
これから本会議の再開です。
(本会議での小坂の賛成討論)
議案第23号、平成二十二年度荒川区一般会計予算案につきまして、原案に賛成、修正案に反対の立場で討論を行います。
各分野において着実な施策展開を図る平成二十二年度予算案は、多くのニーズを吸い上げながらも過大な支出を控えた堅実な予算案となっており多いに評価するものであります。尚志会を含む区議会各会派の議論の中で真に必要なものを先入観無く取り入れていると認識し賛成する次第であります。

平成二十二年度の予算執行に当たり、指摘すべきと思われる点をこの際、申し述べます。
まず、行政が区民の依存心を高めたり、生き抜く力を損ねるような姿勢をとってはならないということです。
必要な福祉を供することは当然ですが、悪意を持つものが排除をされない、「性善説」に基づいた行政の姿勢は、見直しが急務と考えます。「プライバシー保護」と「生存権」を過大に認識し、不正受給がとても防げないような限られた調査のみで多額の生活保護費が被保護者の過去・現在の努力の有無に関わらず支給を続けられる現状。有期保護制度の導入やチェックの厳格化の制度化を国に求めるべきです。
予算特別委員会でも指摘をした児童手当や子供手当の支給が海外在住外国人児童にまで及び、偽装申請を何らチェックできない体制で、荒川区だけでも年額5000万円もの多額の手当を支給しようとしている現状に強い危機感を持たざるを得ません。(小坂注:こちらのブログ記事と動画をご覧下さい)
せめて、不正や偽装を正しく見抜くことができる体制作りと国益を損ねない制度設計にするよう関係機関に働きかけることを強く求めます。
次に、行政は歴史の重みをきちんと踏まえ、その上で意思決定をせねばならないということも申し上げます。平成二十二年時点での意思決定を、現時点で生きている人やその時の社会風潮だけを踏まえて行うのではなく、未来に生まれ来る子供達はもちろん、様々な思いや労苦を伴い過去に生きてこられた先人の思い、その結果積み重ねてこられた文化や伝統の重みをしっかりと踏まえることです。軽薄な風潮に流され日本語を粗末にしたり政治的思惑に引きずられた言葉狩りを行政が行なってはならないと考えます。
政治宣伝で作り上げられた自虐教育も一刻も早く止め、世界の中で日本が果たしてきた役割を事実に基づき知り、今後の進むべき大局に思いを寄せられるような教育に転換をせねばなりません。
教育分野においては、社会の中では通用しない「偽善」に基づいた授業や学級運営を行うことを止め、「正直者が馬鹿を見ない」学校にせねばなりません。例えば、区内の各学校で起きている学級崩壊への対応として「混乱を引き起こす児童の学ぶ権利」を過度に尊重し、さらに「誰が悪いとかレッテルを張るのは止めてクラス全体で解決していこう」と問題点をぼやかす対応。どんなに児童が暴れても、教師の言葉など聞く耳を持たない児童にげんこつ一つすらできない。そうしたことを見透かして、教師の足元を見ながらクラスは荒れる一方。暴れま続ける児童。結局、学級崩壊は卒業時までおさまらず、まじめに授業を受けたかった児童は被害を受けっぱなしで終わってしまいました。明らかにADHDのような症状であっても、親が首を縦にふらなければ医療の診断も受けさせることができず暴れ続ける。
指導力が足りない教師にはそれを向上させる取り組みが不可欠なのは言うまでも有りませんが、それだけではこうした現状を抜本的に改善するのに足らず、必要な対策の障害となる法や条例・規則が有るなら、それを変えていくよう国や都へ地方の教育の現場からしっかりと問題提起し、声を挙げるべきであります。
予算執行にあたっては以上指摘した点に加え、尚志会が、予算特別委員会及び各委員会、本会議において各分野で指摘した事項につき特段のご留意を要望し、原案に賛成、修正案に反対の討論といたします。



