2008年09月30日

異常な補助金は出せど来店者数すら把握せず

 今日も決算特別委員会。産業経済費の質疑の中で持ち時間44分間のうち残り時間11分間を、9月26日のブログ記事「無茶苦茶な補助金1036万5千円 」(まず、こちらをお読み下さい!)についての質疑で使い果たしましたので、以下ご報告致します。

 「空き店舗対策」と銘打ちながら、この両店への補助申請が出される前にそれぞれの店舗が空いていた期間はフィリピン物産店については2ケ月のみ(以前は眼鏡店)、韓国物産店については1ケ月のみ(以前は生活雑貨店)。質疑を読んで皆様、どうお感じになりますか?

(小坂からの質疑・答弁)
小坂:部長・課長は商店街ルネッサンス事業の補助金支出先の仲町商店街や当該店舗内をしっかり見てきたのか?韓国・朝鮮の物産店やレストランが立ち並ぶ商店街に全く同じような性質の店舗を誘致することで、商店街が賑わうと判断した根拠は?「済州市のアンテナショプ」と銘打っているが、店の品揃えを見て来たか?先日訪問した際に「済州市の物産はどこ?」と店員に聞いたら「この一角」と店の一部を指し示した。
 その他の部分には、韓国の他の地域の物産や日本製品を売っているだけ。「済州市の物産といっても限られているから・・・」との説明。とても「済州市のアンテナショップ」と銘打つような代物でも無い。つまり単なる韓国物産店だが、そのような店舗に対して同業種の競争相手が多い中、その店舗のみ補助を出すことは理解ができない。

産業振興課長:商店街や店舗は訪れた。「済州市のアンテナショプ」については韓国・朝鮮の店舗が沢山ある商店街だからこそ、そうした種類の店舗を増やすことで、韓国関連の店が集積している特徴を売り込める。韓国・朝鮮系の方の多い当該地域において在日本大韓民国民団東京荒川支部の推薦という全面バックアップを受けて地域の理解を得て商店街で誘致をしたもの。店舗内で済州市の案内も行なっている。特徴を出すためのものが弱いようであれば有効な対策が今後必要とは思う。その他にも必要な取り組みは進めていく。


小坂:2店合わせて2年間で1000万円を超える異常な補助金を出す必然性の説明になっていない。元来、この事業は商店街に足りない店舗を誘致するものと理解していたが、そうではなく、もう何でもありと言っているようにも思えとても区民に理解を得られない。こうした店舗を「誘致」したことで、商店街の賑わいは増したのか?それを示すデータが有るのか?商店街来訪者がどの程度増えたか数字が出ないなら、当該店舗の来店者数を出して欲しい。

産業振興課長:誘致店舗がオープンしてから商店街への来訪者数が変わったかどうかデータは無い。補助を出した店舗への来店者の数は把握できるが、商店街全体への来訪者の増減は掴んでいない。


小坂:「来店者数なら分かる」と言うのであれば、開店以来の当該店舗の来店者人数は?

産業振興課長:まだ手元に来店者の数字は無い。当該店舗に来店者数の数字を早く出すように言っているが、「計算している、待って欲しい。」との店舗からの返答。もう少し時間をいただきたい。


小坂:正確な数字でなくても、概数でも良いのでここで示して欲しい。補助金を出しながら、来店者数という基本的な数字・現状を詳細のみならず概数すら把握していないのは杜撰と言わざるを得ない。区民の税金を預かりながら、このような軽率な姿勢では区民に説明責任を果たせない。後ほど数字の提出を求める。
産業振興課長:当該店舗(2店)への来店者数については概数も手元に無い。
経済産業部長:軽率だとは思っていない。店舗や商店街の定期的な状況の報告は今後も求めていく。補助金交付額は要綱上明確に上限を決めてそれをに補助金を支給している。


小坂:同様に韓国物産店を営む方の多くは自助努力で店舗経営をしている。一方で、同様の店舗内容で2年間で600万円余の補助金を受け取る店舗が出る。それも、商店街理事長が所有するビルの賃料補助や改修費として。こうした現状について、商店街の方に聞き込みを行ったが、全ての方が「おかしい。自分は真面目に自助努力で店舗を経営しているのに・・・」と話されていた。課長の答弁では「商店街で誘致した」とのことだが「そんな事実は店が出るまで知らなかった」と話される商店主もいた。


産業振興課長:補助を受けている店とそうでない店が出てしまうのは事実だが、商店街全体で空き店舗を使ってやってほしいということで誘致を決めた。そうした取り組みを通じて商店街にプラスの効果が出るようにする事業なので理解を願いたい。

小坂:こうした軽率かつ異常な補助金は止めるべきと改めて申し上げたい。商店街の理事長が持つビルに、必要性が有るとはとても思えない店舗を「商店街の誘致」という形をとって入居させて補助金を受け取り続けるようなことを商店街が区と組んで行っていることは、区内で努力をされている他の商店街の方にとっても、多くの納税者にとってもとても理解を得られるものではないがどうか?このような異常な補助金がまかり通るようであれば、「区と商店街がつるんで、補助金をいいように使っている」と納税者から見られかねず、正直に熱心に活動をしておられる商店街の方にとっても、不本意なことと思うがどうか?
産業経済部長:区の施策の安定性ということで即止めるということは考えていない。


小坂:商店街の方に聞いて回ったが、「誘致されてよかった」と答えた方は一人もいなかった。こうした異常な補助金を続けるようでは、折角、区政の改革や素晴らしい新規施策が進んでいる中、区政全体の在り方にもマイナスの評価をされる要因にもなりかねない。早急に補助金を停止し、時間がなくなったので質問を終わる。

★他の委員からもこの事業に関連した質問が続き、この問題に触れて区長から答弁。
区長:十分調査して反省していかなければならない点があれば是正していくことが一点。荒川区で取り組んでいる産業クラスターの拠点として空き店舗を活用するのも一つの策。市場経済の中ではあるが、自分の力ではどうしようもない部分で助けが必要な小規模事業者に対しては、助力をしていく。
(以上、質疑報告とさせていただきます)

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posted by 小坂英二 at 16:29| Comment(11) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする