2009年01月08日

赤煉瓦塀の街並みを失わないように・・・

 南千住に明治12年、日本で初めてのラシャ場(羊毛工場)として「千住製絨所」が設立されました(経緯はこちら をご覧ください)。

 南千住は こちらのページに記載の通り、「日本における羊毛工業発祥の地」と言えます。

 広大な敷地に建てられた千住製絨所の工場自体は残っていないのですが、一部美しい煉瓦塀が残っております。

 その煉瓦塀を含む土地(南千住6−59周辺)で現在、大型スーパーが進出をする予定となっており地主とスーパー事業者で覚書を交わした状態です。

 皆様に現状をまず知っていただきたく写真でご紹介します。
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 こちらは荒川総合スポーツセンターのすぐ脇に設置された井上省三(せいぞう)氏を顕彰する銅像。

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日本羊毛工業発祥の地の碑

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井上省三氏を顕彰する碑も。

 以上は工事予定地とは離れた場所に設置されているものですが参考まで。

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 大型商業施設の進出が予定されている敷地(旧 サッポロビールの南千住倉庫)は建物の取り壊し工事が5月までの期限で進められています。

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 以上2枚は工事の敷地内側から煉瓦塀の内側を撮影したものです。

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 煉瓦塀を道路側から撮影しました。

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 ヒビが入った場所は何箇所か鉄の棒で補強されています。

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 煉瓦塀の上にさらに塀が上乗せされている場所も。

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 商業施設と共存できる道を探るべきと考えます。商業施設との間に自由に立ち入りができる遊歩道を設けることなど考えれられます。

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 塀に草が生えています・・・。歴史を感じます。
 
 大型スーパーが進出すること自体には反対しませんが、店舗建設の際に歴史的文化財と言える煉瓦塀を残すように区から強く働きかけていくように2月17日か20日に小坂から行う本会議質問でも求めていこうと考えています。区は強制力を持つ権限が無い為、金銭的支出を伴ってでも地元自治体として歴史的な建造物を引き継いでいくべきだと思います。

 これから区と大型スーパーと地主で調査や調整をしていくことになりますが、議会からも強い後押しをすると同時に、区民の皆様からも保存への機運を盛り上げていただければ幸いです。

いくつか関連リンクを紹介致します。

千住製絨所物語

煉瓦塀と桜の風景も残したいですね

こちらのページによると「この煉瓦塀に使用された煉瓦には、小菅集治監で製造されたものが含まれており、集治監製に特有の桜のマークが刻まれた煉瓦が確認されている。」そうです。

陸軍製絨廠

 あと、上記とは別の場所で煉瓦塀が残っている場所を紹介します。以下のように都立荒川工業高校の西側の塀として残されています。こちらは撤去の心配は有りません。
PICT8151.jpg

PICT8152.jpg
 門が有ったようですが、そこをブロック塀で塞ぐだけではなく、往時の様子を示す絵などを貼りつけると良いかも・・・。

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 荒川工業高校のグランドに平成3年に新校舎を建てることが決まり、敷地を5ヶ月に渡って調査をすると、様々な遺物や遺構が発見されたそうです。今回の商業施設予定地でも様々な遺物や遺構が発見されるかもしれません。

PICT8154.jpg
 
 有識者の判断では「文化財としての価値が有るもの」と判定されているものの、土地所有者の許可を得て初めて文化財指定ができるので指定はされていません。今からでも区の支出をある程度伴っても保存の方向性を探らねば・・・。壊すのは簡単ですが二度と戻りませんので・・・。

 「千住製絨所」についてさらに詳しい情報は「日本羅紗物語」(平成15年荒川ふるさと文化館企画展資料)をご覧ください。区立図書館や荒川ふるさと文化館で閲覧できます。
 
small_ribon.gif歴史の有る赤煉瓦塀を守るべき、という方はこちらの2つのボタンを押してください。
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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
20年位前までは、区内のあちこちで
見られた赤レンガ塀。
いまでは、まれになりました。
荒川の歴史の証人ですし、
いまから保護対策を打てば
将来、必ず観光資源になります。
是非、これからは保存しましょう。
Posted by 熊野前 at 2009年01月13日 06:18
>>熊野前 様
 様々な厳しい条件が有りますが保存の為に超党派で取り組んでいかなければと考えています。歴史の証人を壊すのは簡単ですが、再生は難しいものです。どうぞ、この事態を多くの方に伝えていただければ幸いです。
Posted by 小坂 英二 at 2009年01月13日 09:17
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