チャンネルajerの収録を終え、花が咲き誇る皇居のお堀沿いに歩いて大手町駅まで歩きました。
「大震災を踏まえ、お伝えしたい事」と題して語りました。
今週の木曜日に動画公開になりますので、是非、ご覧下さい。
さて、平成27年3月9日のブログ記事「許容範囲を超えた危険性放置、一方で過剰規制。区立小中学校の運動会で殆ど実施している「人間ピラミッド」の危険性把握と認識を!7段が6校、6段が5校……。段数規制を!」に書いたように、重大な危険性を指摘してきた人間ピラミッドやタワー。
今年の荒川区立小中学校全校の運動会で取りやめが決まりました。今年は全て取りやめ、来年度以降は再度検討するとのことですが、再び段数の高いものが行われることは最早無いでしょう。
甚大な被害を招く慣行を見直すことに繋がり、とても安心しています。
当該ブログ記事の内容を以下、転記します。何故、繰り返し危険性に警鐘を鳴らしてきたか共感していただければ幸いです。
(以下、平成27年3月9日のブログ記事から転載です)
小坂:区立小中学校34校のうち、30校の運動会で実施されている人間ピラミッドについて聞く。事前に指導室長に調べていただいた資料では、実施している30校のうち、2段は1校、3段が7校、4段が7校、5段が4校。更に高層になると6段は5校、最高は7段で6校で実施している。
私は何度も運動会で人間ピラミッドが完成していく様子を見ている。例えば6年生が90人位全員で一つの人間ピラミッドを作り、7段で完成した瞬間、そこに至る児童や教師の努力の積み重ねが形になったことに目の当たりにし感動すら覚えた。
完成させた際、またそこに至るまでの努力の中で子供達が学ぶことが多くある。達成感、統一感、努力の積み重ね。多いに意義がある。そのことは教育委員会も学校もそうした認識があるからこそ、実施していることは理解できる。
しかし、同時に人間ピラミッドが持つ危険性をしっかりと把握をした上で、一定の規制を教育委員会としてもかけるべきではないか?また、危険性をどの様に認識をしているのか?
指導室長:人間ピラミッドに関しては段数については小坂委員の指摘の通りで実施している。教員の指導力の低下、子供達の体力低下なども認識しながら、それに合わせて危険性の認識を持ちながら計画を立て、進めている。各学校で安全性に配慮しながら適切に実施していくものと認識している。
小坂:名古屋大学大学院の内田良准教授の計算によると、荒川区では6校で実施している7段ピラミッドでは一番、負荷が大きな位置だと同級生を2.4人乗せているのと同じ重量が1人の子供にかかっていると平均体重で換算して算出されている。
小学6年生での平均体重39キロ換算では93キロの重量が1人にかかっているということです。大人の感覚で自分の体重に置き換えて考えると、自分の体重は約65キロなので、2.4人分の重さは156キロととても重いものである。
こうした換算はピラミッドが整っている理想的な形でのものだが、何らかの理由でバランスが崩れた際には、一部分にもっと強い負荷が掛かる。また、高さは5から6メートルにもなることも大きなリスクである。
また、日本スポーツ振興センターの調べでは、組体操での事故は平成24年度中に6,000件あまり起こっており、10年間で累積20件、重度障害が残っているという状況をである。
また、福岡県の高校では8段の人間ピラミッドが崩れたことで脊髄骨折で1億円の賠償を命じられるなど後遺障害に繋がる事例も発生している。
先程、話をした教育的な効果はあるが、余りにリスクが高過ぎると言わざるを得ない。もっと安全性が確保される別の出し物の形でで行うことを考えるべきではないか?
又は、段数の上限を4段や5段など、ある程度の安全性が確保されるかたちにしてはどうか?教育長の認識を聞く。
教育長:運動会の行事は安全を確保しながら、教育目的を達成していくという両方が必要である。小坂委員の指摘、示したデータなどを踏まえて、教育委員会として各学校に適切に指導をしていく。
小坂:自分は何でも危険性を排除すれば良いと考えていない。危険性に対して得られるものとの比較、また、教育効果を得る為にもっとリスクが低いことで代替できないのか?を考えるべきである。高層の人間ピラミッドは許容できる範囲の危険性を超えると考えている。
雪が降った日に、中休みや昼休みの時間に、怪我が危ないから、風邪をひくと困るからといってグランドの使用を禁止したという話を聞いた。この程度のリスクは折り合いをつけて受け入れるべきと考える。
一方で、人間ピラミッドのようにリスクが極めて高いものについて放置されているのはバランスが歪と言わざるを得ない。
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