こうした本会議での質問を受けて、役所内でも一部の部署だけでなく全庁に渡り迷惑行為への厳しい対応に向けての具体策を練っているところです。
そうした折、今日の報道で注目したのが、中野区で汚物を溜め込み、煮込むなど常軌を逸した行動を取る者に対して、「東京都環境確保条例」を根拠に、地元自治体の中野区が告発を行なった結果、逮捕に結びついたのです!(報道記事:読売新聞)近隣の商店には著しい悪臭で店を閉めざるを得なくなったり、体調を壊した方が出たり、深刻な被害に現状の法律・条例では打つ手が無いと、昨年の時点では言われていたのが、こうした形で厳しい対処ができたことを率直に評価したいと思います。
リンク切れに備えて、以下、報道記事を引用しておきます。
悪臭は公害、“ゴミ屋敷”の主人を都条例違反で逮捕
東京都中野区の住宅街で、自宅敷地内にためたゴミなどから悪臭を発生させたうえ、改善を求める同区の命令にも従わなかったとして、警視庁生活環境課と中野署は10日、同区弥生町3、無職星野和男容疑者(57)を都環境確保条例違反の容疑で逮捕した。
悪臭を巡る近隣トラブルで刑事責任が問われるケースは極めて異例。同庁では、一般住宅から出る悪臭について刑事罰を科す法令がないため、同容疑者宅の悪臭を「公害」とみなし、行政命令に応じない行為をとらえて逮捕に踏み切った。
調べによると、星野容疑者は先月2日、自宅敷地内のゴミなどから発生する悪臭を巡り、ゴミなどを撤去するよう、中野区から同条例に基づく命令を受けたにもかかわらず、期限内の同12日までに改善しなかった疑い。同区は、期限を過ぎた同21日に警視庁に刑事告発していた。
星野容疑者は、行政命令を無視したことは認めているものの、悪臭については「におわないはずだ」「迷惑はかけていない」と供述しているという。
星野容疑者は2004年ごろから、自宅の庭や室内にゴミや排せつ物などをため、周辺住民とトラブルになっていた。苦情を受けた同区は、星野容疑者に注意や指導を繰り返し、親族に依頼してゴミを片づけさせたこともあったが、星野容疑者は再びゴミをためるなど、いたちごっこの状態が続いていた。
同条例では、悪臭について「人の健康または生活環境に障害を及ぼす」恐れがある場合、規制の対象としているが、罰則がない。その一方、行政命令に従わなかった場合には、懲役1年以下または罰金50万円以下の罰則があるため、同区は、主に企業を対象にする行政命令を出して、星野容疑者の対応を待っていた。
(以上、引用終わり)
荒川区のゴミ屋敷についても悪臭一つとってもひどい状態であり、先に書いたような包括的な条例作りとは別に(条例制定にはどうしても一定の時間が必要)中野区のような形での対処をすべく、担当部署に働きかけています。
6月16日の記事に書いた以外にも荒川区内には数カ所ごみ屋敷が存在します。
こちらは町屋駅から徒歩1分もかからない場所にある「ゴミ&猫屋敷」。緑のテントが2枚かかっていますが、奥のテント部分は数年前までは駅前の私設駐輪場だったのですが、それを止めてからゴミが貯められています。
手前の緑のテントの中。猫の餌が散乱し、様々なごみが積み重なっています。虫も沸いてるし悪臭も・・・。夜中には、多くの猫が出入りする「猫の集会場」となるのです。私有地内だから何をしても良いというものでは有りません!
