写真は
昨日訪問した荒川区防災センターに貼ってあったポスター「平成20年度災害復興シンポジウム」(東京都主催)の案内です。詳しくは
こちらに記載の通りですが、ご興味のある方は是非、ご参加を!小坂も時間の調整がつけば参加してみようと思います。
今日は震災対策・危機管理調査特別委員会で先日から持ち越しとなっていた「地域防災計画の修正について」の議論を行いました。
本文の前に
昨日のブログ記事に書いた荒川区防災センターの報告を是非、御覧下さい。
厚さセンチ程度になる分厚い荒川区地域防災計画について、ここで説明するのは大変ですので、小坂が論点としたことを質疑を通じてご報告します。小坂の質問と答弁で1時間程度になりますので、概要の記載となりますが、ご了承下さい。
(小坂からの質問と答弁)★災害対策本部設置場所について小坂:本冊の136ページの災害対策本部設置場所について聞く。地域防災計画では震災が発生した際に区役所本庁舎に第一順位の
災害対策本部を置くとしているが、防災センターや北庁舎を中心にすべきと重ねて申し上げる。
昨日、改めて防災センターをくまなく拝見してきたが、衛星電話や高所カメラ7ケ所の映像、様々な端末等、様々な震災現状について、震災発生後即座に現状を把握をしながら指揮をとれる場所である。また、区役所本庁舎は震災後相当の混乱が生じると思うが、そうした混乱から少し離れたところで、情報を的確に集めつつ冷静な判断をするのが望ましいと考えるがどうか?
阪神淡路大震災の際の芦屋市役所の写真がこちらに有るが、本庁舎は助けを求めて避難をしてきた方で埋め尽くされている。こうした環境のもと、区全体を見据えた冷静な対応をすることが難しくなることが考えられ、震災発生後は有事に即座に対応できる設備や防災担当の拠点であり安全な建物が備わっているべき災害対策本部、やはり設置する場所は防災センターであると考えますが、再度認識を伺う。
防災課長:災害対策本部の設置については、現状は区役所本庁舎が第一順位でそこが災害対策本部として利用できない状態であれば第二順位の防災センター等を拠点とすることになる。区役所本庁舎が第一順位であるのは災害対策本部としての広さや利便性等を考慮したもの。区役所の各担当と災害対策本部で現場が近いのが理想である。
危機管理対策担当部長:災害対策本部として機能的に働くことを考えてきたが、小坂委員指摘のような想定外のことも起こると考えており、臨機応変に対応することが必要と考えている。ただ、現段階では災害対策本部を設置する第一順位は区役所本庁舎とする。
副区長:災害対策本部の設置場所について、先の委員会でも質問を受けた(小坂注:
6月9日のブログ記事を参照下さい)が、現在は本庁舎に設置するということで決めており、それを急に変えるのは難しい。ボランティアや物資の情報についても現場で把握できる環境が望ましい。区としては本庁舎に設置をすることが望ましいと考える。人力での情報収集等も踏まえて総合的に考えると本庁舎の方が防災センターよりも有利であると考えられる。今後、本庁舎の耐震度を高めてこれから態勢整備に臨むにあたり、本庁舎に防災センター的機能をどこまで備えられるか具体的に考えていく。小坂委員の指摘を踏まえて検討していきたい。
小坂:区役所本庁舎耐震化(詳しくは
11月18日のブログ記事をどうぞ)が完了後も、防災センターを第一順位にすべきと思いますが、そうした意向が無いので有れば、
6月9日の委員会でも申し上げたが、せめて本庁舎の耐震化が終了するまでの間は、災害対策本部は本庁舎ではなく防災センターを第一順位に暫定的に位置づけ、北庁舎、健康づくり・がん予防センター、区民会館を活用するという想定に基づいて災害対策本部の設置を行うべきではないか?耐震化が完了するまでの間は、職員が安心して取り組めるだけの強度が無い、しかも中枢の4階部分が一番危険とされる建物を耐震化完了までの前には絶対に災害対策本部とすべきではないと認識するがどうか?
防災課長:耐震工事前であっても一義的には、本庁舎を災害対策本部の第一順位にすべきと考える。
副区長:耐震強度は0.6や0.5という数字が出ている。震度6強では対応できない可能性が高いとされている。防災センターに警戒待機者がおり、必要が有れば防災センターにすぐに災害対策本部を設置できる体制はできている。災害対策本部の設置の前提は今までと変わらずやりたい。「耐震化が完了するまで」暫定的に災害対策本部の設置の優先順位を移すのは分かりにくい面も有る。耐震化工事中は今の強度を確保しながらできることになっている。ただ、工期の中で1日のみ危険な行程が有るが、その際の対応は詳細に詰めていく。
小坂:最初の大きな揺れがきた後、対策本部が本庁舎に設置される際に、本庁舎が無事であっても、第二波の大きな余震で安全である保障は無い。そうした観点は入れているのか?地震が起きてから建物に重大な損傷が有るかどうか判定してから使うとの答弁が以前あったが、やはりそれなりの時間はかかる点も心配である。
大地震の後には大きな余震がくる可能性のある中で、現状では耐震基準を満たしていない本庁舎で大きな余震を恐れながら区民への災害対策を十二分でできるとは思えない。余震で本庁舎が倒壊する可能性のある中、そこを第一順位の災害対策本部にするのは、危険予測が甘いと言わざるを得ない。
建築課長:震災発生後、応急危険度判定を区職員が行う。その作業をしてから安全を確認して本庁舎を利用することになり。
副区長:どのような余震がくるか予想はできない。危険度はその時点での判断にならざるを得ない。本庁舎が災害対策本部としての使用に堪えない状況であれば、防災センターの安全性を活かして活用をしたいと考えている。安全性に疑いがあったら、即刻、防災センターに移すということを考えざるを得ない。その時の判断で臨機応変に対応していくのが重要。
小坂:実例として新潟県中越地震と関東大震災についての余震についての資料を配るが宜しいか?
