9月18日のブログ記事に書いた「新型インフルエンザ講演会」に昨晩、参加して参りました。新型インフルエンザ対策の強化を二十三区区長会を通じて国に強く働きかけてきた西川太一郎区長の挨拶に続き、谷口清洲先生(国立感染症研究所感染症情報センター第一室長)からの講演。かなり核心に触れた詳しい話にも関わらず、解りやすく話していただき、150名以上の来場者が熱心に聞き入っていました。
新型インフルエンザについては、まず、こちらのリーフレットをご覧下さい。
当日の話や資料から、いくつか御紹介します。
・人から人へ感染する新型インフルエンザが一昨年(トルコ)と昨年(エジプト)で発生していたものの、早期に「封じ込め=患者の早期隔離等」で大流行を防いだ。こうしたことは、今後も発生しても不思議ではない。
・大正8年に大流行したスペイン風邪は日本の人口の37%が感染したとの内務省統計が有る。医療環境が現在よりも悪い当時でさえ「感染が判明した」とされる割合が公式にこれだけあるのだから、実際はもっと多いと思われる。
・新型インフルエンザが発生してしまったら、完全に封じ込めるのは難しいので、「爆発的な流行」を防ぎ「患者が少しずつ出るように抑える」ことが重要。
・1918年のスペインかぜ流行時、米国の各自治体において、感染率の差が統計として残っているが、それはどれだけその自治体が封じ込めに力を入れたかの差。人が密集する機会を減らすことが感染拡大防止に欠かせない。
例えば・・・。
※スペイン風邪による死者が1000人になってから初めて隔離など封じ込め策を取り始めたフィラデルフィア市においては、感染率は10.8%(教会や学校、劇場、公共施設閉鎖前の数字)。第一次世界大戦の戦勝パレード(感染の格好の場)も中止しなかったことが大きい。
※スペイン風邪による最初の死者が出てすぐに封じ込め策を実行したサントルイス市では感染率は2.2%で済んだ。
・新型インフルエンザが発生してから、「発熱」が認められる方には、発熱の原因が何かを確定する前に「タミフル」を予防的に処方することになる。その「発熱」の原因が風邪か通常のインフルエンザか恐ろしい新型インフルエンザかが判明するには発熱から時間がかかるため。
新型インフルエンザ発生時、「発熱」したら「保健所」か「かかりつけ医」にまずは電話して対処方法を確認すると良い。
・新型インフルエンザウィルスもそうだが、通常のインフルエンザウィルスも80度以上の高温やエタノールなどの消毒で殺すことができる。
講演の後、質疑応答が有りましたが、十数名の方から熱心な質疑がなされ、関心の高さが伺われます。西川区長と共に議員の立場から新型インフルエンザ対策を推進して参ります。
荒川区における自治体独自の新型インフルエンザ対策強化を望む、という方はこちらの2つのボタンを押してください。
とにかく、現代の日本人が経験してない事態が近々起こりうる、というのがとにかく怖いですね。今の法整備がどこまで進んだのかイマイチ分かりませんが、この件については無知でいることは犯罪的だし作戦を練っても用意しすぎということは有り得ないだろうと思います。区報だけでなくマスコミも巻き込んでどんと啓蒙して欲しいです。
コメント、ありがとうございます。ご指摘の通りです。日本では新型インフルエンザ大流行時にむやみな外出は「自粛」となっていますが、ある国では「罰則付きの禁止」となっています。
国家の緊急事態であり、一人の勝手な行動が多くの死者を出す原因になるのですから、国家として私権の制限にきちんと踏みこんでいただきたいと強く希望します。
ただ、本文中のセントルイス市の例のように、自治体で取り組めることは、まだまだあると思いますので、それを議会でも粘り強く働きかけて参ります。