尾久駅側から見た道路との境。「広域避難場所」はこうしたフェンスで囲われており、避難の際は限られた場所からしか入れません。数か所の踏切からと、駅構内の扉(普段は施錠されているのを、震災時にはJR職員が開けることに・・・。)
尾久駅構内から広域避難場所を一望。様々な構造物が・・・。
尾久駅と上中里方面を結ぶ地下通路。この途中に階段を昇ると扉が有る場所が。そこが広域避難場所への入口の一つ。
一つ目の入口。普段は施錠されているのを、避難が必要な際にちゃんと解錠されるのか?また、混乱が生じないように避難民誘導の体制も確立せねばなりません。
もう一つの入口。
上中里側の地下道への入口。一応、補強はしてあります。
車両の点検を行う施設が敷地内に。
その周辺はこうした溝が多く有ります。現場写真は以上ですが、どう見ても広域避難場所として適当では有りません。問題点の総合的な検証と改善策を考えねばなりません。
区役所に帰って、委員会でいくつかの議題について議論を行いましたが、その中の一つ「新たな荒川区地域防災計画の策定について」に関連して、この問題の多い広域避難場所について質疑を行いましたので、関連事項と共にご報告致します。
小坂:応急仮設住宅の建設について、具体的な手続きはどのようになるのか?
防災課長:役割分担として、区で建設予定地を決めておき、都が応急仮設住宅を建設するということになる。20日以内に着工することと定められている。
小坂:減災目標の設置など、新たな目標を設定するのであれば、家具の転倒防止器具への設置支援について、北区で行っているような災害弱者への訪問設置など今までよりももっと踏み込んだ対策を盛り込むべきではないか。
防災課長:一律の対策の対策ではなく、具体的な対策を講じていくべきと考える。
小坂:避難計画の中で、広域避難場所として田端・尾久操車場が4月から指定されたが、今日、現地視察をさせていただき問題点が極めて多いと認識しているが、区としてはどのように認識しているのか?
防災課長:広域避難場所が身近な場所になったというプラス面はあるが、具体的な避難の方法については周知がなされていないなど問題も有る。指摘のように具体的な経路が分からないという声もあった。
小坂:広域避難場所への入口を増やすことも必要ではないか。避難誘導の際のJRや区の役割分担は明確になされているのか?そうした点について区としてどう考えているのか、まず、態度を明確にすべきでは。この点について明確な答弁を求める。
防災課長:安全対策として、どのようにできるか今後検討していきたい。1時間のうち3万人が入れる計算となっている。
危機管理対策室長:震災時に使うことは位置づけられている。
副区長:区としての見解はまだ纏めていないが、これから示したい。
小坂:昨年の12月頃から広域避難場所としての指定についての話を聞いているが、それからもう半年も経っているのに、満足な認識が示せないというのはどういうことか?区として震災時に区民の生命を守ろうという、切迫感が足りないのでは?
副区長:敷地の所有者JRは難しい相手であること、詳細な検討もなく都から指定されたこともあり、対策が遅れていることを申し訳なく思う。一度、JRとの協議の場に参加したが、JRは積極的ではなかった。それは理由にならないが、今後協力を十分得られるように努力したい。
小坂:西尾久全域で配布された広域避難場所変更のチラシを見たが、広域避難場所へ入る為の入口の明示もなく、どこから入ればよいのか分からない状況で、いざ、避難する必要が生じた際には大きな混乱が予想される。今後、区報やHP等で入口を明示すること、現場においても入口の明示、入口を大幅に増やす(普段は施錠していてもいざというときはあけられるもの)ことが必要ではないか?
防災課長:そうした指摘をいただいている。どう対応できるか検討したい。
小坂:この問題について明確な方針を決められるのは何時になるのか?それを纏めた上で委員会できちんと議論を行うべき。
防災課長:田端・尾久操車場について姿勢を纏められるのが何時の時点になるのかは、安全管理の問題が多いので、明示できないかが早く行いたいと思う。その上で委員会においても議論をしていただく。
小坂:町会ごとの対応やバリアフリーに配慮した場所(一部でも)の確保などについても、次回の議論の際には策を示して欲しい。現在の状況では広域避難場所での危険が多過ぎる!北区との情報交換や連携に向けての話し合いはしたのか?もう一度、この問題について、徹底的に議論をすべきと考える。
防災課長:北区では田端・尾久操車場を昭和47年から広域避難場所としてきているが、今後、荒川区とも共同で広域避難場所として使用するため、情報の詰めていく。
小坂:集合住宅住民への支援については、どのような事項を定めるのか?建物は損壊しなくても、エレベーターや水道が使えなくなるなど、集合住宅独特の問題が有ると認識しているが?
都市計画課長:必要な中層階に防災倉庫を設置するなど管理組合に求めていくこと、マンション管理セミナーなどで話をしたり、中央区でも管理組合に指導をしていると聞いている。防災課とも協議をしながら進めていきたい。
小坂:水害対策について。区民が危機感を持って問題意識を持ちにくい分野だが、葛飾区で行っているように電柱に浸水時の水位などを明示するような「しかけ」が必要ではないか。
防災課長:荒川区の水害ハザードマップの中では最大5mも水没するという事実も示した。葛飾区の例は初めて聞いたが良いアイデアだと思う。
小坂:医療救護所の看護師・医師の確保についてはどのように、想定しているのか?区内の医療機関から派遣してもらうことは、自分の所属する医療機関での業務で手一杯となり難しいと考えられる。姉妹友好都市の医療機関から派遣をお願いすることも一つのやりかたと思う。また、区内在住者の中にも、医療機関に現在勤務していない看護師資格保有者なども予め、「震災時支援要員」として登録する制度を作ることも必要ではないか?4,5年前にそうした制度を提案し、区も検討を約束したが、そうした制度でも作らない限り、医療スタッフの不足は必至と思うが、どうか?そうした医療スタッフ確保の為の枠組みについても、具体的に想定すべきと思うが、どうか?
防災課長:連絡、参集体制を検討している。具体的にどこにするか詰めている。ライフラインが無くなった場合も、人員や物資については、きめているが新たな視点として考えていきたい。「医療スタッフの登録制度」について検討していなかったが、今後、検討していきたい。
小坂:がれきの仮置場は具体的にどこを想定しているのか?また、区の役割分担とは?
危機管理対策室長:土木、清掃の役割分担となっているが、今後決まり次第ご報告する。
小坂:釜石市で先進的に取り入れているJ−ARERT(参考記事)を導入すべきと思うが、計画に入れないのか?
防災課長:改めて修正案の中でご説明していきたい。
小坂:耐震の建て替え、耐震補強工事の促進の為に、リバースモーゲージを活用すべきと考えるがどうか?(参考ブログ記事)
民間の銀行(例えば、東京スター銀行では担保価値の下限無し)のリバースモーゲージのように、日々、新たな優れた商品が開発されている。それを必要な区民に伝えながら、利子補給を一時的に行い、土地保有者がなくなった際に補助を行った金額をいただくような仕組みを導入してはどうか?
住環境整備課長:以前も検討した経緯があったが、うまくいった事例は少ない。使わないわけではない。あらゆる手法を活用しながら、危険度が高い場所については考えていくべきと考えている。活用を進めていきたい。行政がどこまでも行うべきではないと思うので、民間の制度について紹介していきたいと思う。
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