼稚園についての報道記事がリンクされています。

 亀有駅前前交番に9:10分に集合して見学に行きましょうと呼びかけて、共に視察した議員は、瀧口学荒川区議清水ひろし荒川区議、そして8月28日の勉強会でに知り合った田中耕太郎中央区議

 小泉敏男園長から園の説明を受けた後、朝礼に参加。いずみ幼稚園は「難しい話でも子供にもきちんと話をする」姿勢が一貫しており、園長先生から「今日は園にもルールがあるように、街にもルールが有り、そうしたルールを決める区議会で話し合いをする区議会議員のお客さんが4人、みんなの様子を見に来ました」と説明をしていただきました。視察を終えるまで、各教室を訪れると必ず、出迎えの挨拶と「さよなら」、「ありがとう」の挨拶を「お臍をお客さんに向けて」一斉にしてくれたのが、とても印象的でした。
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 綺麗に整列して体操。四股を踏みます。いっしょにやってみました。
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 石井式漢字教育で使う絵本。浦島太郎の本文も全て漢字を使ってます。それを指で文章を追いながら繰り返し一斉音読することで漢字も自然に覚えて行くわけです。様々な種類の絵本が有りますが、資料として10種類購入してきました。
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 先生が文章を読みながら、キーワードとなる漢字カードを張っていきます。その後、「これを取るよ」と予告して園児に目をつぶらせ、取ったあとに「どれが無くなったのか?」の質問をして答えさせます。皆、元気に「はい!」と手を挙げます。
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 園の決まりごとの張り紙なども全て漢字を使っています。大人が勝手に「漢字は難しいから」と使わないという世間一般のやりかたは、かえって園児の覚える力を阻害していると、小坂も思います。繰り返すことで、確実に覚えていくようです。
 3歳児で50ものことわざ
 4歳児で50もの俳句
 5歳児で50もの百人一首
を覚えるという取り組みもしているそうです。
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 皆で漢字交じりの文章を指で追いながら大きな声で音読を繰り返すことで、確実に読めるようになってきます。
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 音感教育も徹底しながら、ホールでは合唱の練習に余念が有りません。抑揚と音感が素晴らしい!
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 合唱に加え、「日本語の名文」を繰り返し暗唱します。最初は文字を見ながら、後ほどは何も見ずに暗唱できるようになります。当日見たのは、写真に写っている、金子みすずの詩や島崎藤村の「初恋」、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の一部などでした。
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 そうした名文を皆で暗唱する前には、必ず初めの言葉として上記の「読書百篇、意自ずから通ず」、終りの言葉に「自らの国の古典を識らずして、叡智有る二十一世紀の国際人足りえない」という言葉も暗唱します。
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 今日のテーマ音が有り、これを聞き分けながら踊るダンスを通して音感を養います。
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 ダンスの後の絵本の音読。全ての年齢で行っているのですが、自分が使う机と椅子の設置は全て自分で行います。
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 数字を自然に覚える能力は素晴らしいものです。少し慣れてくれば、数字を口に出さずに心の中で数えて発表することもできるのですから。具体的には、園児が顔を伏せている間、この玉を音をさせながら「カン・カン・カン・・」とはじいて例えば35個はじいたときに、「さて何個?」と聞くと、心の中で数えた数、35をきちんと答えるという訳です。
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 こちらは絵本の中に出てくる漢字が書かれているカードを一瞬見せながら、園児に答えさせるもの。多くの園児はちゃんと覚えていて、答えられます。
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 時計の読み方もどんどん覚えます。「時計、時計!長針、長針!短針、短針!1時、2時、3時・・・・・5分、10分、15分」と先生が声を出しながら、時計を動かすのですが、ポイントは「リズムよく早口でやること」のようです。「幼稚園児なんだから、ゆっくり読んで覚えていけば・・・」という認識ではなく、「リズム良く、早口で読むことで聴力の刺激とともに覚える力が幼児には有るという認識」。幼児の能力を引き出そうとする姿勢に大いに共感しました。
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 園児の持ち物の置き場所も明確に決まっており、きちんと整理整頓が徹底されています。
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 その後、小泉園長から補足説明やこちらからの質疑応答を続け、園を失礼したのは14時半!実に参考になる視察でした。小泉園長の熱意と明確な理念には大いに感動すら覚えました。5時間に渡って見た内容や話の内容はもちろん書ききれませんが、いくつかそうした話の中から、共感した言葉を下記に紹介します。
 
◎公立幼稚園では園児一人当たり平均105万円を年間にかけている。一方でわが園は年間50万円でこうした能力を伸ばす活動ができている。充実した教育には、お金をかければ良いというわけではない。

◎今の公立幼稚園の教育は「明確な目標が無く、ひどい状態」。明確な目標が無いと達成する努力もしなくなり、流されるだけで子供の才能を伸ばすことに繋がらない。

◎「同じことを皆で一緒に行うことを通じて、それぞれの違いがわかってくるもの。それぞれ個性があるからと勝手なことをばらばらにさせるのは誤りだ。」

◎幼児教育で重要なのは「量」と「質」。繰り返しパターン学習することで、必ず身につく。それがこの時期の特徴。

◎教諭の採用は若手の新人が多い。経験者は固定観念が多くてダメ。

◎教育は幼い時こそ、しっかり行うべき、中学や高校になってから足掻くよりも幼児に頃からきちんとした教育を行うのが親の務め。

 この幼稚園は明確に「成功例」だと思います。教育の再生にはまず、幼児教育から立て直す必要が有ると痛感しました。荒川区立幼稚園においても、明確な教育目標を具体的に定め、漢字教育を始めとする様々な能力を引き出す取り組みを、細かい学習指導要領に縛られない幼稚園という時期だからこそ、行うべきと強く提言して参ります。
 
 荒川区教育委員会の指導室長や指導主事に参加を呼びかけたのですが、議会の開会直前の時期ということも有り、参加していただけませんでしたが、是非、この「成功」を見て幼児教育の在り方を考えて欲しいと思います。

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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする