2010年09月09日

「自殺の兆候のある方」に相談を受けた場合の対応

 今日の11:45からの全員協議会、13:00からの本会議(荒川区議会HPから録画映像(4人の議員が一般質問)を見る事ができます)の前に、10:30から勉強会。

 荒川区議会の福祉区民生活委員会の主催で全議員、管理職に呼びかけて「自殺予防ゲートキーパー研修」の一環として都立精神保健福祉センター所長益子茂氏からの講演。「自殺をしそうな方から相談を受けたら」という内容での講演ですので、多くの方内容をお伝えすると同時に記録の意味も込めてリアルタイムでツイッター(小坂のツイッターページはこちらです)に書き込みました。その内容をブログにも改めて以下、掲載致します。

今日の講演は福祉区民生活委員会で自殺問題の議論の際に「議員もそれぞれの立場で自殺の兆候の有る方と関わる機会が多い。そうした議員こそゲートキーパー(自殺の兆候の有る方を適切な機関に繋げる役割を果たす)研修をすべき」と私から提案(7月17日のブログ記事を参照下さい)をさせていただいき、委員長や他の委員の賛同もいただき実施するに至ったものです。

★以下、精神保健福祉センター 益子 茂 所長の講演や資料から

「自殺死亡率は10万人あたり24人。世界で第十位、G7各国の中では第一位。特に女性は世界で第三位。東京都では年間25000人以上。中高年男性の自殺の増加が目立つ。1998年の経済ショック以来年間3万人が自殺しているが経済問題だけでない。」

「自殺の原因は男女とも健康問題が最多。特に女性は健康問題が大きい。次が経済・生活問題で男性の自殺原因として大きい。」

「自殺の原因の最多の理由はうつ病、身体疾患、統合失調症、アルコール・薬物依存症、その他精神疾患の順で多い。」

「自殺者が亡くなる前の1ケ月以内に45%が行政の相談窓口に相談をしていた。これはライフリンクの自殺者1000人調査で明らかになっている。」

「自殺の危機複合度の第一段階(過労、事業不振、職場環境変化)、第二段階(失業、身体疾患、職場人間関係、負債)、第三段階(家庭不和、生活苦、うつ病)が有り複数の要因が重なり自殺へと追い込まれる。」

「自殺に至るプロセスが有り、そのプロセスにおける兆候を見出し、死に至る道の門を固め、そちらへ行かないように生へと助ける人のこと。国民一人一人がゲートキーパーになってほしい。」

「監察医務員の張賢徳氏の調査では「自殺直前の精神状態」ではうつ病が5割、統合失調症が2割、アルコール・薬物依存圏、その他が数パーセント、あと残りは不明。ほとんどのケースで精神疾患の状態となっている。」

「うつ病の原因は不明だが、ノルアドレナリンやセロトニンなどの脳内神経伝達物質の乱れによると考えられる。誘因はストレス・環境変化等は悪化要因。有病率は3〜4%、生涯罹患危険率10〜15%。世界的に女性が多く、日本でもそう。」

「うつ病は女性の方が統計上多いが、自殺率は男性が多い。その理由は女性は相談を気軽にすること、また女性は愚痴をいうことなどストレス発散が上手だから。治療は薬物療法、精神療法、休養確保、環境調整、自殺防止の取り組みが有効。半年程度で治る場合が多い。」

「うつ病の症状は多数有るが、「興味や喜びを感じられなくなる」という症状が重要。以前好きだったことに興味を示さなくなると危険。食欲が無くなる(味がしない、おいしくなくなる・・・)、あるいはやけ食い位暴飲暴食する。眠れない。寝付けない。思考力低下。」

「うつ病の症状の続き=疲れやすくなる、ゆううつ・なんとなくもの悲しい、体の動きが鈍くなる、強いあせりを感じる、何でも自分のせいにしてしまう、死・自殺について繰り返し考える。仕事上小さなミスをク繰り返してしまう。」

「自殺の前兆のうつ症状に家族が気付くサイン=3つの「い」=「眠れない」「食べられる」「だるい・疲れやすい」こうした兆候が有れば、周囲の人は気をつけるべき。」

「うつ病に家族が気付ける兆候。体=睡眠障害、食欲・体重低下、疲労感とおっくうさ。意欲=ささいな決断ができない、ミス・小事故増加。感情=笑いが減る、趣味娯楽への無関心化、イライラ、付き合いが減る、異性への無関心、性欲減退。」

「先程書いたような症状が2週間程度、家族に出てきたらうつ病等メンタルヘルス不調の可能性が有るので医師へ繋げるべき。」

「うつ病の診断を下した意思への調査から。診断を下す根拠となる様々な症状のうち、身体症状を患者から話をするケースは比較的多いが、精神的症状を自分から話す患者は少ない(3%程度)。医師から突っ込んで聞いて初めて精神的症状を知るケースが多い。」

「初対面の相談者の様子からうつを疑うポイント。時折考え事をする、沈んだ様子になる、何度も同じことを聞く、人の話は上の空、問いかけへの答えに時間がかかる、自身無さげで簡単なことも決められない、後悔を示し悲観的な捉え方をする、涙ぐむ。」

