区役所前の花壇のコスモスも美しく咲く秋です。今日は決算特別委員会の三日目。小坂からは障害者雇用促進について以下のような質問を致しました。この質問をして、元々の配分時間44分間のうち、昨日の質問の時間も差し引いて残り時間があと14分となりました。
(小坂からの質疑・答弁)
小坂:荒川区の障害者雇用への様々な取り組みを高く評価しているが、その前提でさらなる取り組みを求める観点からお聞きする。区役所での常勤、非常勤の職員における障害者雇用の現状を示す数字は?現状として区は知的・精神障害者を区職員として雇用はしていないが、知的・精神障害の方でも内容に応じて、得意分野となる仕事が有ると思う。
横浜市では、知的障害者を書類整理、ホームページ更新、庁内メール集配、廃棄文書のシュッレッダー作業、テープ起こし、等の庶務に昨年10月から採用をしています(横浜市の知的障害者雇用レポートにこの件も掲載されています)。こうした、障害の内容に応じてお任せをすることのできる仕事を知的や精神の障害の方に職員として働いていただくように区としても取り組みをさらに進めてはどうか?
職員課長:区役所の勤務者の内、障害者は43名。雇用促進法に基づく法定雇用率は2.1%だが、現在、荒川区は3.44%。特別区(23区)は3%の目標を定めているがそれを上まわっている。障害の内訳は肢体、上体、資格、内部障害等で基本的に身体障害。委員指摘のように知的障害者などにも職員として働く道を開くにあたり、具体的な課題は有るが知的障害等をもちながらも働けるような取り組みについても考えていきたい。
小坂:三重県をはじめいくつかの県では、障害者の雇用率が一定以上の企業や授産施設、小規模作業所などに対し、物品関係の契約・入札で優遇する制度を創設しています。また、いくつかの自治体では障害者雇用や環境配慮をその努力に応じて加点する総合入札制度を導入しているが、障害者雇用を進める区の姿勢、障害者プランの推進の観点からも区としても、以前から実現を求めている総合評価入札制度(大阪府の事例)の導入を決断すべきではないか?管理部長に認識を問う。
管理部長:総合入札制度は価格のみでは無く、障害者雇用や環境配慮等様々な観点から評価をするもの。まず、実績、そして地域貢献や障害者雇用も評価していくという段階で考えていく。区内の中小企業での障害者雇用が進んでいない中での導入には、中小企業が入札に参加できにくくなることもあり、慎重に考えなければならない。ただ、必要なことだと考えている。
小坂:そもそも、障害者雇用等に熱心に努力している企業・団体とそうでない企業・団体が同じ土俵で競争するのはフェアではないと考える。むしろ、障害者雇用に格段に積極的に取り組んでいる企業・団体とは積極的に随意契約を行うという形、ある意味「福祉の枠」を儲けることも必要と思うが、どのように認識しているか?
管理部長:区の仕事の範囲で障害者の就労を促進することについては、一例では北庁舎で障害者事業団に訓練と清掃をお願いをしている(平成19年2月10日のブログ記事参照)。総合入札等の導入の前に働く担い手を育てていくという観点が必要と考えている。障害者雇用を契約の条件として考えていくことも可能性として有るが、総合入札については具体的な導入の前の段階であると考えている。
小坂:最後に、障害者雇用の先進事例を全国で調査をされ積極的に導入をされている区長の認識も伺いたい。
区長:障害者雇用については昭和40年代に石田博英氏(労働大臣)が法令化された。これは特筆すべきことであり、現在あらゆる分野に広がって来ている。現在、知的障害をお持ちの方に働いていただけるような社会にすべく、区役所でも指摘を受け止めて取り組みを検討していきたい。議員からいただいた提案については、残された任期の中でも一生懸命やっていきたいし、再任されれば引き続き熱心にやっていきたい。
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昨年、北海道の石屋製菓が主力商品「白い恋人」の賞味期限改ざんという事件で叩かれたことがありました。
マスコミは挙って「黒い恋人」などと揶揄してその経営体質を非難し続けましたが、同社は数十年来にわたり障害者の授産施設に包材の組立てを発注してくれていたのです。
「白い恋人」の生産停止は荒川区の福祉作業所にも大きな影響を及ぼしました。
同社の行為は許されるものではないでしょう。
社会的に大きな役割を担っているからこそしっかりとした倫理基準をもっていただきたかった。
マスコミも叩きまくるだけでなく、社会貢献を果たしている企業に対し正当な評価をくわえて報道していただきたいと思いました。
私の区でも障害者雇用に取組んで去年、知的障害者を雇用し無農薬野菜等を販売する常設の物品販売店舗が開設されました
運営は区障害者就労福祉センターのようです
しかし正直、雇用人数&売上規模を勘案すると将来性には不安を覚えてしまいます…
実態と言いますか経営内容等を知っている訳ではないので勝手な憶測なのですが...
また昨今の企業倒産に伴い大量の失業者が予想され、個人的には障害者雇用の未来に対して暗澹たる気持ちになってしまいます
うろ覚えですが障害者雇用法クリアのためにに出資会社・子会社という形でのクリアが多いように聞きますので直接雇用による荒川区の取り組みは本当に素晴らしいと思いました
障害者雇用クリアのために確か大手電機の合同出資子会社などがあったと思います
必ずしも「直接雇用」が素晴らしいという言い方も語弊があるかもしれませんが…というのは障害者というものが余りにも千差万別で一概に言えないからです
こういう言い方は良くないのですが、やはり大手企業に雇用率上昇を要請して行くのが"効率"が良いのかなと思ったりします
同感です!ご指摘の作業所を見学した際に、「白い恋人」の箱を組み立てていることを聞き、とても嬉しく思ったのを思い出しました。こうした見えないところで障害者に就労の機会を作っていただけること、素晴らしいですね。
>>kita 様
そうですね!そうした観点から区施設に特例子会社を誘致(参考ブログ記事=平成19年10月30日の記事)するなど、民間企業での一般就労を促進していますが、さらに広げられるように議会でも発言して参ります。