両面コピーで「日本及びその周辺で発生した主な地震」というタイトルの書いてある面は気象庁が毎月発行している「地震・火山月報」の平成16年10月号です(
こちらのデータの4ページ目)。表の中の番号9番が新潟県中越地震の発生した際のデータで10月23日の17時56分の揺れから番号で23番の27日の余震まで震度が6や震度5と大きなものが1合計4回も発生しているのです。震度1以上の余震は1000回以上発生していると聞いています。
また、
裏面は下の部分に関東大震災の余震について書かれていますが、9月1日の本震から2日にかけてマグニチュード7を超える余震が4回も発生しているが、こうした事例を見ても、本庁舎が本震に耐えられさえすれば、余震で倒壊する心配は無いと言えるのか?副区長、このデータを見てもう一度再考をすべきと重ねて申し上げるが認識は?
危機管理対策担当部長:余震については、大きなものもあると認識している。本部の在り方について、様々な点を勘案して決定した。大きな余震が来るかどうかもわからないし、来ても必ずしも破壊されるとは、思えない。一番理想的なのは本庁舎と考える。本庁舎が駄目になったときには防災センターを本部として利用する。
副区長:先ほどの答弁に付け加えると、区役所本庁舎をどこまで使えるかが危険度判定で判断される。その判断を受けて災害対策本部設置に向けて対応していく。今まで災害対策本部の第一順位の設置場所を区役所本庁舎にしていたのに、方針を日々変えるのも一貫性に欠ける為、設置場所は本庁舎にしたい。
都市整備部長:震災時の本震の後に調査をして強度に問題が無いと判断された場合、その後の余震にも耐えられてそのまま使えるだろうと想定している。新潟県等の震災現場にも職員を派遣して調査をしてきた。
副区長:小坂委員の問題提起については、結論ありきととれるような姿勢ではなく、十分に検討していきたい。
小坂:区職員や来朝者の命に関わることであり、私から資料として渡したデータを区長にも渡して実際に見て塾考していただくよう重ねてお願いしたい。
(防災センター裏手に並べられた消火器の数々)
★本部長の補佐組織小坂:129ページの本部長の補佐組織についての具体的なイメージは?どの役職にあるものを充てるのか?防災指導監など専門家をきちんと位置づけるべきではないか?正式決定までに決めておいて欲しい。
防災課長:危機管理の訓練をなさった方が派遣もされているので、そうした型のアドバイスを受けながら。防災担当、係長、。具体的に数字等は2,3名位。防災指導監についてもそうした場で自衛隊での経験を活かしていただきたいと考えている。
副区長:本部長は決断の際に孤独になるので、自分の分身のような相談役が必要となる。人数や誰(役職)がその任にあたるかまでの具体的な点は練れていないが、今後、明示できるように決定していく。
★マスコミ対応について小坂:震災発生後のマスコミ対応について、地域防災計画に記載は有るか?大手報道機関等と協定を結んでおく観点が必要と考えるが、そうした点は入れているのか? 今までの事例を聞くと、入れかわり立ち替わりの取材で避難所の住民やや行政は大変な負担を受けている。代表幹事社にのみ取材をしてもらうなど、平時にあらかじめルール決めをしておくべきではないか?23区の担当課でも連携してそうした事前のルール作りをお願いしたい。
防災課長:具体的にマスコミ対応する部署については地域防災計画に書いてある。マスコミを通じて正しい情報を発表していただくことは重要。各区で共同して対応してという話があったが、個々の部署で報道対応マニュアルなどを備え円滑に対応できるようにしたい。
危機管理対策担当部長:緊急時にマスコミへの対応が負担となり、迷惑を受けている事例が有る点を考えると重要な問題提起であり、そうした点についても対応していきたい。
★動物への対応について小坂:概要版の24ページの動物の取り扱いについて。「飼い主のわからない負傷動物の保護」については獣医師会の力をお借りして対処するとしているが、「負傷していない飼い主の分からない動物」の対処はどのように考えているのか?
