2006年12月04日

生活保護費、400億円削減に賛成!

 まずは、11月30日の朝日新聞の記事から抜粋します。

生活保護費、母子加算3年で廃止 厚労省方針

 厚生労働省は29日、国費ベースで約2兆円の生活保護費を来年度予算で400億円削減する方針を固めた。一人親の家庭の給付に一律上乗せしている「母子加算」を3年で段階的に廃止する。また、持ち家に住んで生活保護を受けているお年寄りに対する支給をやめ、自宅を担保に生活資金を貸し付ける「リバースモーゲージ」制度を導入するなどして、国庫負担を削減する。04年度から段階的に廃止された老齢加算に続き、母子加算も廃止されることで、「最後のセーフティーネット」のあり方が問われそうだ。

 社会保障費は07年度予算の概算要求基準(シーリング)で、7700億円の自然増を2200億円抑制することが決まっている。同省は生活保護で400億円減らし、失業給付にあてる雇用保険の国庫負担の半減で1800億円削減することで、計2200億円の減額の達成を見込んでいる。

 母子加算は、15歳以下の子どもがいる一人親に支給している。子ども1人の場合は月額2万20〜2万3260円で、居住地によって異なる。母子加算の対象になっている世帯の生活保護費は、一般母子世帯の最低レベルの所得層と比べて消費支出が月に5万円ほど高いと指摘し、「現行の母子加算は必ずしも妥当であるとは言えない」と判断。ただ、母子加算廃止で急な収入減になる影響を避けるために、3年かけて段階的に減らす方針だ。

 母子加算は現在、約9万1000世帯に支給されており、そのうち半数の親が働いている。親が働きに出ることで外食費や保育費などが別途かかるため、母子加算を廃止する代わりに、こうした費用を賄う支援制度を創設する。仕事に就いている親だけでなく、資格取得のために就学中の親にも支給することを検討しているが、支給額は現行の母子加算よりは低くする。

 リバースモーゲージでは、自宅の資産価値が500万円以上ある65歳以上の世帯に、評価額の7割(マンションは5割)を生活資金として貸し付け、その間は保護費の支給を停止する。貸付金は本人が死亡後に不動産を処分して清算する。

 このほか、生活保護を受けている障害者の医療費について、国庫負担の少ない障害者自立支援法による自立支援医療からの支給を優先させることで、国費を軽減することも検討。今年度中に全自治体が策定する自立支援プログラムで保護対象から外れる世帯が増え、削減効果が出ることも見込んでいる。
(以上、抜粋終了)

 さて、「生活保護制度」とは何?という方はこちらをお読み下さい。簡単に言うと、生活するのに足りないお金を月額いくらということで支給(国が75%、地方自治体が25%の費用負担)される制度です。今回報道された削減案については、小坂としては大賛成です。

 その中で今回削減の方向となった母子加算とは何か?まず、生活保護費のうち母子加算について。まず、収入の無い母子家庭への毎月の生活保護費に支給額について、概要を書きます。

★想定:母親と子供(小学生)で収入は無し
★生活保護費の主な支給内容
  ・生活扶助費(生活するのに必要とされるお金)
   =145,670円(うち母子加算23,260円)
  ・住宅扶助(住居に住むために必要な額)
   =上限69,800円以下の実費支給
  ・冬季加算(12月〜3月の冬の間だけ加算)
   =4,000円
  ・教育扶助(給食費や学用品に当てる費用)
   =6,000円〜7,000円 
つまり、めぼしい支給だけで概算
 22万2千円〜22万6千円が毎月、支給されます。
さらに、医療費は家族全員免除され、国民健康保険料も支払う必要はありません。国民年金保険料も支払いは免除(加入期間に加算されるものの、積み立て額は増えません。当然ですが)、住民税はもちろん非課税。

 母子家庭となり、働こうと仕事を探す努力をしたりする間や、精神的な疾患などで働けないケースについては、もちろん社会の安全網としてこうした制度は必要だと思います。しかし、「働かなくても月額22万6千円が支給される」ことに次第に甘えて勤労意欲を失う例もかなり有ると関係する方から実際に聞いています。
 
 区の保護課では就労の支援を行い、やや改善はしているとのことですが、生活保護の制度に甘え、本人にやる気が無ければいつまでも就労などできるはずも有りません。それが許されてしまう背景には、こうした高額の現金支給が、ずっと続くことに有ると言わざるを得ません。ハローワークなどにアリバイ的に行き、企業へ面接の申し込みをすることを繰り返して、「就労の努力をするふり」をしていれば、減額されることも無く、同じ額の現金支給が続くのですから、その方がずっと楽です。高額になっている要因の一つに、一人親家庭だからという理由で支給される「母子加算=月額23,260円」が有り、生活保護を受けないで、一生懸命働いている家庭との著しい不公平感を生んでおり、廃止は当然だと思います。因みに母子加算を受けている生活保護世帯は平成18年3月現在で荒川区においては128世帯有ります。

 やはり生活保護制度(区の制度では無く、国の制度なので、是非、心ある国会議員の方に頑張っていただきたい)の現金支給の制度を、支給開始から時間を経るごとに減額していくなど、時限的な制限を設けるべきだと強く思います。

 さらに書くと長くなるのですが、リバースモーゲージの導入についても、平成17年8月21日の記事に書いた通り、賛成です。

 小坂も区議会において、生活保護の不正受給(様々なテクニックが有るのです・・・)に対して徹底したチェックを行う体勢の整備や、不正受給への厳しい姿勢などについて、質問して参りました(例:平成17年3月4日の予算特別委員会など)が、今後も、不正受給(詐欺罪で告訴すべき!)や自助努力を放棄し、生活保護に甘えた例に対しては区も厳しい姿勢で臨むように、議会でも発言して参ります。
 繰り返し書きますが、生活の安全網としての生活保護は否定しませんが、余りに抜け穴の多い制度で、不要な給付が多額支給されていると言わざるを得ません。生活保護世帯が年々増加し、荒川区の一般会計約800億円のうち100億円程度が生活保護費となっている今、本当に救済が必要な方だけに支給ができるように制度の見直しと適用の厳格化が行われない限り、健全な納税者の納税意欲すら削いでしまう現状に強い危機感を持っています。

 先ほどの新聞記事に書かれたような見直しを通して、国全体で400億円の削減ができますが、これだけに留まらず、生活保護制度の抜本的な見直しが国でなされることを切に願います。

small_ribon.gif生活保護制度の抜本的な見直しは不可欠、という方はこちらを押してください。
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posted by 小坂英二 at 15:46| Comment(13) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あとは外国人の生活保護ですね。なんで日本人の血税で非国民の外人の面倒までみければいれないのか。外人は母国に面倒をみてもらうのが筋でしょう。
Posted by 通りすがり at 2006年12月04日 19:29
本当に困っている家庭には厚い保護を。
血の通った政治であってほしいと思う反面、不正には断固として立ち向かってほしいですね。リバースモーゲージにも賛成ですが、一定額以上の資産がある人には
年金を支給しないとか、あるいは支給年齢をあげるとかは如何?
あるいは、支給年齢を上げた分を上乗せして支給するとかは・・・?
Posted by 小屋敷 順信 at 2006年12月04日 20:52
 自営業者が基礎年金たる国民年金保険料を40年間払い続け、65歳になってもらえる年金は、現段階では月額6万6千円。生活保護の方が沢山もらえるのですから、これでは年金保険料を賭ける意欲がそがれますよね。
 生活保護制度はこのように矛盾を抱えており、明らかに欠陥制度です。年金制度と整合性のとれるよう抜本改革が必要と考えております。
Posted by 呉市議会議員 谷本誠一 at 2006年12月05日 00:14
 通りすがりさんと同じ意見なのですが
本当に困窮している日本人を差し置いて
在日特権で優先的に生活保護を受給している
裕福な在日外国人がいると聞いております。
 削減するのであれば、まずこういった部分
から削減すべきだと思われます。
Posted by 一日本人 at 2006年12月05日 10:35
>>通りすがり 様
>>一日本人 様
 おっしゃる通り、外国籍の方の生活保護は緊急避難的な措置以外は本国で面倒を見るべきと思います。

>>小屋敷 順信 様
 そうですね。困っている世帯への保護は大変重要です。それが、既得権益となってしまい、自助努力への意欲を無くしてしまうのが、今の生活保護制度の大きな問題です。

>>呉市議会議員 谷本誠一 様
 コメント、全く同感です。根本的な見直しをしない限り、正に「正直者が馬鹿を見る」制度と言わざるを得ません。

Posted by 小坂 英二 at 2006年12月07日 00:01
在日外国人が生活保護を受けてるってどういうことですか?
認知症の母と住む息子が生活保護を受けることもできず死んでいった事件がありましたが、なんで在日外国人に生活保護が出るんですか?
Posted by 質問 at 2006年12月07日 01:28
>>質問 様
 現行の運用は「日本国民および永住者、日本人の配偶者、定住者などは、生活保護を受けることができます。」 という状態です。先ほども書きましたが、緊急避難的な措置以外は本国が面倒を見るべきと思います。

 米国では婚約者ビザ取得に「生活保護にならないことを証明する書類」を提出する例も多いとか。
http://tokyo.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-niv-kaffidavit.html
抜粋「婚約者ビザ申請者は扶養宣誓供述書(I-134)を提出する義務はありませんが、それでもなお申請者が生活保護者にならないことを証明することは有益です。移民国籍法は申請者に対して常に生活保護を受けるおそれがない状況にあることを、ビザ申請時には米国領事に、また米国入国時には移民局(USCIS)の入国審査官に納得させる必要があると定めています。」
Posted by 小坂 英二 at 2006年12月07日 01:44
疑問ですが、在日外国人の生活保護者にたいして、、勝手に我が国に来て 生活をしているのだから 税金は払っても 保護はしたくないぞ っと、言うご意見の方が ほとんどなんですか?

