区役所正面に展示されている「桜草花壇」。江戸末期の天保時代には間口1.8メートルの組み立て式で障子屋根の「桜草花壇」に33鉢を5段に彩り良く陳列する方法ができあがったそうです。
さくら草は「江戸名所花暦」に花摘みの光景が「尾久原桜草」の図(下記写真)で紹介された荒川区ゆかりの花です。江戸時代には現在の町屋・尾久地域の隅田川沿いがさくら草の花見の一大行楽地で、摘んださくら草と隅田川(当時は荒川と呼ばれてました)で採った白魚で「紅白の土産」として持ちかえるのが流行ったそうです。現在は、この地域にはさくら草は生えていませんが、愛好家の方が多くの方にさくら草を楽しんでもらい、さらに広めたいと活動なさっています。
かつて多く存在した荒川(現在の隅田川含む)沿いのさくら草の群生地は、現在ではさいたま市(浦和)の田島ケ原を残すのみとなってしまいました(参考記事)。特別天然記念物に指定されている田島ケ原のさくら草自生地は周辺の都市化とともに、荒川の水位の低下で原野が乾燥した結果、危機に瀕しています。愛好家の方から「自宅で育てて見ませんか?」と声をかけていただいたのですが、日当たりの良い場所が無いので・・・。午前中だけでも日当たりの良い場所が確保できる方は、栽培にチャレンジされてはいかがでしょうか?荒川区にゆかりの有るさくら草を多くの方が愛でることができるように側面から支援できればと考えています。
靖国神社の境内中門鳥居前でも4月20日〜26日まで「さくら草展」が開催されています。こちらは500鉢程が並んで大規模に展示が行われているとか。
区役所前の「実のなる木公園」もツツジが満開。区内各地の路地裏の花壇や鉢植えも満開です。関連として平成18年度予算では「区民主体の街なか花壇づくり(1995万円)」が新たに計上されています。これは区民が自主的に行う花壇づくりを支援して、花あふれるまちづくりを進めるためのもので、町会等の単位で参加してもらい、花壇は大型のプランターを貸し出して使用していただき、花苗は区から支給、優良な団体は表彰するというものです。この「花苗の支給」に可能な限り荒川区にゆかりの有る「さくら草」を充てられるように働きかけていきます。
荒川区にゆかりの有るさくら草を継承すべく活動されている方に敬意を表する、と考える方はこちらを押してください。