12月14日のブログ記事「大東亜戦争当時の御遺骨収集(沖縄)に四日間参加して参ります。」に書いた、英霊の御遺骨と御遺品を密林の中から探し出してお迎えする作業の3日目。8時30分に戦争資料館に集合。今日は遺骨をお迎えする活動を続けてこられた国吉勇氏、今迄数多く参加し、今回も17日から参加してきた渡邉拓氏に工藤裕一郎横浜市議、田沼たか志千葉市議が加わり、小坂も含めて5名での作業。
過日、英霊の御遺骨がかなり揃った形で出てきた場所の周辺の斜面を掘りながら探し続けます。
小坂の掘っていた場所からは最初、銃弾(写真左側の5本)や御遺骨(右側に少し)が出てきました。相変らず、どこを掘っても、砲弾の破片とみられる重い金属の塊は沢山出てきます。
次に出てきたのが、左上の長方形のものは「将校用の飯盒の蓋」。一般兵士に比べて細長いものなので、見分けがつくそうです。
右上の細長い錆びた物体は、軽迫撃砲弾である擲弾筒弾(詳しくはこちらをお読み下さい)です。こうしたものも多数まだまだ地中に埋まっています。
更に掘り進むと、深さ30から40cmの場所で「じゃばら」のようなものが出てきました。慎重に掘り進み、取り出してみると・・・。何と、防毒マスクです。じゃばらの先にマスク部分が朽ちていました。写真には写っていませんが、マスク部分に付属のメガネも出てきました。
不覚にも、スコップで掘っている時に、発見時の最初の一撃で防毒マスクのろ過装置部分の容器を傷つけてしまったようで、中身が露出しています。後程、国吉さんに補修をしていただくことに。この中身は冷蔵庫の脱臭剤の「キムコ」と同様のものだそうです。
こうした防毒マスクは日本軍では将校だけでなく、一般兵士にも広く配布されていたそうです。
さらに掘り進むと、今度は一般兵士用の飯盒の蓋が出てきました。確かに将校用とは形が違いますね。
14時半頃、作業を終え、国吉氏の事務所に戻って改めて資料を見ると、実に多くの防毒マスクが既に掘り出されていたようです。何しろ50年間掘り続けた方ですから・・・。防毒マスクだけで100個は掘り出したそうです。
国吉勇さんは兎に角、エネルギッシュです。日本の為に戦った先人が、誰にも看取られず、忘れ去られ地中に放置されていることに怒りを感じ、一体でも多くの御遺骨を掘り出したい一心で私財をつぎ込んで続けてこられたのです。
今日、掘り出した擲弾筒が完全な形で出土したものが資料館に展示してありました。
戦争資料館の入り口のモニュメントは・・・。
原野に埋まっていた不発弾。もちろん処理済です。
限られた日数の沖縄滞在なので、沖縄戦に関わる現場を訪問しようということになり、レンタカーで出発。琉球王朝の豪族の城であるグスクがあった南山城址。
ここも日本軍の陣地として使われていました。こうした石垣を盾にしながら、我々の先輩方は戦っておられたのです。
沖縄本島南部の壕。歩兵八十九連隊が最期を迎えた場所です。米軍による火炎放射によって十余日、燃え続けたと言われる壕の中も拝見し、黙祷を捧げてきました。壁面を照らしてみると火炎放射の跡でもちろん真っ黒です。
軍旗奉焼の地。玉砕を覚悟し、天皇陛下からお預かりした軍旗を敵の手に渡してはならないとここで焼いたという無念の場所です。日の上に旭日旗を、一列に並んだ我々に対して並行に乗せ、「海ゆかば」を皆で斉唱すると、不思議なことに、この旗が90度回転して、我々の方向を指す位置で止まりました。
力学的に考えても、極めて希有なことだと思います。英霊と気持ちが通じたのだと強く思いました。
最後に、健児の塔など多くの慰霊碑(詳しくはこちら)が有る沖縄戦最大の悲劇の地、摩文仁の丘を歩いて海へ降りていきました。この周辺で約2万人の軍人・民間人が亡くなったそうです。18時半頃と真っ暗な中、ライトの明かりのみを頼りに、様々な慰霊の碑や地をめぐり、美しい砂浜に出ました。沖縄戦終結時、一面死体で埋め尽くされた砂浜で「海ゆかば」を皆で斉唱。
戦争が悲惨過ぎることは自明であり言葉にするまでも有りません。残念ながら、「戦争を繰り返してはならない」という「願い」だけで防げる程、世界の情勢は甘く有りません。人口膨張、資源乱獲、貧困、格差、利権、権力闘争、帝国主義、軍事力や拉致出の主権への挑戦・・・。挙げればきりがない不安定要素。
だからこそ、戦争で悲劇を繰り返さない為には、国民が「大事なものの価値を認識し、何としても守る決意」を持ちそれを守る為には戦うことも辞さない強い意思とその備えをすることが必要だと小坂は考えます。
「戦うことも辞さない強い意思」と書くと「戦争を起こさない」ことと矛盾するように思われる方もおられるかもしれませんが、「何としても守る強い意思」こそが、逆説的のようですが戦争を防ぐことに繋がると確信しています。
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