Posted by 疑問 at 2008年07月17日 05:10
>>疑問 様
 ご指摘の点について、意見は様々だと思います。
 国の制度ですので、地方議会で何か変更ができるものでも有りませんが、私の認識は日本国民に限るべきだと思います。

 日本に根付いて日本社会の一員として生活をする気が有るのでしたら,簡単に「帰化」できるのですから、保護を受けなければならなくなる前の段階で帰化をしていれば良い訳です。

 帰化をしないということは、日本社会に根付く意思が無いということですから、それでしたら国籍の有る本国に頼れば宜しいと思います。
Posted by 小坂 英二 at 2008年07月17日 07:12
はじめまして。
区民です。
まだお若い先生は生活の実情をご自分で視察する必要がありますね。
見知った程度で政を論じる狭量は政治家にあるまじき姿勢です。
私は貧しい家庭で育ちました。
無知無能を自ら晒すような主張はあなたの今後の政治活動を妨げるだけですよ。
一度自分で見てきなさい。
Posted by at 2009年02月03日 16:10
生活保護の不正受給を防ぐ事には意義があるが、困窮する生活者を保護できなくなるような安易な制度改正には問題がある。まずは現実に触れ、何が必要で何が不必要なのかをしっかりと判断できなければ意味が無い。政治を行う人が弱者の代弁者として第一義に行動できなければ誰が弱者に救いの手を差し伸べられるのか?
傲慢なお思い上がりと叱咤されてもおかしくない持論展開はあなたの評価を下げるだけです。
先ずは区発注の業務を不正に受注している多くの問題を片付けてから論ずるべき案件。
政治家の方々のやった振りはもう沢山です。
Posted by 中村 区民 at 2009年02月03日 18:05
また先走りで申し訳ありませんが、一言書かせてください。

>無知無能を自ら晒すような主張はあなたの今後の政治活動を妨げるだけですよ。
一度自分で見てきなさい。

>まずは現実に触れ、何が必要で何が不必要なのかをしっかりと判断できなければ意味が無い。政治を行う人が弱者の代弁者として第一義に行動できなければ誰が弱者に救いの手を差し伸べられるのか?
傲慢なお思い上がりと叱咤されてもおかしくない持論展開はあなたの評価を下げるだけです。

ではどこにどういった事実があって、小坂議員の論のどこにどういった問題があるというのでしょうね。
せっかくそうした事実を知っているのであれば、具体的な事例を示して、だからこう違うと指摘すべきだと思います。(「高い歳費をもらっているのだから自分で理解せよ」なんて意地悪を言わないでくださいね。ますますコストが高く付いてしまいますよ)

抽象的に他人を批判することは実に簡単で、誰にでもできる。誰も完全ではないし、立場の異なる100人を100人とも満足させられる政策はないから。「弱者を守れ」というスローガンに政治家は反論できないから。
しかし、働きたくても働けない、生活保護を必要とする人もいれば、働けるのに働かない、生活保護を食い物にする輩もいるのが現実。
大事なのは、国民から集めた限りある税金をいかに有効に使うか、本当に必要な人だけが必要な期間だけ受けられるようにすることでしょう(不正受給者に制度が食いつぶされれば、本当に必要な人こそが困るのですよ)。
上から目線で「事実を知れ」と実態を熟知しているかのようにうそぶくなら、実態に即して、どうした方策が「効果的」なのかを示すべきだと思います。


>先ずは区発注の業務を不正に受注している多くの問題を片付けてから論ずるべき案件。

どちらが先というのでなく、同時に進めれば良い話じゃないのですか。
Posted by ベルツリー at 2009年02月04日 00:25
>>02月03日 16:10 のコメントの方
>>中村 区民 様
 同じ場所からの書き込みのようですので、同じ方と思います。私は現場も多く見ておりますし、問題点を指摘する方からの話も聞いています。過剰な補助が有る為に、当初持っていた自立への気概が失われていった事例も多数聞いてます。弱者へ手をさしのべる姿勢を私も行政はおおいに持っています。
 ただ、それが限られた財源の中で過剰かつ自立を阻むようなものは見直すのが当然だと言っているのです。

>>ベルツリー 様
 コメント、実に同感です。いつもありがとうございます。
Posted by 小坂 英二 at 2009年02月06日 15:51
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