2007年07月03日

年間600名の発症者をゼロに近づけよう!

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 国内で年間600名が発症し、そのうち5%は死亡、25%に後遺障害が残る病気、「細菌性髄膜炎」。乳幼児の死亡例が多いのですが、

・初期診断が難しい(風邪と誤認診断される)
・重症率が高い。発症すると直り難く後遺障害が残る例が多い
 (特に乳児)

 といった怖い病気ですが、世界の100ヶ国以上では予防接種が行われ、劇的な予防効果が挙がっています。平成の時代に入って欧米で導入が始まったワクチン接種が世界的に広まったものですが、例えば米国では罹患率が100分の1に下がった実績が有ります。さらに平成10年にはWHO(世界保健機構=国連の機関)が乳幼児へのワクチン接種を推奨する声明を出しています。こうして接種が広まって、世界的には骨髄性髄膜炎はまれな疾患となっています。

 しかし、日本では、接種の為のワクチンが厚生労働省の承認を長年得ておらず、接種はワクチンを個人輸入している医師から高額のお金を払って接種する位しか手段が有りませんでした。このワクチン(以下Hibワクチンと記載)を予防接種していないのは、日本と北朝鮮、あとはアフリカ諸国という状況で、以前にも書きましたが日本は本当に予防接種後進国です。

 また、この病気の認知度は極めて低く、お子さんが罹患して大変な事態になってから、色々と調べて「外国では当たり前に予防接種で防いでいるのに日本では何も手が打たれていないこと、その結果自分の子供が重篤な状態になってしまった」ことに愕然とするのです。

 そして「日本でワクチンが認められていれば、そして予防接種を受けさせていれば、自分の子供は亡くなったり後遺障害に苦しまずに今も元気だったのに・・・」とやりきれない思いをされているのです。もし、自分の子供がそうなったら・・・と考えると、胸を締め付けられます。今まで「行政の怠慢」で「防げる病気が防げなかった」こと、本当に悔しい思いでいっぱいになります!

 日本国内でも、そうした患者の保護者の方が立ち上がり、ワクチンの早期承認を求める活動を始めたり、日本小児学会(小児科医師の会)が平成18年には早期承認を求める要望書を提出するなどの動きが有り、やっと平成19年1月に厚生労働省の承認が得られたのです!(該当記事

 実際に医療機関で「任意接種」として受けられるようになるのは来年の春頃との情報。個人の自己負担額は4回接種セットで3万円程度。公費で負担される定期接種に国としてすべきものと考えますが、そこまでいくには時間がかかるようです。

 そこで、会派として来年度の予算への要望書を8月頃区長に毎年提出しているのですが、その要望に「細菌性髄膜炎予防のワクチンが来春から任意接種が可能になるが、公費負担の接種に指定されるまで、荒川区として接種をした保護者に対して補助金を支給する」ようそこで求めると同時に、議会の中の議論でも強く主張をしていきたいと思います。また、山形県酒田市議会において、国に要望をすべく満場一致で可決した「細菌性髄膜炎の早期定期予防接種化を求める意見書」と同内容のものを荒川区議会でもできないか取り組んで見たいと思います。

 5歳未満の人口10万人当たり少なくとも(判明しているだけでという意味で、「細菌性髄膜炎」であってもそう診断されていない例を入れるとどうなるかは不明)8.6人〜8.9人が罹患しているとの統計。ワクチン接種さえすれば、この確立を100分の1にすることも可能なのです。

 荒川区では子供の安全対策として、子供の通学の見守りなどに多額の公費を使っています。安心、安全の為に必要なことです。同様に「ワクチンさえ接種していれば防げる死亡、後遺障害」をから子供を守る任意接種に公費を使っても良いのではないでしょうか?

 そうした方針を荒川区がいち早く打ち出すことで、真の子育て支援を行う自治体と言えますし、他の自治体が同様の補助策を導入する為の先鞭を付けることになります。

small_ribon.gifHibワクチンの接種への公費補助を荒川区独自で行うべき、、という方はこちらを押してください。
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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そういう実態を知りませんでした。
小児科医自体も不足していますから予防は必要なことですね。
しかし、一方でマスコミが予防接種の副作用のみをセンセーショナルに喧伝し予防接種への不信感をあおった事実もあります。
予算の都合もあるのでしょうが、任意という扱いにはそういう考慮もあってのことではないかと思います。
強制にして予算をつければ反発する人種もすくなからず存在するというわけです。

いずれにせよ、髄膜炎は診断が遅れれば悲惨です。受けたい人が無料で受けられれば良いと思います。
Posted by ☆う☆ at 2007年07月04日 14:27
>>☆う☆ 様

 ワクチンが承認されたばかりなので、定期接種にする体制がまだまだ取れないということだと思います。定期接種にしても、受けたくない人は受けないこともできますので、定期接種にするのが望ましいのですが、それまでの間、自己負担額が高額になる任意接種に対して補助をすることが必要と思います。ご指摘の通り、受けたい方が無料で受けられるということですね。
Posted by 小坂 英二 at 2007年07月06日 09:52
薬にはリスクが付き物です。この薬にはリスクはないのですか。麻疹が話題になっていますけど、これも三種混合ワクチンをわずかな被害で不摂取にしたからでした。薬を勧める前に、その広報こそが必要に思います。ブログは重要だと思いますが、ブログだけでは不十分だと思います。
Posted by ogu at 2007年07月07日 00:33
>>ogu 様

 ワクチンは全く副作用が無いとは言えませんが、今までの外国での例では重い副作用は有りません。http://j.peopledaily.com.cn/2006/12/24/jp20061224_66296.html
Posted by 小坂 英二 at 2007年07月09日 14:44
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