その中でいつも感じるのが「現行の公職選挙法は政治不信・無関心をかきたてる規制が多く、迷惑行為は逆に野放し」である救いようのない法の不備。
先の参院選挙前に「ネット選挙解禁か?」ということでかなり議論や期待がありましたが、それだけでなく、選挙や政治活動のあり方を抜本的に変えるべきと考え、日頃の問題意識を改善案として書いて見ました。
議員定数や選挙制度、「政治活動(選挙活動以外の日頃の政治活動)」のことにも触れると極めて長文になりますので、それは日を改めて書くとして、「選挙(選挙期間中の活動)」の現場の課題について書きました。
下記の「現行」の記載を見ると読者の皆様にも「???」という内容が多いかと思いますが、これが現実なのです・・・。
(選挙期間中)
★街宣車での走りながらの氏名等の連呼
・現行:8時から20時まで、場所も音量も野放し。
・改善案:街宣車で走りながらの連呼等は完全に禁止。氏名の連呼程、無意味で有権者を小馬鹿にし、政治不信や無関心をあおっているものは無い。中身の無い迷惑行為を一律禁止することで、良心の呵責から逃れられる候補者は多いと思う。
★街頭演説
・現行:8時から20時は自由に行える。ただ、都市部では駅前のロータリーなど街頭演説場所の確保は「通行の邪魔になる場所」と重なる場合が多い。
・改善案:選挙期間中は「駅前やショッピングセンター等」で「一般車の駐車はダメでも街宣車は停めて演説をする場所」を可能な限り設置し、候補者は立候補届け出の際に利用の希望を出し、抽選等で利用者を公平に決める仕組みを作る。そのスペースは普段は「一時停車や荷物の積み下ろし場」として活用することとする。
それ以外の場所でも街頭演説は引き続き可能とするが、「静穏保持地域」(住宅街や病院等の周辺)を各選管が指定をしその地域での街頭演説は禁止する。
★候補者個人ビラ
・現行:街頭での配布。事前に選管交付の証紙(選挙初日に選管から渡される小さなシール)を数万枚から数十万枚、手作業でチラシに張らねば配布は不可。
・改善案:現在、選挙公報を全戸配布や新聞折り込みで選挙区内の家庭に届けているが、現行の選挙公報(候補者一人当たり掲載できるデータが少なすぎる)は廃止。その代わりに各候補者が作成したチラシ(カラーも可。現行のビラをそのまま冊子に組み込むイメージ)を冊子状にして全戸配布する。そのデータは立候補受け付けの数日前までに大方受け取れるようにする。
そのデータは選管HP等、ネットでも公開し、自由に誰でもネット上、または紙媒体で頒布してもよいこととする。証紙は廃止。
★政党ビラ・マニフェスト等(参院比例代表候補や政党ビラ・マニフェストなど)
・現行:街頭での配布が中心。人海戦術に強い政党が有利。
・改善案:鉄道駅、バスターミナル、コンビニ等場所を法で規定し所定の協力金を国等が支払い「政党ビラ・マニフェストや比例代表候補のチラシ配置用ラック」を設置。選挙期間中は名簿届け出政党の上記に示したような広報資料を各党の裁量で置くことができる。
街頭などでの配布は自由に行えるようにする。
★個別訪問や電話での投票依頼
・現行:個別訪問は基本的に禁止。電話での投票依頼は可能。本人や無償ボランティアによる電話はOK。給料を払うと違法。
・改善案:候補者本人及び、候補者が指定し選管が認定した数名の者にのみ「身分を明らかにして」個別訪問及び電話での投票依頼での選挙活動を認める。
★ネット選挙運動
・現行:選挙期間前までに更新したHP、ブログ等はそのままで良いが、更新は不可。
・改善案:当然のことながらHP,ブログ、ツイッター等は自由に更新できるようにする。メールでの候補者紹介や投票依頼も可とする。なり済まし等は速やかな調査にネット業者が対応し情報の開示、警察との連携を素早くできる合意形成と仕組造りをしておく。
★政権放送
