この条例について書いた一昨日のブログ記事にはもちろん、小坂へのメールや掲示板で賛否両論が寄せられていますので、補足とお答えとして今日の記事を書かせていただきます。条例原案での規制対象は猫への餌やりだけでなく、多岐に渡りますが、コメントの多くは猫についての意見ですのでこの点についてのみ書きます。
この問題について該当ブログ記事に多くのアクセスが寄せられています。その関係記事で一番リンク元が多いのがこちらのブログ。その記事を引用すると・・・。
(以下、引用)
今回の荒川区の、餌やりに対す罰金を考え出したアホな区議は荒川区議会議員小坂英二でした。
荒川区の区議のブログ(小坂のブログへリンク)
こうした無知な点取り虫のような議員さん、多いです
顔見たら(年齢は行ってるけど、若造な面構え)
きっと勉強一筋で来て(もしくは、苦労知らず)頭でっかちなんでしょう。
(引用終わり)
他、多数のブログや掲示板でリンクを張られ「血も涙も無い浅慮な議員」として完全に悪者にされています。
参考までに平成18年7月13日の小坂のブログ記事「可哀想な猫・・・アニマルポリスを日本でも!」と記事内リンクも是非、お読み下さい。
まず、この条例案では、地域猫活動にしっかり取り組んでおられる方は、罰則の対象になりようが有りません。地域の誰かから、苦情があったとしてもそれですぐ罰則を適用するわけではありません。現地を確認して、話を詳しく双方から聞いて(ここで嘘をついたり拒否したら罰則はありますが、実効性を持たせるために当然のことです)、アドバイスも行い、更に区の職員だけの判断だけでなく客観的な意見を聴く為に、別組織の委員会も設けて審議した後、改善命令を出しても改善しなければ、罰則適用です。
荒川区ではこちらに記載の通り、餌やりの後の後片付けや糞のしつけ、マナー向上や避妊・去勢手術を行う「きちんとした地域猫活動」を行う方々には、補助金(雌猫17,000円、雄猫10,000円)を出して手術を促進する取組を行っています。区HPや区報だけでなく、町会それぞれに協力を要請したり、そうした活動をしている方々にも広報を行っています。
他にも、以下の活動も行っています。
・不妊・去勢手術受診のための捕獲器の貸し出し
・適正管理活動等についての情報提供、助言等
・その他、区長が必要と認める支援
野良猫は人間が生み出したものです。一番悪いのは捨てた元飼い主でしょう。でも、人間のせいで生み出された野良猫だから、全ての「人間」はそれを原罪として、様々な迷惑被害を我慢しなければならないのでしょうか?
こうした条例を作る背景として、まず年間数百件の餌やりを受けた猫による迷惑行為の被害が存在することも考えていただきたいと思います。実例も多数知っていますし、現場に何度も行っています。
例えば、高齢の一人暮らしの女性。両隣の家は共に猫好きで餌やりをし放題。十数匹います。それ以外の世話はしません。その挟まれた高齢の方は、「家の敷地で糞尿を沢山して困っているので、そうしないようにお願いします・・・」と頼むと・・・。「うるさい!猫に餌をあげてるだけで何が悪いの!糞尿なんて知らないわよ!あんたに関係ないでしょう!」との両隣からの返答。
その高齢の方は、ノイローゼ気味になってしまいました。この高齢者は猫を捨てたわけでもありません。でも、「人間が猫を捨てたから猫は被害者」という理屈だけで「原罪」を背負わせ、我慢しろというのでしょうか?
猫の餌やりを注意して、「うるさい、お前なんか死んでしまえ!」と罵られたケースも別件で有ります。
条例原案で規制をするのは、こうした、「迷惑を受けている方からの繰り返しの苦情にも聞く耳をもたず、餌やり以外の世話をしない無責任なケース」です。
糞のしつけをしたり、避妊・去勢手術をしながら地域の方への常識ある対応のできる方は規制の対象には成り得ません。そうした方への苦情が仮に寄せられても、区はきちんと状況を把握した後、「地域猫活動をきちんとしている」ケースであれば、むしろ区はそうした方の味方となり、苦情を出した方に理解を求める努力を行います。それが現在の区の姿勢であり、あるべき姿だからです。
野良猫を生み出さない為の、国レベルでの取り組み、賛同できる点や小坂が以前から主張していることも、いただいたコメント欄に多く見受けられます。それはあくまで国としての規制を行わなければ実効性を伴いません。
例えば、ペットショップで動物を見世物にして売り(簡単に買える)、売れ残りは処分するような非道なことが平然と行われているのは先進国では日本位だと聞いていますが、見世物売りを規制し、購入の際はマイクロチップを埋め込み責任の所在を明らかにして、世話の大変さも含めて説明し、外に出入りする可能性の高い飼育環境であれば避妊・去勢手術を義務つけるなど。ただ、それは、荒川区単独で行っても実効性はほぼゼロです。自転車で少し走っていける隣接区のペットショップで「気軽に買えれば」そこで買うだけの話になってしまいます。そうしたことを、今後も国に求めて行きたいと思います。
戴いたメールの中には「条例案に呆れ果ています。次回、小坂氏への投票を考えさせられます。」といった趣旨の文言も度々見受けられます。
小坂は多くの意見を聞いた後、総合的に考え責任を持って正しいと判断したことは貫いていく姿勢で5年間余り議員活動を続けて参りましたので、その姿勢は今後も微塵も変わらないことを最後に申し上げておきます。
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