昨日の本会議にて、小坂から討論をした二つ目の議案は表題に書いた通りです。
このような酷い議案にも反対をしたのは小坂を含む8名のみです。
小坂の討論に対して、自民党席から「こんな討論ばかりしか出来ないのか!」と罵声を浴びせかけられました。よっぽど、耳に痛かったのでしょうね。
(以下、小坂からの反対討論です。)
私は議案第15号「荒川区議会議員及び荒川区長の選挙における公費負担に関する条例の一部を改正する条例」について、到底賛同ができず反対討論を致します。
もともと、国が公職選挙法を改正し消費税5%から8%になった現状を踏まえ、「選挙カーのレンタカー代、燃料代」「選挙ビラ、ポスターの作成費用」への公費負担の上限を定め、その上限の「範囲内」で地方選挙も自治体の裁量で「限度額の引き上げが可能」になったことに伴う条例改正です。
選挙カーの一日あたりの燃料代公費負担を現状7,350円から7,560円へ引き上げる選挙カーのレンタカー代公費負担上限も一日当たり15,300円から15,800円へ値上げする等の内容です。
自治体の裁量で「条例改正によって公費負担の上限額まで引き上げが可能になった」だけであり、引き上げをしなければならない訳では有りません。
真に必要なことは「公費負担が必要かどうか?」の根本を問い直し、その上で「国の上限額に追随するだけではなく、現状を踏まえて上げるか下げるかを決める」ということだと思います。
選挙カーへの公費負担は根本から考えると不要です。騒音をまき散らし、迷惑な連呼行為で政治への軽蔑を生み続ける「選挙カー」への公費負担廃止を求めます。
どのような分野についてでも公費補助というものは、「公に資する」事項に対して行うべきです。
ところが、10キロ平米の狭い荒川区内で数十台の選挙カーが行っていることは、所構わず一日最大12時間、大音量で所構わず、空疎な候補者名前の連呼ばかりです。有権者の頭に候補者名を刷り込み、あわよくば投票してもらおうというさもしい活動。
夜勤明けの方が寝ている住宅街で「働く人の味方の●●です。」と大音量連呼して眠りを妨げる皮肉。
赤ちゃんが昼寝している住宅街で「子育て支援の●●です。」と叫び、赤ちゃんを起こし泣かしてしまう事例など最早、ブラックジョークです。
投票行動の分析を見ても街宣車での連呼行為をプラスの判断材料にする有権者など、ほとんどいません。
有害なだけの選挙カーへのガソリン代、運転手台、車両代などを公費負担することは「害悪への加担」に他ならず、荒川区の条例改正で止められることなのですから、公費負担を廃止することを求めます。
併せて、区議選の際には政策を書いたビラを一枚も配れない、そんな馬鹿げた規制がある公選法。選挙権が18才に引き下げられても、「必要な活動は禁止され」「迷惑行為は野放しで公費補助すらある」といった異常な制度のもとでは、政治や選挙というものに対して、嘲笑や軽蔑の対象となるばかりです。
こうした状況を是正する問題提起を23区の選管とも協力しながら、国に制度正常化を求めていくことこそ、23区特別区長会会長の役割ではないでしょうか?
また、現状を踏まえると、委員会で小坂からの質疑への答弁として、実際のガソリン代の公費負担請求の金額は公費負担利用候補の平均では一日あたり1,500円程度だとのこと。現状の公費負担上限金額の7,350円は現状から乖離した上限額で高すぎます。
今でさえ高すぎるのに、さらに公費負担上限を引き上げ、7,560円にすることには全く妥当性は有りません。
この狭い荒川区を選挙カーで走って、一日に燃料代が7,560円かかることが有るのでしょうか?思考停止とは恐ろしいものです。
以前はこの上限額の満額近く、公費負担を申請していた議員・候補が荒川区議会においても多数いましたが、「そんなかかる訳ないだろ!」と裁判がおこされ、多数の議員が公費負担で疑惑を持たれた金額を返納していました。
公費負担分を満額受け取るために、選挙カー(一台のみ公費負担が認められている)以外の事務所の車、家族や知り合いの私用車のガソリンまで入れていた事例も全国各地で見られました。そんないわくつきの公費負担制度なのです。
少なくとも荒川区のような10km平米の狭い選挙区で区議選において30台前後の選挙カーが名前の連呼をして騒音をまき散らしている現状、選挙カーへのガソリン代、レンタカー代の公費負担など不要なのです。
不要どころか公費負担で選挙カーによる迷惑行為を促進することに対する上限額を更に上げることに公益性はかけらも有りません。議員各位が良識に基づき反対をしていただくことを求め反対討論と致します。