本日は第二回定例会の本会議。多くの議案と共に6月22日に総務企画委員会(小坂が答弁席に立った日)で議論をされた「選管委員報酬を日額制に変更する議案」(文中リンク先を是非お読み下さい)の採決が行われました。
本会議では32名の全議員のうち議長と欠席の1名(自民党)を除いた30名での採決となりましたが、結果は以下の通りでした。
賛成:11名(共産党(6)、民主・市民の会(3)、あらかわ正論の会(1)、尚志会(1)=小坂)
反対:19名(自民党(12)、公明党(6)、あらかわ元気クラブ(1))
残念ながら、賛成少数で否決されてしまいました。下に小坂からの賛成討論を貼っておきますが、その中でも触れているように「この議案を通せば10年間で1億円もの予算を区民生活に直結したことに使えた」のに・・・。とても残念でなりません。
しかし、こうした見直しの動きは全国に広がっていくと確信しております。引き続き問題提起を続けて参ります。
小坂から、この議案への賛成討論を以下の内容で行いましたので、お読みいただければ幸いです。
(以下、小坂の賛成討論です)
議員提出議案第11号への賛成討論を致します。この議案は、荒川区選挙管理委員が『地方自治法』203条2項に定められている通り、「報酬は、勤務日数に応じてこれを支給する。」に該当すると認識し、報酬を日額制に改めるものです。
二十三区をはじめ全国の多くの自治体に共通の問題である選挙管理委員の毎月の高額な報酬を勤務日のみの報酬に荒川区から是正する流れを作る為にも可決すべき議案であります。
荒川区に現在4人いる選挙管理委員は十分から数時間の限られた会議や啓発活動などに出席するだけで、毎月28万6千円から24万円もの報酬に加え、別途一日3千円の日当も得ています。
選管委員が重要な職責に位置付けられていることは申し上げるまでも有りません。しかし、選挙前は会議が多いものの、少ない時は月に1回の時期すら有ります。4人のうちいずれかが参加した会議などでの勤務実績は平成20年に日数で75日、合計時間数でわずか144時間のみ、平成19年には93日、合計時間数192時間と少なく、選挙管理という重要ながらも限られた範囲の業務が対象であり兼業で努めることを前提にした報酬であるべきと考えます。
にも関わらず、4名の委員の年間の報酬と費用弁償の合計は約1300万円と極めて実態に合わない状況であります。
本条例案が可決されれば、4名の日額報酬と費用弁償を合計して年額で約300万円弱と試算され、この適正化により1年間で1000万円、10年間では実に1億円もの予算が区民生活に直結した事項に充てることができます。
今年1月に滋賀県選挙管理委員の報酬について、大津地方裁判所から「勤務実態を見れば高額の月額報酬支払いは地方自治法違反である為、支払いは止め、勤務した日に応じて払う日額報酬にすべき」との妥当な判決が出されました。
地方自治法上で行政委員の月額での報酬支払を例外的に認める条件として常勤と同様の勤務実態であることと解されますが、選管委員の勤務実態はそれとはほど遠いものです。
大津地裁判決は極めて常識的な判断であり、荒川区議会においても勤務実態に合った報酬に変えるべきと申し上げます。
現在、二十三区全てにおいてこうした月額の高額報酬がまかり通っているその背景に次の事実が有るのではないでしょうか。
23区の選挙管理委員をそれぞれを見ると各区4名で合計92名の選挙管理委員の内、実に60名が引退した元区議会議員、荒川区でも4名中3名が区議会議員OBとなっています。
以前は4名全員が議員OBでした。
まさに、実態として議員の天下り先となっていると言えます。到底区民の理解を得られるものではありません。
天下り先の高額報酬を温存する為に、日額報酬に是正をするこの議案に反対することがあればそれは大変恥ずべきことですし、この議案が否決され、こうしたことすら是正することができない議会であるならば、議会への信頼など得られるはずも無いということも強調しておきます。議会の体質が、問われているのです。
議員OBこそ選挙に詳しいから選管委員に適任だとの発言が、総務企画委員会にてある委員から有りました。しかし、私の認識では議員OB選出の選管委員では基本的に前例踏襲となり新たな取り組みも期待しにくい現状と捉えております。
例えば、選挙時における街頭宣伝車のガソリン代の公費負担額の上限金額(詳しくはこちらをご覧ください)は、10キロ平米の小さな自治体である荒川区において現実的に有り得ない高い基準(1台で1日7,350円)で規定・支出されており、満額近い金額を受け取った議員も出て区議選終了後、少なからぬ議員が不適切なガソリン代の公費負担分を返還しました。
そうした状況となっても、選管委員から上限金額の規定見直しをする方向が打ち出されることは無かった。これが荒川区における今迄の選管委員の現状であり限界なのです。
民間の柔軟な発想を持つ人材から適任な方を選管委員として選べば、創意工夫や不適切な規定の見直しが進むと期待されると申し上げます。
現在は選管委員の選出方法は立候補も推薦も無い状態にも関わらず本会議で名前を書いて決まるという不可解な制度で行っていることが、結果として狭い範囲の人材ばかりを就任させる背景となっており、選出方法について多様な人材が客観的な能力や経歴を事前に提示して選ぶような仕組みを取り入れるべきことも改めて問題提起したいと思います。
長崎県雲仙市や広島県府中市をはじめとする市町村では、地方自治法の本旨に乗っ取り、既に日額性とされている自治体もかなり有ります。
滋賀県を提訴した弁護士の試算では選管委員報酬を全国の自治体で是正すれば実に年間で100億円もの財源を生み出せるとのことです。
荒川区として大津地裁で示された妥当な判決を重く受け止め、月額報酬を勤務日のみの報酬に二十三区で先駆けて改め、こうした二十三区共通の悪習に風穴を開け報酬の適正化を他の特別区、ひいては全国の自治体にも波及させるべきと考えます。
当然のことながら、選管委員に加え教育委員、監査委員についても報酬の是正や活動の在り方について徹底的な精査をすべきであることも申し上げておきます。
多くの自治体で選管委員をはじめとする行政委員報酬見直しの動きが広がることを確信し、荒川区議会においては是正実現の先陣を切れるように、各会派の賛同を強く求め賛成の討論とさせていただきます。
(以上が小坂からの賛成討論です)
選管委員報酬是正の動きを広げていくべき、という方はこちらの2つのボタンを押してください。
自民党、公明党は選管委員にそれぞれの議員OBを送り込んでいますので・・・。推して知るべしでしょう。
そうですね。議会だよりのあの書き方ではわかりませんよね・・・。
話の流れとしては、5月末の臨時議会においては、区職員の期末手当を削減することになりました。それにならって区長や教育長の期末手当も削減することにしました。その削減幅は0.15ケ月です。しかし、何故か議員については0.05ヶ月分しか削らないという議案が出されましたので、せめて区長等と同じ幅の削減(0.15ヶ月)をすべきとの議案も出され、小坂はこちらに賛同しました。それが否決されたため、次善の策として削減幅の少ない議案にも賛成をしたという流れです。
激励を励みに今後も尽力して参ります!