2006年04月17日

区立小中学校への回帰

 今日の文教委員会の報告事項の一つとして、区立小中学校の入学者状況の報告があり、質疑が行われました。小坂は委員ではありませんが、議論を傍聴しました。その中でいくつかの点についてをご報告致します。

 まず、区立小学校については1310名が入学しました。学校別で入学者数が多い順に書くと

汐入小学校 131名
瑞光小学校 105名
尾久西小学校 91名
第四峡田小学校、第三日暮里小学校、赤土小学校 81名

逆に少ない順に書きますと

第二日暮里小学校  7名
第六瑞光小学校  20名
第一日暮里小学校 21名
第六日暮里小学校 23名

 学校選択の自由化が行われて選別が進んでいる現状の中、こうした小規模人数のクラスが生まれています。例えば生徒数が一番少ない第二日暮里小学校の学年別人数は

1年生 7名  2年生 14名  3年生 13名
4年生 0名  5年生 11名  6年生  8名
 全校生徒=53名
です。

 小坂は一貫して「小規模人数のクラスが毎年生まれている現状は望ましいものでは決して無く、勇気を持って学校の統廃合を行うべき」と本会議や各委員会で主張してまいりました。

 学校の統廃合については様々な意見が確かに有ります。「小規模学校は木目細かい教育が行われるし、そこに通う児童やその父兄もそれを望んで通わせているのだから残すべき」「学校は地域の宝、文化の中心であり統廃合すべきではない」「学校自由選択制こそが悪い」などなど。

 しかし、小坂はこうした状況が長く続いている現状を放置すべきでは無いと考えます。小学校のクラスという社会では「ガキ大将で少し乱暴な児童」「神経質だけど物知りな児童」「内気だけど優しい児童」「自分の意見をハッキリ主張しながらも気配り十分な児童」・・・など様々な性格の児童が集まって「クラス」という一つの社会の中で社会性を身に着けるものだと思います。そのメンバー交替である「クラス替え」などもある程度の人数があってこそできるものですが、上記の小人数クラスではそれは不可能です。基本的に自分のクラスに7名(つまり、自分を除くとクラスメートは6名!)のみで小学校の6年間を過ごす学校と、多くのクラスメートの間で摩擦を起こしながらも磨かれていくことのできる学校では教育的成果は必ず異なったものとなると考えます。

 そうした主張を議会でしても(例えば平成17年6月8日の質問の3−1)、教育委員会は答弁として「区内の小中学校における適正な規模の確保と、適正な配置を確保していくための方策について、検討が必要と認識しております。そのために、今後の児童生徒の就学動向や再開発の具体的な計画を的確に把握するとともに、その影響について十分な分析と検討を重ねていく所存でございます。」といったところで留まり、具体的な動きをしていない状況です。もはや結論を先送りする時期ではないと確信しており、今後も主張をして参ります。

 良いニュースとしては、区立学校への回帰が見られることが挙げられます。要因はいくつか有ると思いますが、各学校の学力向上の取組みが実際に成果を上げていることが一番の理由だと考えています。

 その傾向を見る「入学時最終就学率」という数字が有ります。これは、学齢簿人口(区内在住者で今年の4月に入学を迎える子供の数今年は1374名)から区外の学校(今年は8名)や国・私立学校他へ通う子供(今年は56名)の数を除いた人数が学齢簿人口の何パーセントを占めるかを示す数字です。区立学校への入学率と言ったほうが分かりやすいかもしれませんが。
 
 各学年毎にその「入学時最終就学率」を書くと次の通りとなります。各学校とも学年が低いほど最近の数字という意味になります。

小学校
1年生 95.3%  2年生 93.9%  3年生 92.1%
4年生 92.8%  5年生 89.0%  6年生 88.1%

中学校
1年生 73.0%  2年生 72.2%  3年生 69.3%

 このように、小中学生共に傾向として区立小学校を選ぶ方が増えています。今日の委員会での報告の中に「区立赤土小学校」が南千住図書館と共に文部科学大臣表彰を受賞したというものもありました。子供の読書活動を推進する活動が極めて優秀との趣旨で選ばれたもので、様々な熱意あふれる取組みの一つが評価されたものと言えますし、区立の学校が選ばれるようになってきた一因とも思います。

 根本的には、日本の教育をいびつなものにしてきた日教組の思想に基づいて活動する教師を排除しなければならないという極めて大きな課題は有りますが、心有る関係者の皆様の努力が実ってきていることも注目に値すると思います。

 small_ribon.gif勇気を持って学校の統廃合を進めるべき、と考える方はこちらを押してください。
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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新一年生が7名の学校があるなんて知りませんでした。
これはもう、子供達のためにも
統廃合をするべきだと思います。
私の母校の第一ハケタ小学校(変換出来ませんでした)も
私が卒業して1年後に合併しました。
それによって母校がなくなるのは寂しいなとは思いましたが
卒業生の気持ちや歴史をの残す事より
今、通学している児童たちが沢山のお友達に
出会える事の方が大切なんですよね。
Posted by ウサヲ at 2006年04月23日 03:58
>>ウサヲ 様

 コメント、ありがとうございます。特に「卒業生の気持ちや歴史をの残す事より今、通学している児童たちが沢山のお友達に出会える事の方が大切」というコメント、全く同感です。仮に学校の校舎が無くなっても、学校の歴史や卒業生の思いでは消えるものでは無いですからね。
Posted by 小坂英二 at 2006年04月23日 16:51
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