3年前8月23日の産経新聞にこんな記事が有ります。(以下、引用)
ネット競売に弁護士バッジ、15万円で落札〜日弁連が悪用警戒
インターネットの「ヤフー・オークション」に弁護士バッジ3個が出品され、うち1個は約15万円で落札されていたことが、日弁連の調査で分かった。残る2個が落札されたかどうかは不明という。
いずれも弁護士が紛失したものとみられ、日弁連は悪用される恐れもあるとして、オークションを運営するヤフー対応を要請。同社は今後、弁護士バッジの出品は削除し、場合によっては出品者の利用停止措置を取ることを決めた。
日弁連によると、6月にまず弁護士バッジ2個が出品された。この時には落札は確認できなかったが、7月末に新たに出品された1個は、8月に入って15万1000円で落札されたという。
日弁連は3個とも出品時に添付されていたバッジの画像を入手。裏面に刻印されている弁護士の登録番号から、6月の2個については紛失届が出ていることが判明した。番号が不鮮明なため確認はできないものの、7月の1個も紛失したものとみている。
弁護士バッジは直径約2センチの円形で、ひまわりの花の中央にてんびんを配したデザイン。金属製で金メッキをしてあり、日弁連が各弁護士に貸与する形を取っている。
昨年出された紛失届は248件に上っており、日弁連は弁護士に管理の徹底も呼び掛ける方針。
ヤフー広報は「今後は出品禁止品目の一つとして取り扱う。ただこれまでの出品者、落札者の個人情報は捜査照会があれば出すが、日弁連に提供することは難しい」としている。
(以上、引用終わり)
議員バッジも同様に悪用の可能性が有るものですが、この事件から3年間経過しても、現状に大きな変化が残念ながら有りません。調べてみると「ヤフーオークション」内で他の自治体の議員バッジや社員章などが多く取引されているのが現状です。様々な詐欺事件が多発している昨今、こうしたバッジが悪用されないとも言えず、何らかの対処ができないものか「警視庁のハイテク犯罪総合センター」に相談と連絡、現状の確認をしました。
「議員バッジなどをオークションに出品できるかどうかはそれぞれのオークションサイトの運営企業が決めることで警察からはお願い程度しかできない。過去の弁護士バッジの件の時もそうだった」「ただちに違法とは言えないと思われるが、警察として記録しておくことはできる。」「落札者の手元に渡ってしまっている現状では、明らかに違法と言えるもので無い限り対応ができない」といったもので、実質警察は打つ手無し・・・。参考までに広い意味でのネット犯罪の相談先こちらのリンクに記載してあります。
ヤフーオークションの「出品禁止物」にはこちらのページに書かれているように、「公的機関の発行による免許や許可証」が入っているのですが、弁護士や議員バッジ類がそうした中に入るのかは曖昧な面が有り、今後、明確に「身分を示すバッジ類」も禁止にすべきとヤフーオークション側に働きかけておきました。明記していても、それに違反した出品をチェックし切れていないのが、現状ですが、まず、明記することから始め、チェック体制も拡充するよう強く願います。
因みに、オークションに出されている荒川区議会議員のバッジは14金とか18金と書いてありますが、これは過去のバッジのようです。議員バッジにお金をかけていた時代のバージョン。私が議員に当選してからいただいたバッジは金メッキです。ただ、外観はほぼ同じです。
どうして出品されたのか?考えられることを列挙すると・・・
・盗まれた、又は拾われたもの。
・現職、又は元職の議員がお金欲しさに出品した。
・引退した議員の家族が、例えば本人が亡くなって遺品を整理していたら出てきたので処分の意味で出品した。
・役所の職員が出品した。
議員バッジの必要性については、議論の有るところですが、こうしたオークションへの転売をできるだけ防ぐような対策を議会の事務局にも求めて参ります。例えば、
・裏面に通し番号や名前を刻印して、誰が所有していたものか分かるようにする。
・当選するたびに渡しているのが現状で、例えば5回当選すれば5つ議員バッジが手元に残るのですが、これはまず無駄ですよね。当選する毎ではなく、バッジに相当の痛みが出た際に、古いものと交換して新しいものを交付すれば、無駄も減りますし、流出も防げます。
国会でも議員バッジの廃止が検討されていますので、荒川区議会でも思いきって廃止することも考えるべきだと思います。
ネットオークションへの出品をオークション運営会社が体制を強化しチェックを厳しく行うべき、と考える方はこちらを押してください。
司法機関からの働きかけも重要ですが、同時に政治の側からの働きかけも重要かと思います。同様な懸念を持つ国会&地方議員の輪を作る事をお勧めします。どうかがんばって下さい。
残念ながら現状はそのようですね。こうした問題について現状を理解できる議員で取組みができないか考えてみたいと思います。