・現行:テレビ、ラジオで国会議員候補対象に撮影し、放送をしている。
・改善案:テレビ、ラジオに加え、ネットでの動画公開をする。VTRの形式も自由化する。また、地方議員、首長の候補についても「選管に動画を提出」し、それを各選管のHPや各地のケーブルテレビ、候補者自身のHPで流す仕組みを作る。
★ポスター
・現行:選挙初日の朝に公営掲示板のどこにはるか(番号)をくじで決め、それに基づいて運動員が一枚ずつ張る。参院選挙の都道府県選挙区では数万ヶ所の掲示板に張らねばならず、組織力がモノを言うのが現状。
・改善案:選挙初日の数日前に各候補者のポスターデータを選管が受け取り、各候補のデータをまとめて一枚の大型シール状ポスターにする。選挙初日に選管の手で各掲示板にまとめて貼り付ける。
鉄道駅やバスターミナルなどの構内にもポスター掲示板を設置する。
★演説会(ここでは比例候補を除いた話を書きます。)
・現行:公民館や小学校で各候補が個別に開催。どの候補がどこで演説会を行うかは、「口コミ」か「街宣車での呼び込み」「候補者名を書かない形で時間と場所のみ書いたメモで周知」するしか手段が無い。
他候補との合同立会演説会は選挙期間中はダメ(JC等が行っているのは選挙期間前)。
・改善案:各候補者の演説会の予定(日時、場所)は選管HPや前項に記載のチラシ冊子に明記。もちろん各候補者のHPへの記載、定められた形式での広報紙において配布も可能とする。
各候補の合同演説会も選管主催で、候補者が多い場合は何度かに分けてでも開催する。
公職選挙法は抜本的に是正すべき、という方はこちらの2つのボタンを押してください。
前回の参院選、私も少しだけお手伝いさせていただきました。証紙貼りを数千枚程度ですがやらせて頂きました。証紙の主旨も分からなくはないのですが、まさか今時シート状のシールだとは思いもせず、その非効率さに唖然としました。せめてロール状なら早いのですが…
いわゆる「ネット選挙」の解禁がなされなかったことについては、前向きな主旨が全く感じられません。確かになりすましなどの問題もありますが、じゃあリアルの世界の選挙は威張れるほど公正妥当なのか?と山梨のあの方を問い詰めたいところです。
それと、選挙カーの連呼は意味ないですよね。昼間在宅している人たちは地方議員選挙は苦痛だと思います。状況によっては選挙そのものに敵意すら感じるかもしれません。
家庭や職場、友人たちとの会話で政治がタブー視される一員を作っているのは何なのか、旧態依然の政治家さんたちによーく考えて欲しいと思います。
例えば、候補者個人ビラや選挙ポスターについて「そのデータは立候補受け付けの数日前までに‥」「選挙初日の数日前に(中略)各候補者のデータをまとめて‥」と書いていますね?これだと、その「数日前」が事実上の「公示日」になってしまいます。
で、その「数日前」を過ぎたり、「数日前」ギリギリで急遽立候補を表明したりすると「間に合わない」訳です。これは不公平な待遇であり、一種の「参政権の侵害」では?と思いました。
‥という具合に、小坂さんの私案には「改善の余地」もあるようですが、如何でしょうか?
外国籍の選挙運動関与の罰則付き禁止、は当然必要ですね!
>>tnt 様
教科書の返却はいつでも良いですよ!お感じになった通り、実に前時代的な風習がまかり通っているのが公職選挙法の世界です。この実態を知っていただくべく、記事を書いて見ました。
>>風林火山 様
その点はもちろん折り込んでおりますよ。「立候補受付」の数日前を「受付準備期間」として位置付け、事前に告知すれば良いのですから。
その準備期間に書類を提出すればビラの冊子やポスター貼りつけで選管の協力を得られ、立候補受付当日に立候補届はできても前述のような便宜は図られない。その旨を事前に告知すれば制度として成り立ちます。