2010年10月27日

岩見沢保健所(北海道)で自殺対策の聞き取り

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 今日は福祉・区民生活委員会視察の三日目最終日。今朝も雪が降りしきる中、旭川市から岩見沢へ電車で移動。

 岩見沢保健所(4市5町=18万5千人が管内)にて自殺予防策の説明を受け、質疑応答。

 保健所と長沼町(SSRは160)の検討会議にて、先駆事例の学習、データ分析、今後の取り組み検討をしたところ、男性は中高年の自殺が多い、女性の自殺も多い。

 自殺予防策に関する資料に書かれていた気になる言葉は「うつ病で治療する人は少しずつ増えてきているが、自殺した人でうつ病治療をした人は少ない」という話。

 小坂から質問で「具体的なデータが有れば、知りたい。また、SSRIなどの薬物漬けになることで自殺が引き起こされるという例も有ると聞くがその点の現状認識はどうか?うつ病治療を経て改善する事例が多いのか?」と聞きましたら

 「調査対象となった長沼町は農家世帯が多い。亡くなった方が治療をしていたかどうかは国保のレセプトで確認したのでは。管内全体での死亡を見ると、精神科にかかっていて亡くなる方もかなりいるので、医療機関との情報交換をさらにしていく必要あると考えている。指摘のような薬物が引き起こす自殺は有りうるとは思う。」とのこと。  

 自殺予防ゲートキーパーリーダー養成研修(岩見沢で200名が受講)で「死にたい」と相談された際の対応についてもロールプレイングをしているとのこと。

 また自殺ハイリスク者へのアプローチについても話が有りました。自殺ハイリスク者とは自殺未遂者、企図者、念慮者、自死遺族。こうした方々に対して家庭訪問や相談(面接・電話等)による支援をしているとのことです。自死遺族の会は札幌や帯広に有る。ハイリスクの方へのアプローチについて詳しく聞くと「一週間、半月毎に訪問している。帰り際に次の訪問日程を必ず決めて繋がりを絶たないようにしている。」とのこと。

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 当日岩見沢保健所で配られた資料の中にも、精神科で使われるSSRIなどの薬物は「自殺を引き起こす可能性」がはっきりと書かれていました。

 視察の公式日程は以上で終わりとなり、現地解散。小坂は新千歳空港に行く前に札幌で下車し、北海道大学を訪れました。

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 北海道大学では10月25日(月)から「サスティナビりティー・ウィーク」(詳しくはこちらをご覧下さい)と称して様々な事業を行っていましたので、地域と大学の関わり方や強毒性鳥インフルエンザの研究(丁度発表の場も有り。帯広でも感染鳥の糞が発見されたタイミングでした。)を聞かせていただきました。

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 大学の正門横には地域と大学を結ぶ施設「エルムの森」(詳細はこちら)が。

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 地域に開かれた北海道大学総合博物館。三階建ての建物の中に実に多彩な展示が。

 こちらに記載の通り、新型インフルエンザなどの「人獣共通感染症」の発表・展示が有りそこで詳しく話を聞かせていただきました。

 その時に聞かせていただいた話。国立感染症研究所では、バイオセーフティーレベルという危険度を4段階に分けた感染症研究の施設のうち最高レベルの危険性を持つウィルスの研究ができる施設(P4施設)を茨城県に作ったのですが、地域住民の反対で稼働できない状態だとのことです。同レベルの施設は先進国には必ず有って稼働して、それぞれ研究に励んでいるそうですが、日本だけはそれができないそうです。
 日本のハイレベルな研究が進められない状況は、実にもったいないことです。先進各国では何故受け入れられているのかを突き詰めて考えて何とかこうした施設における研究ができるようにして欲しいものです。


 こちらの動画で展示・説明の様子を知ることができます。

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 展示をじっくり見るとかなりの時間がかかる規模。公園のようなキャンパスにこうした博物館が地域に開放されているのは素晴らしいですね。

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 ロウで作られた皮膚病患者の部位の模型なども展示。子供の見学はご注意を!と入口に警告が有りました。余りにリアルで気持ち悪く感じる方も多いような展示でしたが、恐ろしい皮膚病の現実を知っていただくべく敢えて展示しているとか。
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 その後、元北海道庁の赤レンガ庁舎の中に有る「赤れんが北方領土館」へ。様々な資料映像、写真が豊富で北方領土が日本の領土で有ることが疑い無いことや、その経緯を詳しく知ることができます。
 札幌の赤レンガ庁舎は観光名所になっていますが、そうした建物の中にこのような施設(部屋)を設置した北海道庁の姿勢は良いですね。観光が目的で来た方にも、北方領土の不法占拠の現状について考えていただくきっかけになりますので。

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 国会に提出する署名も受付け中で、小坂ももちろん署名してきました。一昨日の朝まで東京にいたのに、飛行機で羽田につくと久々に帰って来たような感覚でした。

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スカウター : 荒川区議会議員小坂英二の考察・雑感
posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする