2011年01月20日

震災特委で上越市視察(中越沖地震対策)

 今日は震災対策・危機管理調査特別委員会の現地視察で新潟県へ。一日目は上越市。14の自治体が合併してできた上越市は佐渡島より広い973平方キロ。東京都の約半分の大きさだとか。人口規模は荒川区(広さは10平方キロ)とほぼ同じ21万人。

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 今日時点での上越市の積雪は平均138センチ、最高の積雪状況は2メーター80センチだとか。新幹線や在来線特急の車窓からも白一色の世界でした。

 今日の視察目的は中越沖地震の被害とその対応策について。上越市議会の会議室にて聞き取りした内容からメモを以下、記します。

・中越沖地震で上越市において、被害の一つして上越市では27万羽の鶏を処分したそうです。病気を持っていた鶏では無く、鶏舎が倒壊し、27万羽の鶏を管理できなくなったので、やむを得ず処分したそうです。

・上越市における大きな被害は公共施設破損と事業所・廃棄物処理等の被害がそれぞれ14億円。

・山間地における地割れには雨が降る前にビニールシートをかけて雨水の侵入を防ぎ、地割れの拡大を防いだ。その為に、青いビニールシートが何千枚も必要になった。

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※上越市民防災ガイドブック(震災から原子力災害まで幅広く対応が書かれています)

・防災ラジオは平地部(高田と直江津地区)でFM波が届く全ての世帯対象に

★中越沖地震での上越市の教訓
 1.情報収集・伝達
  ・災害対策本部の情報収集機能が乏しい。
  ・全市民への一斉の伝達手段が無い。

 2.災害対策本部
  ・通常の業務分掌では長期対応には制限。
  ・情報収集、連絡調整が常時できる場所は必要。

 3.避難所の検討 
  ・職員数約2,200名 
  ・最大開設ケ所は334施設のうち214施設。

 4.関係機関等との連携
  ・防災関係機関との情報共有含め密接な連携が必要。

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・上越市の一部である吉川区は以前は吉川町として荒川区とは友好都市を結んでおり、中越沖地震の発生翌日には荒川区から給水車が到着して給水支援を行った。

・防災知識に親しむ為に、クイズで学んだり、運動会でも防災種目を取り入れたりしている。

・防災士の要請にも意欲的。平成18年度から事業化、受講費用は全補助。
  500名の養成が目標で、現在369名が取得済み。
  参考:東京都全体で4,500名
  取得後のスキルアップは毎年、講話及び事例研究を行う。
  防災士取得は町内会の推薦を得たもの意欲有る者が受ける。一人当たり6万円の養成費用が必要になる。

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・自主防災組織の整備は98%という高い目標を掲げて、働きかけを強めている。

・1人暮らしの家分布図を町内会の会館(公民館)に掲示している。個人情報保護の点で町内会で掲示板に張り付けて良いと了承を得られた場合、災害対策の為に開示している。

・避難所のカギを開けたりする担当の市職員は全て割当を決めている。実際の運営は防災士や町会長がリーダーシップをとる形となる。

・上越市には4800人の消防団員がいる(人口比で荒川区(480人)の十倍!)。人口比でも全国3番目の多さだとか。

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スカウター : 荒川区議会議員小坂英二の考察・雑感        
posted by 小坂英二 at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする