2012年06月14日

依存症(ギャンブル含む)の恐ろしさについて講演(岩崎正人氏)のご報告!

 6月10日のブログ記事「ギャンブルなどの依存症について知る講演会!6月14日(木) 14:30〜16:30」でもご案内させていただいた「依存症についての講演会」。
 
 サンパール荒川4階は満席で民生委員も多くいらしてます。講師は岩崎メンタルクリニックの岩崎正人先生

 ノートパソコン持参で講演をツイッター中継ツイートしてましたので、そこから講演内容を転記しました。

 ご一読いただき、依存症、特にギャンブル依存症の恐ろしさについて理解を深めていただければ幸いです。

 依存症について、小坂のブログで度々その恐ろしさを指摘しておりますが、下記、いくつかご紹介致します。

平成23年6月26日の記事「「日本人の正気を取り戻せ!パチンコは違法!」ジャパニズム掲載記事のご紹介」

平成23年5月4日の記事「ギャンブル依存症で年間死者三千人から一万人」

平成23年2月24日の記事「「パチンコ大幅課税」を求め渾身の総括質疑!」

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(岩崎正人氏 講演:小坂の記録より)

「薨去された寛仁親王殿下は逃げずに立ち向かう姿勢の方で、自らがアルコール依存症であったことをカミングアウトされていた。

 皇族という特別な立場の方でもなりうる依存症は、誰にとっても無縁ではないもの。

 アルコール依存の合併症がのどのガンに繋がった可能性が高い。

 66歳という早すぎる時に薨去された寛仁親王殿下に謹んでお悔やみ申し上げたい。」

★「アルコール依存症」
「下戸(日本人の1割)、機会的飲酒(歓迎会などで時々飲む)、常習的飲酒の3つに分けると常習的飲酒が依存症に繋がる。

 一番上手にお酒を飲めるのは30歳前後。体力も有り飲酒のコツも掴んでいる。そこから年令が進むと酒に弱くなる。

 常習的飲酒をする中で、酒を飲める量が減ってくる。

 これを自覚し、「休肝日を設ける」「飲む量を減らす」といったブレーキを踏むと依存症にはならない。

 しかし、ここでブレーキを踏まない、あるいはアクセルを踏む人が依存症になる。

 常習的飲酒をする中で年齢が進み酒が飲めなくなってきても飲み続けると、生活が「飲酒中心」になる。

 朝も昼も夜も、次の飲酒をどのように楽しむかを考えているような状態になる。

 酒が切れてくると禁断症状(手が震える、動悸)などの反応が出てくる。

 症状が進むと、禁断症状を抑える為に昼夜を問わず飲酒を繰り返し、飲んでいるか寝ているかという毎日になる。

 そこから進むと酒を吐き出すようになる。症状が落ち着いてからまた飲みだす。

 酒の無い生活を作らねば連続飲酒から抜け出すことはできない。」

★「ギャンブル依存症」
「プロセス依存症の代表であるお酒同様、ギャンブルに依存した生活をしてしまう。

 広くは株取引で一極集中のデイトレードやネットゲームに嵌ってしまうことも含む。

 日本人はパチンコ、麻雀から。パチンコで「金銭が得られる」ということへの過剰な期待ではなく、もっと強い「大当たりの前の快感、興奮、現実逃避、変身願望」などが重要な要素。

 皆が依存症になるわけでなく、中止、制限をして続けられる人もいる。

 パチンコをする者の一部がなるリピーターはやがて「こだわり」が出てきて、大勝を夢想するようになり、つぎ込み続け、もとを取る為に更につぎ込む。こうして負けづづける。

 この負けを冷静に受け止められずに中止しない、そろそろ勝つ頃だと夢想する。

 生活がギャンブル中心に。御主人や子供達を送り出し早めに洗濯を済ませてパチンコ屋に並び、いつもの定位置に居座り、子供が帰ってくるまで(やがて夜まで)食事もとらずに続ける。

 夕食も造らなくなり、出来合いのものばかり、子や夫との会話も上の空。

 パチンコ勝つと家庭でニコニコだが、負けると「何故負けたのか?」の傾向と対策ばかりを考えている。

 もちろん家庭内の会話はうわのそら。家庭もまともであり続けられる筈が無い。

 「ギャンブルでの負けはギャンブルで返す」という「誤った拘り」に拘泥。

 ギャンブル依存症に陥る人は子供時代に経済的に杜撰な育て方をされた例が多い。

 「祭の時に親の金を財布から抜き出してきたり」「親が大金をポンと与える」といった感じ。

 四六時中、ギャンブルのことばかり考えているので家庭の信頼感は保持し得ない。子供との関係も破綻。

 ギャンブル依存症の年齢層(受診者のデータで)男性は95%、女性が5%。年令は30代、40代が中心である。

 そして6割以上がパチンコ・パチスロである。

 こうして受診(自ら、又は家族から進められ)をできる、有る意味「恵まれた」環境の人のデータであり隠れた真相は不明。」

★恋愛依存症
 「背景には機能不全家族が見受けられる。親が自殺未遂を繰り返してたり、暴力、飲酒依存などの家庭でで「愛されていない」との想いを募らせ、大人になってから自分なりの幸せを持ちたいと切望してなることが多い。

 こうした人は学歴や美貌、金銭では相手を選ばない。

 「恋愛依存症」の人間は先程書いた通り、金銭や学歴、美貌などではなく、相手の持つ「特定の匂い」「雰囲気」に魅かれてカップルとなる。
 
 通常のように距離を測りながらデートを繰り返して関係を深めるのではなく、肉体的、精神的、環境的にも急速に接近をすることを好む。

 相手を自分の思う通りにしたいという支配の欲求が強い。アメとムチを使い分ける。

 「愛されたい」から「支配的な対人関係」から「衝突」から「冷却」を繰り返す。お互いに支配関係となろうとるする。

 同じ時間を共有するのが過度に当たり前になるので、出張など離れると頻繁なメールをしたり、どちらかが離れようとするとストーカー行為に。

 恋愛関係においての心の繋がりなど面倒なことを省略、極めて明確である「性交」などしか愛の証明として捉えられない。

 「恋愛依存症」が過度になると、刃傷沙汰、裁判、家庭破壊、性依存症となり更に犯罪に巻き込まれる環境に陥り、あらゆる複合的な害悪に巻き込まれやすくなっていく。

★まとめ
 「様々な依存症を改善するのに最も重要なことは「向き合う」こと。依存症という病気と向き合い病気を受け入れて行くことが重要。依存症の方が集まってミーティングを行うが、そこで同じ境遇に置かれた仲間もでき、フェローシップも構築されていく。回復者を見て希望も持てる。

 医療的対処の後、自助グループ(AA,断酒会、ダルク、NA,GA,AC,ODAなど)に参加し依存症と向き合うことをきっかけとして仲間の中で希望を持ち依存症を抜け出して行くのが望ましいルートだが、現実は二歩進み一歩後退の繰り返し。失敗を糧にしながら前に進む。

 依存症から抜け出すには数年かかる。同時に自らの生きづらさを克服していかねばならない。依存症を抜け出した先輩方を見て希望を持ち、前に進み生まれ変わる。

 普通に家族で食事をできる環境を「とても嬉しい」のだという見方になる。大事なものの存在に気づけるようになる。

 依存症と言う病気には「向き合うこと」をきちんと進めていけば改善する。希望を持って取り組んでいって欲しい。」

★参加者からの質疑応答と答えをいくつか

問:依存症になりやすい方とそうでない方の違い。陥らない為のコツ。 
答:仮説の段階だが、脳内の機能依存(脳の中のモルヒネ同様物質の分泌など)の面が大きいのでは?依存症にならないためには人喜びを与えてくれる人間関係を地道に築いていくこと。

問(小坂です):行政としてギャンブル依存症を減らすには出店規制や大幅課税などの対策をすべきではないか? 
答:その通り、利用者だけではなく業者を規制していかねばならない。どのような方法が適切か研究をしながら規制すべきというのはその通り。

問(これも小坂):欧米と日本のギャンブル依存症の違いについて 
答:欧米ではギャンブル依存症の発生率は人口の2,3%と言われるが、日本では厚労省のデータによると男性では実に9.6%にも上る。こうしたデータを精査して対策を立てるべき。

問:依存症のカウンセリングや自助グループに嫌がる本人をどのように連れて行くのか? 
答:切り札は無い。本人には自助グループ等の存在やそこで成果が出ていることなどを伝え、家族に依存症への知識を増す重要性を伝えて行く。家族が動くようにする。

問:病院や自助グループの探し方は? 
答:地元の自治体の保健所(荒川区では障害者福祉課)の保健師に聞いて欲しい。ネットでも詳しい情報を調べられる。

問:アルコール依存症への治療を岩崎クリニックでどのように?
答:独自のプログラムでは無いが「酒を飲むと苦しくなる薬」と「自助グループへの参加」の二つ。これを徹底すれば必ず治る。定期的に実行、通院、相談すれば治る。やらねば改善しない。

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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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