2011年08月03日

歴史、公民教科書、採択のもとになる基本資料。こんな決まり方で良いのか?

 平成24年度から荒川区内の公立中学校で使用する教科書の採択が8月5日にこちらのブログ記事に詳細を書いた通り行われます。

 さて、2年前の荒川区教育委員会で中学校の教科書を採択したときの教育委員会の議事録(平成21年7月24日です)やそこで判断のもととなる資料からご報告します。

 採択を行う教育委員会は5人で構成され、その下の事務局から、「資料に基づく説明」を受けた後、採決を行い、3人以上の賛同を得た教科書が採択されます。

 説明に使われる資料は「平成18年度 使用中学校教科書用図書 調査研究報告書」(荒川区立中学校教科用図書選定調査会がまとめたもの)です。

 ここでは、公民と歴史の教科書について、「荒川区で実際に使用している東京書籍」と「採択されてしかるべきしっかりとした内容の扶桑社と自由社(後で追加された資料)」それぞれの教科書についてどのように記載されているか紹介致します。

 小坂の見る限り、この「資料」は枝葉末節にこだわり、大局を見据えていない代物と言わざるを得ません・・・。もっと、「本質的な違い」が分かる資料でなければならないと思いますが、責任者が「腹を据えねば」それは無理でしょうね・・・。

◎歴史教科書(9社の教科書から3社のみ抜粋)

★東京書籍
 ○「地域の歴史」のコーナーが有り、ある地域の歴史についての調べ方を例示する中で、自分の住んでいる地域の調べ方も紹介している。荒川区の歴史を学ぶ際に関連させることも可能。
 ○写真・資料・グラフ等がわかりやすく表記されているとともに、それらの見方についての視点を具体的に示している。
 ●側柱の部分に脚注や図表の解説が多く記載されており、指導者が内容を精選して授業を行わないと授業時数が不足してしまう恐れがある。

★扶桑社
 ○各章のとびらに時代の流れのスケールが示されているで、授業の進度がわかりやすい。
 ○学習課題が生徒に分かりやすく示されている。
 ●歴史上の人物、文化遺産を取り上げた数が多く、限られた時間の中で精通して指導するのに苦慮する。
 ●神話についての分量が多すぎる。また、事実のようにとれるまぎらわしい表現がある。
 ●近現代史の中で見解が分かれる事象について、表記が一面的な箇所がある。

★自由社
 ○資料が新しく、興味や関心が持てる。
 ○文化史については時代背景がよくわかる表記になっている。
 ○イラストや写真が多く配置されている。その多くは大きく見やすい。
 ●文字数が多く、文字が小さい
 ●全体に振り仮名が小さく、視力の弱い生徒にはよみとりにくい。
 ●神話と天皇、また天皇に関する記述が比較的多い。
 ●ファシズムと共産主義を「全体主義の台頭」とくくり、2ページ以上にわたり表記している。

◎公民教科書(8社の教科書から2社のみ抜粋)

★東京書籍
 ○各章末には「深めよう」「発展」の項目を設けて、学習の深化と発展を図っている。
 ○経済の単元では、導入部分に生徒の身近にある事例を取り上げるなど、学習への関心・意欲を高める工夫がなされている。
 ○在日韓国・朝鮮人差別、部落差別及び障害者問題などについて読み物資料を掲げて比較的詳しく説明している。
 ●各ページの本文が約3分の1程度で、その他は写真、統計、グラフ、図等の資料に加え、用語の補足説明や作業課題などが多く記載されているため、生徒の注意が散漫になりやすい。

★扶桑社
 ○ディベート学習の仕方について、6ページにわたって詳しく記載している。
 ●法律や制度についての名称が多く取り上げられており、指導者が内容を精選して授業を行わないと授業時数が不足してしまうおそれがある。
 ●基本的人権を学ぶ前に、憲法改正が2ページにわたって記載されており、配列が適切とはいえない。

(以上、抜粋です。)
  
 資料をまとめた人達の思想的偏向を感じざるを得ません。上記の白丸はプラス面、黒丸はマイナス面の説明のようです。

 こうした資料に書かれた内容を、事務局の指導室長が、一気に全社の分を各教科読み上げ、そののち、教育委員からの質疑や採決の流れとなります。

 各教科の教科書についての簡単な意見交換が有るのですが、青山教育委員長からは以下のような発言が

 「歴史的分野でいうと、国際関係とか、民主主義とか、天皇とか、戦争と平和だとか、そういったものについて、生徒が歴史観を形成していく上で、バランスがとれた記述がなされているということが非常に大切。歴史の流れを分かりやすく書いているという点も重要。その点では今回新たに参入した自由社の教科書は結構よく書けている。あとはむしろバランスの問題。今回の研究報告書の調査結果まとめは非常にわかりやすい。」

 他の委員からは歴史・公民の教科書の「違い」について、特段の意見表明は無し。


 採決においては、歴史、公民ともに、委員長以外の4人が一致して東京書籍に賛成して決定しています。委員長から「まず、最初に東京書籍がよいと思う方は挙手をお願いします」とのよびかけに応じて、賛成しています。各委員が各社の違いを充分に議論をすることもなく、あっけなく決まってしまうことは、最初から「東京書籍ありきなのか?」と捉えざるを得ません。

 明後日の、教科書採択ではどのような議論が行われるのか、多くの方に関心を持っていただければ幸いです。

small_ribon.gif日本人として当たり前の教科書が採択されるべき、と考える方はこちらの2つのボタンを押してください。
にほんブログ村 政治ブログ 政治家(議員)へninkiblogbanner.gif
blogram投票ボタン
スカウター : 荒川区議会議員小坂英二の考察・雑感


posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。