2009年10月14日

「生き抜く底力」を行政が損ねるべからず

 今日は全員協議会に続いて本会議を開会。委員会で採決された議案を本会議採決しました。当日の動画は「荒川区議会HP」から「議会録画中継」より見ることができます。

 小坂からは、平成20年度一般会計決算について、賛成討論の中で、いくつかの課題を指摘しました。一番主張したかったのは、

「行政が国民の「生き抜く底力」を損ねてはならない」ということです。

 議会における数々の「旧弊」についても指摘を改めて致しました。

 以下、小坂からの討論を掲載しますので、文中に張ったリンク先も参照いただきながらお読みいただけると幸いです。

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(以下、小坂からの賛成討論です)
 私は、尚志会として認定第一号、平成二十年度荒川区一般会計歳入歳出決算につきまして、賛成の立場で討論を行います。

 各分野において財政の健全化を行いながら区民本位の施策の着実な展開を図った平成二十年度決算をおおいに評価するものであります。その上で、決算特別委員会で指摘しきれなかった、留意していただきたいこと、今後の課題を何点か申し述べます。

 まず、新型インフルエンザ対策については、区として非常に積極的な取り組みをしていただき、私も多くの区民も評価をしています。

 新型インフルエンザのワクチンの接種について、厚生労働省は9月8日に学校等での集団接種を認める方針を打ち出しましたが、荒川区においても感染予防と効率的な接種の為に、希望者に限ってですが、学校、幼稚園、保育園において一斉に接種をすべきと申し上げます。

 その為に補正予算で十分な予算確保を行い、地域の医療機関の負担軽減と感染拡大防止に資する新たな取り組みを強く求めます。

 議会費においては是正すべき事項が山積みです。

 議員定数の24名への削減断行議長、副議長の異常な高額報酬の引き下げ、理由が不明の辞任を繰り返すことによる役職たらい回しの根絶、議長報酬、議員報酬の月途中の就任・辞任の際は日割り計算をしての支給する形に適正化すること、視察に名を借りたバス送迎付き競馬ツアーを止めること、議会及び全員協議会での議論を活発に行えるように時代錯誤の発言規制を撤廃し、適正なルールを作ることを求めます。
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 最後に、あらゆる分野で「正直者が馬鹿を見ない」という言葉を体言する区政になるように、断固とした姿勢を取っていただくことを重ねて要望します。本当に救済が必要な方には福祉を供するのは当然ですが、偽装した弱者や悪質な不払いや可能な自助努力を怠る者には、今までよりも踏み込んだ厳しい対応を求めます。

 昨今の世間の風潮を踏まえ、危機感を持っていることを申し上げます。政府及び各地域の自治体の施策が手厚過ぎることによって「厳しい状況であっても歯を食いしばってでも、這い上がり、家族を守り、公共心を持って生きていく気概」を失うのではないかという危機感を持ちます。

 様々な苦難を乗り越えるのは国民一人一人の絶え間ない努力によって主になされるべきであり、「役所が何とかしてくれるのが当たり前」との感覚の元、個人の努力がなされないような風潮を加速しないよう荒川区も自戒をする必要が有ると申し上げます。


 10月1日の朝日新聞に生活保護の母子加算が復活したら「家族で沖縄旅行に行きたい」との母親のコメントが紹介されていました。記事の論調もそのコメントを「当然の要求」といった感じで、自然に受け取った流れで書かれていたことに強い違和感を感じました。

 「生存権」という言葉のとめどない拡大解釈の行きつくところは、自分で生き抜こうとする力の衰退であり、行政への過度の依存を当たり前に考える人間の世代を超えた再生産です。

 このような風潮を放置すれば、日本民族の衰退は必定であり、国が衰えることはあれども栄えることなど有り得ません。

 「不断の努力で義務を果たす気概を持つ者が初めて権利を得る」ことを大前提としない施策は国力を弱めるだけであるということを念頭に置いた行政であるべきことを、この機会に改めて求めます。


 区長初め理事者には、平成二十二年度の予算編成に当たり、尚志会が、この決算特別委員会及び各委員会において指摘しました事項について十分ご留意の上、より一層の特化・重点化を図り、効率的で効果的な施策を盛り込んだ予算編成に取り組まれるよう要望しまして、本決算についての賛成の討論といたします。
(以上が小坂からの賛成討論です)

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スカウター : 荒川区議会議員小坂英二の考察・雑感
posted by 小坂英二 at 23:27| Comment(3) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>「生存権」という言葉のとめどない拡大解釈の行きつくところは、自分で生き抜こうとする力の衰退であり、行政への過度の依存を当たり前に考える人間の世代を超えた再生産です。このような風潮を放置すれば、日本民族の衰退は必定であり、国が衰えることはあれども栄えることなど有り得ません。

いいこと言いますね!と私如きが言うのも失礼ですが、行政はあくまでサポートであるべきでそれが恒常化・常習化してしまうと、それが当たり前になるのは世の常です。「普通の漁師は魚を与え、賢い漁師は釣り方を教える」とよく言われますが、「魚」を与え続けることと正直者が馬鹿を見ることはおそらく表裏一体で不可分だと思います。

今の経済状況では政府自治体の予算削減はかなりのダメージになるはずなので「バラマキ」も必要でしょうが、あくまで最低限度の「サポート」の立場であるべきで、理念や計画のないバラマキだけはやめなくてはならないと思います。
Posted by tnt at 2009年10月15日 00:04
生存権とは人間らしく生きる権利 迫害されず25条を食わして貰える権利と勘違いしている 生活保護とは一時的に行政から借りているもの、生活能力が向上し返済能力が出た場合は返納する事に成っている、自分の事を話すると反感を買うだろうが、後期高齢者で身体障害者でもあるが年金を戴いているが仕事もしている、今月は青色申告会の勧奨月間で私の受け持ちは町屋駅界隈、昨夜は雨の中歩きました夜に成らないとお店は鍵が掛かっており、お客さんのいる時は迷惑だろうしそれで昨夜勿論手弁当、こうして集められた税金からのお金で沖縄旅行行けますか 働いたお金で予算を組み計画を練る楽しみを味わって欲しい、プライドを持った人間に育って下さい、私の仲間に年金では食えないと弱音を吐く人には保険料幾ら払いましたかと聞く 嘆けとて楽しくは無い 老支度を甘く見ていたからと納得する 先生と言われる人達自分の懐から出す様な口ぶりで話すが、本当に自腹のお金を遣う考えでいて欲しい、風呂屋のお釜 ユ ばかり  かんな党削るばかり 駄洒落気分を変えましょうか
Posted by 荒川躍進 at 2009年10月15日 19:41
>>tnt 様
 コメント、全て同感です。今の風潮は自立への努力を前提としない「お世話」が当たり前という感じを受けます。人間社会はシビアなのがある意味当たり前なのに、行政が甘すぎると、易き方向に流れていってしまうでしょう。

>>荒川躍進 様
 ご指摘のように老後を国民年金のみで生活しようという設計自体が無理だと思います。現役時代に保険料や税を北欧のように多く払う覚悟があるのならともかく、現状程度の負担で、国民年金のみで老後を考えるのは無理な話です。
 老後に備えて、現役時代から計画をしておく必要性をしっかりと認識していただく努力を行政もする必要があるのかもしれません・・・。
Posted by 小坂 英二 at 2009年10月18日 10:35
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