「肺炎球菌」は聞きなれない言葉かもしれませんが、肺炎の大きな原因の一つであり、ワクチンを接種すると肺炎の予防に大きな効果が有ります。
日本では、生涯に一度だけ接種(二十三価不活性ワクチン)できるとされており(この「一度だけ」というのもおかしいという指摘が!)、主に高齢者向けに接種をする例が多いようです。
「高齢者の慢性肺疾患患者にインフルエンザワクチンを接種したところ、接種しない場合に比べて入院リスクは52%、死亡リスクは70%低下。さらに肺炎球菌ワクチンも併用すると、入院は63%、死亡は81%軽減できることが報告されている。」
「米国では、インフルエンザワクチン同様、65歳以上の人に接種を強くすすめている。その結果、現在65歳以上の50%がワクチンを接種し、2010年には90%をめざしている。一方、わが国の接種率は2%未満にとどまっている」
「自治体によっては費用の一部を公費で助成し、高齢者の肺炎を予防しようというところもでてきた(表)。全国で初めて補助に乗りだした北海道瀬棚町では、結果として町の医療費削減を実現した。今後さらに同様の自治体が増えれば、感染リスクの高い高齢者や基礎疾患のある人には朗報である。」
上記のような情報を始め、詳しくはこちらのページに書いて有りますので、是非、お読みいただければ幸いです。
肺炎球菌ワクチンへの公費補助を行っている自治体は増えており、23区内で検索してみても、すぐに以下の自治体の公費負担紹介ページが出てきましたのでご紹介しておきます。
・墨田区
・目黒区
・千代田区
また、肺炎球菌ワクチンも様々な種類が有り、低年齢児には効かない現在の二十三価ワクチンではなく、低年齢児にも有効で重篤化を防げる七価ワクチンが昨年、承認申請されていますので、承認後、広く接種が可能になった際には七価ワクチンへの対応も併せて行う必要があると思います。
過去に何度か書いた細菌性髄膜炎の原因の二番目は肺炎球菌なのですから・・・。
細菌性髄膜炎の定期接種が行われていない唯一の先進国、日本。「予防接種」=悪いもの、怖いものという意識が植え付けられている日本。その一方で、接種さえしておけば病魔に苦しまずに済んだ多くの患者が存在し、接種さえしておけば亡くならないで済んだと思われる方々も多数。接種さえしておけば、かける必要の無かった医療費も膨大なものでしょう。
上記のような点に加え、新型インフルエンザ流行時の、合併症を少しでも抑える意味からも肺炎球菌ワクチンの普及は有意義と考えます。半額程度の公費補助を行う仕組みを作り、その広報を通して、ワクチン接種の意義も広めることができます。荒川区においても、肺炎球菌ワクチン接種への補助を始めるべき、と予算要望や議会での質問を通じて求めていきたいと思います。
肺炎球菌枠エチン接種推進の為、公費補助や広報を推進すべき、という方はこちらの2つのボタンを押してください。