B案については、「日帰りの視察には交通費実費等の支給を一切しない内容なのに、なぜ、宿泊したら宿泊費、交通費、日当など全てでるのか?「宿泊しなければ経費が出ない」のでは効率的な視察の実施ができなくなる」(ここが、A案とB案の大きな違い)との指摘には「区民やマスコミの批判の高まりを受けてこの条例案を提出した。近場はマイクロバスで行けば良い。どうしても日帰りしなければならない際のことは「課題」だとは思うが、それは今後検討すれば良い。区民にすっきりした形の議案を出した。宿泊すればより多くのことを遠方で見ることができるので、交通費も有効利用できる。また、視察の日程をぎっしり詰めんだり、日帰りが良いという風潮が有るが、、それは元気な議員は良いが体調の優れない議員には負担となり、そうした配慮もすべき」というもの。誰も宿泊を否定はしてないのですが・・・。小坂はB案の「宿泊すれば日当を含む全ての経費が出て、日帰り視察はすべて自己負担」という「宿泊奨励条例」と言いたくなる欠陥の有る議案には到底賛成できませんので、本会議で反対をしたいと思っています。
議論については、全て公務で出張する際のことですが、公務で例えば名古屋に行っても、日帰りで視察して帰って来る際に、必要経費の支給は有りません。日本の多くの地域で日帰り出張が可能な交通網整備も進んでいますし、宿泊を仮に予定していても、緊急・重要な用事(身内の不幸や区内で不測の事態が生じた際)で日帰りしなければならない際にも必要経費が出ない・・・。議案提出者が「課題」であると認めながらも、こうしたことは「レアケース」だから、今後考えていけば良いと言っていましたが、危機管理という観点が欠落していると言わざるを得ません。2時間の議論を聞いていましたが、あらゆる面で自己矛盾したB案は、A案が4会派から共同提出されるのを見て「何か違いの有る議案を出さなければ・・・」とあせって出した内容の検討が不充分な代物であることが露呈した議論でした。
A案もB案は共に費用弁償3000円廃止することは共通してますので、B案に反対を表明すると、きっと「3000円の日当廃止を提案したのに、反対している会派がいた!」と得意げに宣伝されることは目に見えていますが、やはり自己矛盾したB案に賛成することは、議員として無責任だと考え反対をし、A案にのみ賛成して参ります。今日の委員会採決ではA案は否決され、B案が可決されましたが・・・。
小坂が頑なにB案に反対する理由、読者の皆様には、「議会視察の慣例」がはっきり見えないので、分りにくいと思います。それでは実際の過去に行われた特別委員会の視察の行程の流れを具体的に書いて見ましょう。今までの経験から、特別委員会の視察は大方このような流れのものがほとんどです。
おおまかな流れ
1日目 9:00前後 集合(東京駅等、現地に出発)
11:40前後 現地最寄駅到着、近くで昼食
13:00前後 視察・説明。質疑応答(テーマは2つ位)
16:30前後 視察終了。ホテルへ向かい、休憩。
18:00前後 夕食
2日目 自由視察(各議員の問題意識に従い自主的にテーマを見つけ、視察する)
(何を見たかは報告義務は有りません。まじめに自分でテーマを見つけて近隣の施設等を
訪問する議員ももちろんいます)
(何も見ずにただ、泊まって帰るだけの議員、「自由視察」と呼べないような行動をする議員も)
このような流れです。翌日の日程が定められていないのですから1日目の16:30の時点ですぐに帰る議員もいます。税金を無駄にしない為にそうした方針を決めている会派もいますし、1日目の夕方や翌日午前中に東京で定予定の有る議員は日帰りをすることも珍しく有りません。そうした日帰り対応をすると全て自己負担、翌日何もしなくても泊まってしまえば交通費・宿泊費・日当等が出るのは誰が考えてもおかしなものです。
議案とは離れる話題ですが、そもそもこの視察の在り方自体、おかしいと言わざるを得ません。特別委員会(3つ有り、どこかの委員会にそれぞれの議員は所属)、常任委員会(4つあり、同左)は、まず、視察にかける予算ありきなのです。どこに行くかは委員長、副委員長が決めますが、以下の予算が予め定められており、その範囲内というかその限度額にある程度近い場所を選ぶのが慣例です。本当におかしな決め方です。
常任委員会(2泊3日がほとんど) 11万円
特別委員会(1泊2日がほとんど) 7万円
3月14日の討論でも申し上げた様に、視察の在り方も改善しなければならないと思います。本当に荒川区に参考になる先進事例は23区内の他の自治体にこそ多いと今までの4年間の経験から思います。遠方の地方へ視察に行って見た事例で、「これは素晴らしい取組みだ!でも荒川区の土地事情や人口密度、地域の意識を考えると荒川区で取り入れられる要素が有るのか?」と言わざるを得ない視察もありました。そうした「まず予算額に合致する遠方の視察」でなく、荒川区と似た地域特性を持つ首都圏やその近隣で、荒川区が多いに見習うべき事例は山のようにありますが、そうしたところをこまめに視察することこそ重要だと思います。
そうした観点が欠けている具体例として、今までの視察先、例えば建設環境委員会(平成6年〜11年は都市建設委員会)を列挙してみましょう。
平成6年 高知・倉敷・大阪
平成7年 岡山・下松・大宰府
平成8年 旭川・小樽・苫小牧
平成9年 諫早・佐世保・福岡
平成10年 根室・釧路
平成11年 春日・姫路・神戸
平成12年 金沢・長浜・沼津
平成13年 鹿児島・福岡・熊本
平成14年 倉敷・宝塚・長岡京
平成15年 下関・西宮
平成16年 大分・別府
平成17年 福井・長岡京
平成18年 名古屋・松本
ここまで遠くに行かないと、荒川区に参考になる事例は無いのでしょうか?上記視察先を見ても、正に予算額に合わせて視察先を選んでいる実態が如実に現れています。
こうした視察の在り方についても、有志の議員と共に改善を求めていきたいと考えています。


旅程報告の上、領収書提出で何か問題があるのかと。
例に挙げた視察先も観光地風のところが多いのが気になります。農業とか観光業中心の自治体に何を見に行くのでしょうね。
蛇足ですが、そもそも「遠足」を行なう必要があるのか、と思います。
多人数での視察は視点の多様化と言う点では有効かと思いますが、報告義務が無い上に興味の無い議員が同行する可能性があるのでは無駄の限りでは無いでしょうか。
与党派閥のゴリ押しに負けないよう、頑張ってください。
委員会で一律遠方に行く現在の仕組みは本当に見直すべきです。ただ、個別の議員が各自で視察するのも、相手先にかなり負担を押し付ける形にもなるので、それも考え物ですが・・・。公費で視察する以上、その内容をきちんと報告することを義務付けることが必要と考えています。