奥のテントの内部。簡単に放火されかねませんし、タバコの吸殻でもまぎれこんでしまったら大変なことになります。
2階には人が住んでいるのですが、近隣の苦情に対しても聞く耳無し。特に向かいの飲食店にとっては、切実な悩みです。こちらの家についての苦情に対しても、今まで役所は、適切な動きをしてこなかったことが近隣の方からの聞き取りで明らかになっています。現在、複数の担当部署と「厳しい対応」を早急にとるべく調整をしています。
こちらは町屋駅から徒歩5分程度のゴミ屋敷。6年程前から敷地内だけでなく、区道にまではみ出す形でごみが散乱していました。芸能人がゴミ屋敷を片付けるテレビ番組に2回ほど出ている現場です。役所も止むを得ず職員が複数でゴミを片付けに来たことが数回あるのですが、いずれの時も当の本人は「片付けてもらって当たり前」といった態度でタバコを吸いながら高見の見物。近隣の方が苦情を言うと、怒鳴り散らして商売の邪魔をしたり、因縁をつけてくる始末。悪質です。
悪臭、すごいです。今までの役所の「ごみを片付けさせていただく」といった姿勢とは決別して、一定の説得をした後は行政代執行か先に挙げた中野区の例のように厳しい姿勢で望まなければならないと考えています。現在、小坂も覚悟を決めて取り組んでいるところで、成果が挙がればまたご報告致します。
先に書きました条例制定の在り方として大田区の「清潔で美しい大田区を作る条例」のように、悪質なものに対して、強制手段をスムーズにとれるような規定を1つの条項として含む条例にすべく今後も働きかけを続けて参ります。
ゴミ屋敷対策には強い姿勢で臨む決意と体制の整備が必要、と考える方はこちらを押してください。
いつも様々な問題に精力的に取り組まれていて
本当に頭が下がります。
最近は理解不能な行いをする方々が増えましたね。
望むのは、他人に迷惑をかけた人間がまかり通り、まっとうに生きている人間が
追い詰められることの無いような社会になって欲しいと思います。
ゴミ置き場にしても整然としている町では犯罪が起き難いと聞きますし、
行政がもっと毅然として真剣に取り組むことが全国に広がってくれることを望みます。
アメリカでは街の景観を大切にするというのはよくある事で、街の景観に調和しない建物の建築が法律で禁止されている事は珍しい事ではありません。
日本は「景観」に対して無頓着というか、無秩序な傾向があるのかも知れません。
激励、ありがとうございます!おっしゃる通りです。「正直者が馬鹿を見ることを許さない」、これを一つの大原則として区政に取り組んでおります。
>>弐十手鶴次郎 様
米国からの情報、ありがとうございます。景観を保つ取組み、非常に重要だと考えています。米国にはこうしたゴミ屋敷が有るのでしょうか?
コメントありがとうございます。荒川区を住み良い町にすべく尽力して参ります。動画で街の様子を見ることができるページです。下記、是非、ご参照下さい。是非、荒川区へ!お待ちしてます!
http://www.arakawa-unet.jp/issue/saihakken.html
ゴミ屋敷等の問題ですが、確かに他人に迷惑をかける事は良くない事ですが、考え方が一方的ではないですか?
中には精神的疾患などによりゴミを片付けられない人もいます。もちろん「頭ではわかっているが、行動できない」という状態です。
この記事に書かれている方もおそらくそうでしょう。
ゴミに囲まれた生活に満足している人間がいると思いますか?
健常者の一方的な見解で疾患者を排除することが、本当に「解決」に繋がるのでしょうか?
精神的な問題でゴミを貯め込む方は多くいますので、精神科の専門家を交えての解決をという主張はこちらの記事(平成20年7月9日の記事)の通りしています。
ただ、同時にやったことに対する罰則は不可欠です。
精神的な問題で殺人を犯す人がいますが、カウンセリングだけでなくやったことに対する責任をとらせる罰則が同時に不可欠なのと同じことです。
昔の記事にコメント、すいません。
景観条例なんて、地域の建物の色まで制限が掛けられるほど厳しいのに、ゴミ屋敷に行政が介入できないなんて事が有り得るんでしょうか?
ゴミなのか財産なのかを、第三者が勝手に決めて処分は出来ないという話を良く聞きますが、間違いなく個人の財産である建物の色を強制する条例が通るくらいなのに、ゴミ屋敷の処分が出来ないなんて辻褄が合いません。
ゴミ屋敷の為の条例じゃなくても、景観条例を作って、その基準で行政が介入するのじゃ駄目ですか?この方法だと、初回費用の一部又は全部を、行政が持たなきゃいけないデメリットがあるのかもしれませんが・・・
どうも行政が介入を尻込みする理由に合点がいきません。お時間ある時に、解説して頂けると嬉しいです。自分では能力不足で、調べても正解に辿り着けませんでした・・・
>精神的な問題で殺人を犯す人がいますが、
>カウンセリングだけでなく
>やったことに対する責任をとらせる罰則が
>同時に不可欠なのと同じことです。
これはちょっと違うと思います。本人の責任能力の有無にもよります。責任能力が無かった場合。責任の追及先は、治療中であれば、そんな状態の本人を放置していた医療機関や施設。未治療なら、そんな状態の本人を、早急に発見保護するシステムを構築出来ていない行政です。(後者は、行政でもかなり困難な課題ですが・・・)
ゴミ屋敷の件は、是非とも解決して欲しいです。
御自愛ください。