「うつ病兆候の続き ねぎらいの子度場をかけたらワッと泣きだす、しきりに「全部自分のせいだ」、「自分はだめな人間だ」という。以上のうつ3つ以上該当する際には「最近2週間眠れているか尋ねるべき!」」

「先程の兆候に加えて2週間以上の不眠があるようなら、積極的におせっかいをすべき。専門病院の予約を本人に代わって行い、そこに受診することを確約してもらう。強引な位の対応をすべき。本人に任せてしまっても、絶対に自分で動かないので・・・」

「死にたい、と打ち明けられた場合の対応「自分を信頼して打ち明けてくれたと認識すべき」「話をそらしたり安易に逃げない」「基本は傾聴、相手のペースに合わせる」「責めたり叱咤激励、価値観の押しつけ、説教はだめ」」

「自殺直前の心理状態=極度の孤立感、無価値感、強度の怒り、窮状が永遠に続くという確信、心理学的視野狭窄、諦め、死が解決するという全能幻想。ただし、「生きたい」という思いはどの時点にも。」

「「死にたい」と語っていても、「生きたい」気持ちがしばしば同居し両者をゆきつもどりつしてる。「辛かったんですね」「とても大変な状況な中よく耐えてきましたね」「あなたは死のうと思う位、今苦しい状況なんですね」と気持ちを受け止めた返答を。」

「自殺の可能性が高いと判断された際、電話相談中なら可能な限り会って話をする。信頼できる身近な支援者や友人等、駆けつけてくれる人の存在を聞く。24時間そばにいて長期に見守ることができる身近な支援者に繋げる(了解を得て連絡する。)。」


 講演は予定時刻を過ぎて終了。11:45の全員協議会開会がすぐ始まるので質疑の時間が無く残念でした。

 今日の話も踏まえながら精神医療の分野について様々な疑念や杜撰さを感じている部分を小坂は持っていますので、そうした分野についてしっかりと調査をしていこうと考えています。

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スカウター : 荒川区議会議員小坂英二の考察・雑感
posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
んー、、、誰も認められないでしょうが、結局解決策は無いっていうのが一応の結論ですね。
本音です。精神を病んで自殺した方の身辺にいた方々に話しを聴くと、身の丈に合わない欲求が有って自殺する方と、資質が原因で自殺する方がいる様ですが、差別だ偏見だを口にする方は別にして、今の生活レベルを守ろうとか、有名大学出身だから高卒と同じ仕事は出来ないとか、そんなプライドを棄てるのも自殺を減らす手段かも知れないなと思うこの頃です。
労災を請求した家族は、会社の前に気づかなかった自分たちの責任を思い知るべきでしょうし、自殺するにしても鉄道を止めて迷惑な死に方をするのは下の下、そう思えばなかなか決心がつかずに死ねないから、何とか生き延びてやり直せた人も確かにいます。
まあ医者や学者におんぶに抱っこして、社会が良くなれば自殺は減るなんて言っているうちは、自殺者は減らないでしょうね。
無責任に生きられる人間は無責任に死ねる、身の程知らずの人間は壊れる、それも有るのかなと思います。冷たい様ですが社会は、大義の有る自死を自殺とは呼びません。


Posted by at 2010年09月10日 21:28
自殺者の話は誰も聴くことは出来ないが 判った事の様に話す人は多い 世話好きの私は相談された事もあるし未然に防ぐ事も出来た 多く語る事はプライバシーを侵すことにもなる死にたいと言われた時は助けて下さいと言う事で 話を親身になって聞くこと 話かける事は極力避ける答は簡単に出てこないからだ 時として騙される事もある お金の工面 大切な100万円25年間 行方不明借用証書は今もある 本人は知り合いに顔を見せているようだが 自殺者の心情よく分かるが 小さな穴から世間を見ている 自分勝手なところがある プライドを歪めて持ち 世の中で一番不幸なのは私ですと思い込みが強い 一部の人だが身体を動かす事嫌う 誰にでも言えることは命を粗末に扱う 自分を誰も必要としていないと思うこと 行政の遣るべきことは言葉でもなくお金だけでもない居場所を作る事だ 家族愛に飢えている事が意外に多い 例え補助金を出しても老人福祉施設で働く事は如何でしょうか 必ず世の中に復帰できると信念の元に
Posted by 荒川躍進 at 2010年09月12日 15:28
>>9月10日にコメントされた方へ

 自殺の原因は様々で薬漬けになったことがきっかけの事例の事例も多いようです。御指摘のように、何でも「病気のせいにする」「社会のせいにする」ことで責任逃れをする風潮に私も危惧を持っています。この問題の根は深いですが、様々な意見、立場の方から学びながら問題解決への道を模索したいと考えています。

>>荒川躍進 様
 体験に基づくコメントありがとうございます!自殺予防には学校や家庭での「過去、現在、未来の大局を見据えてその中に自分がいることや自分の果たすべき役割」を認識する教育が不可欠かと考えています。
Posted by 小坂英二 at 2010年09月16日 17:18
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