私が荒川区議となって二年目の平成十六年から追及してきた、区職員の三つの福利厚生団体への過剰な補助金問題を是正できたことで、それを実感しました。
荒川区の職員は「東京都職員共済組合」「特別区職員互助組合」「荒川区職員互助会」の三つの団体に入っており、全ての組織は区から高額の補助金を受けて来ました。
「おおやけ」への信頼を損ねかねないこうした厚遇について、区当局に対し、いずれかを廃止すべきと主張し続け、ホームページにおいても問題提起を行ってきました。
平成十七年の本会議でこの問題を取り上げる直前に、ホームページを見たテレビ朝日の記者が当事務所まで取材に来て、本会議前日、この問題が『ワイドスクランブル』で特集として十七分間流されました。
テレビ放送の影響は極めて大きいものです。三重の補助金は二十三区全てに渡って存在する問題であることから、これを是正するべきだとの声が各区民から挙がり、各区議会でもこの問題について質問が相次ぎました。
私も様々な場や媒体を使い、更に問題提起を続けました。
その結果、質問から半年後に二十三区の特別区区長会で、三つの補助金のうちの一つである特別区互助組合への「公費助成全廃と事業の大部分の廃止」方針が示されました。
そして平成十七年度予算では「職員互助会補助」に三六七八万九〇〇〇円が計上されていましたが、決算では実際に使った額はゼロとなり無駄に使われずに済みました。粘り強く取り組めば、こうして節減できたお金は翌年に繰り越して区民生活に役立つ形にできるのです。
同様の節減が二十三区全体では毎年十三億円、十年間で換算して百三十億円が他の有効な用途に使えるようになりました。
詳細な情報提供に基づく問題提起、今まで質問項目にすらなってこなかった盲点を正面から追及したこと、それをメディアが大きく報道し、その問題提起を支持する声が高まり、行政を動かすに至りました。
この「愚直な問題提起が誰かの共感を呼び、課題解決に結びつけることができる」経験は、議員となり間もない私に大きな自信をもたらしました。
現在、職員互助会、東京都職員共済組合への重複する補助金が残っており、それを一つに絞るよう問題提起を継続中です。
また、平成二十年には繰り返し現場訪問と議会質問で問題提起をしてきた「無責任な餌やりやゴミ屋敷への全国初の迷惑行為防止条例」の制定に結び付けられました。この問題に一貫して取り組み、四回にわたってテレビの全国放送に出演し、条令制定の必要性を強く訴えて来たことが、成立の大きな力になったと確信しています。
同様の条例は京都市でも制定されるなど、全国に広がっていることを何よりも嬉しく思います。
これらの事例は、共感の拡大の契機にテレビメディアが大きな役割を果たしました。
当時とは比較にならない位、現在はネットメディアの力が拡大しており、私も縁を広げる手段としておおいに活用しています。
様々な現場で出会う方々と連携するのはもちろんのこと、同じ志や問題意識を持つ仲間と様々な媒体を通じて連携を深め、前に進んでいきます。
さて、本日は七日間の遊説場所を地図に書き入れる作業中を進めました。今回はほぼ全て徒歩で荒川区内を周ります。一部、自転車も活用。
街宣カーは平成15年以来、一度も使わずに来ました。勿論、今回も使いません。10キロ平米しかない荒川区を三十数台の街宣車ががなり立てて周っていたら、迷惑以外の何物でもないですから・・・。
駅前や商店街、スーパーの前など人が流れる場所での「志、理念、政策」を共感を持って聞いていただけるような演説をあちこちで行います。
平日は地域を絞って「今日は東尾久地区」を周ると決めて、そこをひたすら歩き、街角で演説を繰り返しながら、歩いて地域の方との対話も行います。
ポスターも全てボランティアの世話人の方にお渡しし終わり、段取りも進み、遊説計画と葉書の準備、最終ポスティングなど進めています。
多くの方の協力をいただき、事務所無し、街宣車無し、連呼行為無しでの形で、荒川区を細かく周って訴えていけそうです。本当にありがとうございます。
写真は4年前の様子です。雨が降っていたので合羽を着ていますが、今回もこうしたスタイルで各地に出没します。今回は好天の日が多いようで、助かります。