防災課長:災害時には混乱が生じて、飼い主のわからない動物を保護するまでの状況にならないと思う。
小坂:もちろん役所でそうした取り組みを災害時に行うのは無理があると思うので、ボランティアの方に取り組んでいただくことが有効だと思う。
地域猫団体なども30団体近く登録をしている新たな状況下で、そうした団体の力を借りて保護をする場所を確保する枠組みのたたき台を作り、できるう限りの受け皿を作る努力をしておくべきではないか?「飼い主が不明になってしまった動物」といった行政ではそこまで手がまわらない、光があたりにくい分野にこそ、取り組みたいという地域の方(自分が無事で有るのが大前提ですが)がおあられると思う。
生活衛生課長:ボランティア精神を持っている方がおられるので、こうした事例においてどのような協力を得られるか、そうした団体の方などに話をしてみたいと思う。ボランティアでの対応を考えていきたい。
小坂:例えば、来年3月に廃止となる荒木田近くの不燃ごみ積み出し拠点の広大な敷地の一角に場所を確保し、協力を得られるボランティアの力を借りて対応できるようにすべきと思う。
防災対策では人間への対応が優先になるというのはある意味必然だと思うが、ペットの飼い主にとっては、ペットをとても大事に捉えているものであり、迷子のペットの安否を心配してストレスになるというマイナスを防ぐ為にも、ある程度の対策を想定しておくように要望する。
★友好都市からの支援について★小坂:つくばエクスプレスの地震への対策はかなり徹底したものと考えられるが、そうした路線で繋がっているつくば市との関係について。
概要版の18ページで自治体との防災協定については友好都市であってもつくば市等のいくつか入っていないが、理由と今後の予定は?つくば市には観光や学術研究のための宿泊施設も多く、早期復旧をしたつくばエクスプレスで迅速に区外への一時避難を希望する被災した災害弱者(乳幼児連れや妊婦、高齢者、障害者等)を受け入れる枠組みを作っておくべきではないか?
区外への避難が必要な方はたくさんいる。例えば、透析患者は区内で増加の一途で受け皿も平時でさえひっ迫している中、医療施設として被災して機能しなくなったことにより、適切に透析が受けられない患者は区外に避難して頂く必要がでる、あるいは妊婦や乳児に避難所生活は刻。また、下田の臨海学校や清里の宿泊施設等は避難先として位置付けられているのか?
危機管理対策担当部長:つくば市とは防災協定はまだ結んでいないが、そうした観点も考え、相手の都市の意向を踏まえながら指摘された点について考えている。
防災課長:地域防災計画の中に具体的には記載していないが、そうした災害弱者の方に疎開という形で離れたところに、一時的に避難していただく対策を考えてはいる。「考え方」としては、小中学校や区外施設への疎開という内容で記載している。
★医療免許保持者の協力を得る体制小坂:現在、医療に従事していない医療資格保持者のリストは存在するようだが、そうした方への震災時の協力への意思確認をいつまでに行うのか?平時の医療でさえ人が足りない現状、震災時にはそうした方々の協力は不可欠であり、協力を得られる態勢を作るべく早期に対応してほしいと思うがどうか?
4年前から繰り返し委員会等で質問しているが、「検討していく」という答弁ばかりで、やる気があるのか?検討した結果「こうした課題が有って進まない」という説明ができるのであればまだ納得できるがそうした話も無い。真剣さをもって取り組むべき。
防災課長:ボランティアの育成・支援に関連することであり、88ページで「検討していく」という表現で盛り込んである。
危機管理対策部長:荒川区医師会の先生方とこの件を相談しているが、災害時に有効に医療活動が行えるように取り組んでいきたい。まだ具体的な段階になっていないが重要な問題であると認識している。
防災課長:医療連絡会において運営について話をしているところ。救護所の設置等の中で具体的に検討をすすめている。
★災害後の事業継続性について小坂:新潟の震災で実際に行われた被災地の事業継続を諮った「
弁当プロジェクト」の内容(
こちらからどうぞ)を把握しているか?ネットで「新潟県 弁当プロジェクト」で検索すれば
紹介冊子なども公開されているので、是非、参考にしてほしい。
避難所等における食事の提供を、多くのケースでは被災地の外部の業者を使うことが多いが、そうした対応をしな取組である。かといって一社に任せるわけでもない。被災をしていない市内業者が連携して食糧提供を行う枠組みを平時から作っておく。飲食店が被災をしていなくても、炊き出しなどが多く行われる中、震災後しばらくは客もあまり来ないで収入を得ることが厳しくなる。そうした事態を防ぐ為に、震災後の商店や企業の事業継続性に資する枠組みを関係団体に呼びかけながら行うべきではないか?
防災課長:そうしたプロジェクトについては聞いていない。そうした事例についても調査を行い、今後の取り組みを検討したい。
小坂:そうした観点の事前の枠組みつくりを平時にしておくことは、食事の提供という分野だけでなく、多くの分野で有効であると考えられ地域防災計画の中に位置づけておくよう要望する。
災害対策本部設置場所の第一順位は変更すべき、という方はこちらの2つのボタンを押してください。