祝賀会で様々な方とお話をした後、蒲田へ移動し、「シンポジウム ごみ有料化 〜その取り組み・成果・課題〜」に参加。主催は「NPO法人 集めて使うリサイクル協会」で主に行政関係者、また地方議員も参加していました。
3時間にわたる講演とシンポジウムの内容は書ききれませんので、概要と注目した点について書きます。
★基調講演 東洋大学経済学部 教授 山谷 修作 氏
★シンポジウム
・環境省 大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
廃棄物対策課課長補佐 水谷 好洋 氏
・(前)日野市 環境共生部ごみゼロ推進課
課長 原 正明 氏
・上伊那広域連合 環境衛生課
課長補佐 唐澤 修身 氏
・上越市 市民生活部生活環境課
課長 矢澤 正勝 氏
当日、大変参考になる実例が詳しく書かれた資料を受け取りましたが、こちらのページからも無料で送付してもらえるそうですので、宜しければどうぞ。
まず、ここでクイズをしてみたいと思います。今年の11月1日現在の数字で全国の市区町村は1805有ります。そのうち、家庭ごみの有料化を既に実施している自治体がいくつ有るとお考えですか?
1.約 300自治体
2.約 500自治体
3.約1000自治体
答えは3番の約1000自治体。
正確には1048自治体で既に有料化がなされており、全国の自治体の58.1%にも上ります。
小坂もこの数字を知るまで有料化をしている自治体がここまで多いとは思っていませんでした。今日の夜、政務会合が有ったので、三十数名の参加者に同じクイズを出して聞いてみると、2番の答えだろうと挙手をした方が一番多く、次に1番の答えをする方と続き、3番と答える方は一人もいませんでした。
現在、荒川区をはじめ23区ではゴミの排出の度に費用を徴収されません。しかし、これは「無料」ではなく税金から多大な支出をして処理をしていることは改めて言うまでも有りません。
また、現在のやり方ではゴミの減量に努力した方も、そうでない方も、同じように「直接には目に見えない税負担」でおなじだけ費用負担をさせられており、「正直者が馬鹿を見ている」状況です。有料化すれば、ゴミ減量に努力すればそれだけ費用負担が減り、そうでない方は費用負担が増えるといういわば「受益者負担」が適用されるようになります。
今日のシンポジウムでの実例を踏まえ「家庭ごみを有料化すべき」という以前からの認識に更なる確信が持てました。
シンポジウムでの資料や実例では、有料化の際に小坂も最も心配している「不法投棄の増加」についても有料化を実施済の88自治体のサンプル調査において
「ほとんど増加しなかった=46%」
「多少増加したがその後減少した=20%」
「それなりに増加したが、その後減少した=8%」
という回答の合計が74%であり、
「多少増加し、その後も減少しない=12.7%」
「かなり増加し、その後も減少しない=4.6%」
という回答の合計が17.3%という数字を見ると
想像よりも不法投棄の増加には繋がっていないようです。
それは有料化の際には「ゴミの減量」と共に「負担の公平性」が大きな目的である為、自治体で以下の不法投棄防止策を行っているからでもあります。
・「看板の設置」
・「不法投棄物の検査による投棄者の割り出し」
・「自治体によるパトロール強化」
・「外部団体との通報制度」「住民による通報制度」
また、多くの自治体で有料化の際にゴミの各戸収集を行う為、現在の拠点回収と異なり責任の所在がはっきりする為、啓発を十分に行えば分別についても改善が進められます。
日野市ではかつて、一人当たりのゴミの排出量やリサイクル率は東京都下でワーストワンであったため、ゴミ減量の目的もあり、平成12年10月からステーション回収を止め、各戸収集を有料化と共に実施しました。
その結果、ごみは半減、リサイクル率は何と3倍に!
こうした成功の裏には社会的手法として丁寧な合意形成を日野市が住民と共に行ったことが大きいそうです。
・全庁で有料化の為の取り組みを進める為に151名の職員がボランティアで住民説明等に協力
・630回開催された住民説明会
因みに町会などが美化活動で回収したゴミを入れる袋やおむつ専用袋は無料です。ごみを排出する有料袋は4種類で以下の通りです。
大 80円 40リットル
中 40円 20リットル
小 20円 10リットル
ミニ 10円 5リットル
23区内でも既に中野区(関連記事)では有料化へ踏み出しています。
有料化で集めたお金はゴミ減量に貢献する方に還元することや環境ボランティア支援に充てるなど前向きな使途に限定するのも有効かと思います。荒川区においても「受益者負担」「ゴミ減量」「ゴミや環境に関心を持っていただく」為にゴミ有料化に踏み出すべきと、確信を持って申し上げます。
また、有料化の際には食用油や生ごみのリサイクルを進める取組を行政が進めていくべきであるということも申し上げたいと思います。
会場となった大田区産業プラザは大田区の産業支援施設。こちらも見学させていただきました。
家庭ごみの有料化を進めるべき、という方はこちらの2つのボタンを押してください。
郷里の自治体でも今年から有料になりました。
勿論反対が多かったようですが、蓋を開けてみれば、いかにしてごみを減らすか、皆知恵を絞っているようで実際減っているようです。
有料のごみ袋が耐久性が弱く(目一杯詰める為)苦情が出て、現在は改良されたようです。
有料化は全国展開していいと思います。
有料化を実施する為には、行政側が変な目的に徴収した金を使って安易な値上げ攻勢をかけないように監視することが必要条件だと思います。
教えていただきありがとうございました。有料化した自治体の住民はゴミ減量やリサイクルへの意識が高まるようです。課題はまだまだありますが、進めるべきだと思います。
>>アンチ△専用 様
低所得者対策はそれぞれの自治体で行っていますので、荒川区でも実施する場合は当然対応しなければならないと考えています。
有料で区民からいただくお金の使途は環境対策に充てるべきと思っています。