熊本県での地震を受けて、多くの公職者(自治体役所、自衛隊、警察署、消防署、消防団、医療関係者、各種団体、地方議員等)が奮闘しています。勿論、民間の方々も奮闘されていますが、特に問題提起をしたいのが、公職者についてです。
そうした公職者への称賛の声、多くの激励などがあるのは嬉しいことです。とっても励みになるかと思います。
一方で、現場でこうした公職者に、心無い「圧力」や「言葉」を投げかけたり、ネット上や後日、誹謗する人達もいます。東日本大震災の際に見聞きしました。
「税金で養ってやっているのだから、休む間もなく災害対策にあたれ」「公僕なのだから、何でも後回しが当然。自粛したら?そしたら住民にその分がまわるから」などなど。
実に悲しい、そして怒りを感じる姿勢です。
災害現場の現地でもともと働いていた公職者も、応援で外部から来られた公職者も、限られた選択肢の中で自らの役割を果たしておられるのに。
東日本大震災の際に東京の消防庁の各消防署から多数の災害派遣の応援がなされました。そこに行かれた隊員さんから聞いた言葉。
「現地では隊員が食事をしている姿、休んでいる姿を見せてはいけないというのが、皆の共通認識で、それが徹底されていた。」と。
「「救援を必要としている人がいるのに、メシなんか食っている場合か。」「助けが必要な人がいるのに、よくのんびり休んでいられるな」と言われるのを避けるため」
とのこと。
現場での活動は精神的、肉体的な負担が凄まじいものです。十分な休みを取り、食事をしっかりといただき、睡眠も取る。それも堂々と。人目を忍ぶのではなく。それが当たり前になされる社会でありたいものです。
東日本大震災で救助活動が長期化した地域の消防団で、飲酒が問題になって責任者が職を追われた件がありました。
救助活動が数日のみならず、数週間、数か月と続く中、団員(普段は別の仕事を持ちながら、こうした災害時などに対応に従事する非常勤公務員)の肉体的、精神的ストレスは過大になります。仲間と酒を飲み、想いを分かち合い、翌日の活動に気持ちを新たに向き合う。そんなことも批判され、許されない、という風潮は変えねばなりません。
十分な働きをしていただくには、やすらぎの時間が必要です。それも隠れてコソコソではなく、堂々と。
勿論、自衛隊、警察、消防の組織として、「十分な休息やストレス管理」に配慮した運営をするように配慮されています。しかし、そこで管理できないのが、社会の風潮、周りの目です。
災害現場で働く方々に、堂々と休んでいただけるような、仲間を思いやるような気持ちを、現地の多くの方が持って下されば嬉しい限りです。
写真は東日本大震災発生後、津波被害を受けた気仙沼市(宮城県)でボランティアで民家の泥かきに参加した際のものです。
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