2010年10月26日

旭川市の介護保険事業と市民交流プラザCoCoDe視察

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 昨日に引き続き福祉・区民生活委員会の行政視察です。今日もこの記事視察先での「パソコンを使ったメモ」を仕上げて滞在先のホテル(旭川グランドホテル)で投稿しました。
 北見市から旭川市まで3時間程電車移動。車窓からは雪景色と吹雪。

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旭川駅は今年10月10日にリニューアルオープンしたばかり。駅構内には寄付を下さった方の名前を刻んだ木製プレートが無数に設置されていました。市のマイクロバスで旭川市役所へ。

 市役所で旭川市での介護保険事業の説明・質疑応答。東京ではデイサービスやショートステイの施設は特養ホーム併設が多いのですが、旭川では単独の施設が有るとのことで、どのような運営がされているかを見ることも目的の一つとのことです。

 旭川市(高齢化率は荒川区と同程度の22%)では夜間対応型訪問介護(タクシー会社が運営。ホームヘルパーが夜間に定期的または通報により家庭を訪問し介護、日常の世話、緊急時の対応を行うもの)が1ケ所。小規模多機能型居宅介護年に2回、施設開設の受付をしている)は現在18ケ所。介護保険の報酬基準が低いことも有り、荒川区にはこの事業をやっている事業所は一か所も有りませんが、旭川市では他の福祉サービスと合体する形で進めている事業者が多いとのこと。開設に伴う建設補助は無し。最近の開設は施設敷地内及び階上に高齢者下宿(有料老人ホーム)を併設するケースが多いとのことです。

 グループホーム(月額入居12万円〜14万円)はなんと84ケ所(約1370床=ほとんど入居で埋まっている!)設置されており、十分な施設数が満たされているので新規の設立は受け付けていないとのこと。

 18法人が運営している小規模多機能型居宅介護は小規模な住居等で「通い」を中心としながら「訪問」や「泊り」を組み合わせて、入浴、排泄、食事等の介護や日常生活上の世話、昨日訓練を行います。一か月の費用は要介護1(11,430円)〜要介護5(28,120円)に食事代、おむつ代、日常生活費が別途自己負担になります。

 特養ホームは現在850床有りますが、あと200床増やす予定(待機者が約700人いるとのこと)、有料老人ホームは300床を整備する予定とのこと。施設を作れば作る程保険料が高騰する仕組みになっている現状が有る為、その兼ね合いを考えながら整備をしています。

 資料を見ると、図書館の事業として65歳以上の方で1人で来館困難な方に対して「図書宅配サービス」という図書館の図書・雑誌・CD・ビデオ等をボランティアが届けるサービスを実施しているそうです。

 介護保険や行政の監視の枠外となっている「高齢者下宿」も増えている現状にどう対応していくかも課題とのこと。

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 更に「市民交流プラザCoCoDe」へ移動しの運営状況について説明を受け質疑応答、現地視察。

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 施設の目的は以下の通りです。

★市民活動の総合的な支援
 ・市民活動に関する情報の収集及び提供
 ・市民活動に関する相談・コーディネート
 ・市民活動に関する学習の機会の提供(講座・研修会等の開催)
 ・会議室等施設の貸出、コピー・印刷機など事務機器の貸出

★市民活動団体やまちづくりに関わる色々な団体との交流や協働の促進

 114の団体がここを拠点に活動をしているとのことです。生涯学習系、福祉、環境団体が多い。とのことです。

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 情報閲覧コーナー。市民活動に関する書籍や団体を紹介する資料などが有り、情報収集に活用されています。
 
 こちらの施設では貸室について「一時間単位での予約」が可能です。試験的導入とのこと。荒川区のふれあい館等の予約は一日を4区分(午前、午後1、午後2、夜間)に区切っており一時間毎の利用は受け付けていません。以前から、もっと柔軟な施設利用をできるように問題提起をしてきましたが、こちらの施設の試みは大いに取り入れるべきと思います。質問をしたら特段のトラブルも無いそうです。時間ぎりぎりに施設予約をしがちになっているという話もありますが・・・。

 また、この施設は割増料金と遅れての予約開始という制約を設けながら営利企業の利用や物販も認めているそうです。内容を聞いてみると「事務機展示」、「企業研修」、「軽自動車の展示」などの利用実績があったそうです。市民活動団体の物販などもイベントや講演に付随して行われているとか。

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 ホールでは旭川市受託事業として「中高年のためのウェスタンカウボーイライフ講座」が行われていました。

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 様々な大きさの会議・研修室。煉瓦造りの旧国鉄の工場であった建物を極力活用しているこの施設、建物の内部からも煉瓦造りの味を堪能できます。

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 市民団体の活動で使うものを預かる貸しロッカー室。一か月単位で契約できるそうですが、まだ契約は3,4件程度だとか。和裁を行う団体ミシンを預けたりしているとのこと。

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 貸出される備品はこちらのリンク先に記載の通り、実に多岐に渡ります。荒川区でもこうした貸出をできるようにしたいですね。 

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 単独型ショートステイ施設「いなほの郷」を訪れました。介護認定を受けた方と、市が緊急性が有ると判断した方が利用します。

 ショートステイ(自宅で介護を受けている方が一時的に宿泊して滞在する介護施設)とデイサービス(毎日車で送迎して)の両方を行っています。

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 大きな施設では徘徊が出る高齢者でもこうした小さなでは空間認知ができるので徘徊をあまりしなくなるとか。

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 ショートステイ(最長30日間)の居室では、どうしても貸して欲しいという場合以外はテレビを置かないそうです。テレビを個室に置くと入居者が部屋にこもり、交流空間に出てこないからです。
 写真は送迎に使う福祉車両(一般の自動車を特注で改造したもの)車いすからスムーズに乗り換えることができます。

 明日は岩見沢保健所へ移動し、自殺予防策の現状について視察をして荒川区へ戻ります。

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スカウター : 荒川区議会議員小坂英二の考察・雑感
posted by 小坂英二 at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする