立川防災基地の立川駐屯地(=自衛隊)(公式サイト)に入るには、予め届け出た氏名と照合して入場が許可され、資料館の会議室で説明を受けました。
次に史料館を足早に見学(詳しいサイトはこちら)。
かつて米軍の空軍基地であった頃の将校集会所の裏窓のステンドグラス。第五戦隊のVとプロペラの意匠だそうです。
木製のプロペラ。大東亜戦争敗戦後、進駐してきた米軍が命じた武装解除で、プロペラ機は車輪を壊すか、プロペラを破棄するかのどちらかをすべきということになり、プロペラの破棄を忍びなく思う方が、農家に預けたプロペラが、後に資料館に寄贈されたのだとか。
エンジンの展示。
ヘリボン作戦の説明と展示。
立川防災航空祭は今年は9月23日(日)に開催予定。広大な基地が開放され、防災・国防についての知見を楽しみながら得ることのできる機会だと思いますので、お勧めです!
基地内には八紘一宇の碑(山下奉文陸軍中将の書)が(関連記事:削り取るなんてひどい・・・)
無事帰るようにとの願いを込めたブーメラン型の池
バスで基地内を移動後、現地調査に来た三十数名は三班に別れそれぞれの場で説明を受けました。方面管制気象隊の活動について。
方面ヘリコプター隊。観測ヘリと多用途ヘリで航空偵察、ヘリボン作戦、空中消火を行います。
実はこれらのヘリに体験搭乗する予定だったのですが、台風一過で晴れていても、河川の増水はこれからということで、警戒や救助に当たるため体験搭乗は中止。多摩川で多数の河川敷生活者(ホームレス)が流されたのでこの立川防災基地から救助に向かったと言ってました。後にニュースを見るとこんな記事が。
次にヘリの格納庫内に移動し説明を受けました。自衛隊全体で5機にのみ設置されている貴重な装備。ヘリの右下側にカメラを設置し、その動画とナレーションを総理官邸など必要な場所にリアルタイムに伝えることができるのです。
上記カメラの映像を伝送する機材。
救助に向かう東京消防庁のヘリ。ん?
そうです。ここは自衛隊だけではなく多くの機関が飛行場を共有しているのです。下記配置図のように自衛隊、飛行場をはさんで向こう側に東京消防庁、警視庁、海上保安庁、内閣府(総理官邸の機能が麻痺した場合、官邸機能が移ってくる優先度4番目の建物だとか)。各機関が連携しながら有事の際に活動する訳です。
最後に航空管制塔の機能の説明を受け、質疑応答。
食堂で食事。隊の責任者の方から歓迎の挨拶をいただき、
ボリュームと栄養満点のお昼ご飯をいただきました。
食堂はこのように2つに別れています。先ほどお邪魔したのは幹部食堂でした。
売店などの入る建物を見学。基地内で生活している方も多いので、こうしたレンタルビデオ・DVDのコーナーまで有ります。
★こうした基地の見学は町会でも関心を持つ個人の集まりなどでも数十名(バス1台以下の人数)規模であれば予定がお互いに合えば受け入れてくれます。関心の有る方は連絡をとってみてはどうでしょうか?
続いてバスに乗り横田飛行場(詳細はこちら)へ。米軍の極東地域における輸送拠点(オーストラリアを含むとても広い地域)です。とにかく広い!7.1キロ平米だそうですが、荒川区が10.2キロ平米ですから荒川区の7割位の面積です!
司令部の部屋で説明を受けてから、バスで基地内を回りながら説明を受けました。
本部の1階の壁面に司令官の顔写真が。アメリカらしいですね。
こちらは基地内の軍人・民間人で表彰(年間と4半期の2種類が有るとか)を受けたような方をこうして顔写真を掲示することで顕彰しているのだそうです。
横田基地の中核、第374空輸航空団のトレードマーク。
基地内の設備の概要はこちらに詳しいので譲ります。写真は軍用犬の訓練施設
はるか彼方に見えるのは基地内の住宅など。
ゴルフ場も有り・・・
ゴルフの打ちっぱなしも・・・。
基地内には鉄道の引込み線が走っており、「日本国内において唯一鉄道貨物による軍需物質の輸送が定期的に行われている施設でもある。輸送されているのはジェット燃料であり鶴見線安善駅に隣接する米軍鶴見貯油施設(つるみちょゆしせつ)より平日のみ1日1往復南武線・青梅線経由にて専用の貨物列車が設定されており、拝島駅構内にてディーゼル機関車に付け替えられて拝島駅から基地内まで伸びる単線非電化の専用線を経由して運び込まれている。通称「米タン」(べいたん)。」以上、こちらより引用。
広大な基地内には自転車道も。ヘルメットはもちろん着用。
スケボーで遊べる施設。他にも映画館、将校クラブ、巨大なスーパーマーケットなどなど。幼稚園、小学校、中学校、消防署・・・。街が成立するのに必要なあらゆるものが基地内に揃っています。
横田飛行場も毎年このような基地の一般公開を行っています。
今後横田基地には自衛隊も並存する形となります。また、石原都知事が粘り強く進めようとしている軍民共用化(詳しくはこちらをご覧下さい)も議論の遡上に上がっています。横田飛行場は実戦部隊が配置されていない、輸送部隊のみの基地で、飛行場の利用頻度も極めて低いようですが、それに比して広大で設備の整った現状を見ると、国内の他の基地で実際に行われている軍民共用化は可能だと強く感じました。多摩地域の発展の為にも、是非早期の民間航空機乗り入れを始めて欲しいと思います。
立川駅で解散後、急いでサンパール荒川へ向かいました。今朝開会式(出られませんでしたが)が行われた第28回あらかわの伝統技術展の関連イベントであるシンポジウム「伝統工芸技術の現状とその未来」がそこで行われるからです。小ホールの緞帳は千住大橋の風景を広重が浮世絵で表し原画をすこしアレンジしたものだとか。
基調講演は「技能と技術で生きる中小企業」のテーマで鵜飼信一早稲田大学商学部学術院教授が講演。
関係団体のリーダー4名+司会によるパネルディスカッション。興味深い話でしたが、後援会の会合の為、途中で退席しました・・・。今日、明日、あさっての3日間開催している伝統技術展、明日はじっくり見てきたいと思います。
地域の防災機関と自衛隊はさらに緊密に連携を深めるべき、という方はこちらを押してください。
今後ともご教示の程よろしくお願いします。
こちらこそ、お世話になりました。防衛力・防災対応能力の充実、自衛隊の国軍化、日米同盟の緊密化の重要性を強く感じた一日でした。今後とも、こうした機会を楽しみにしております。
航空基地の軍民共用化にはメリットもあればデメリットもあります。
先日、那覇空港で中華航空機が着陸後に炎上し滑走路が閉鎖されました。
那覇空港は航空自衛隊と滑走路を共有しており、航空自衛隊の航空機の
離発着もできない状態になりました。このように軍民共用空港では民間機
の事故等で航空自衛隊の任務に支障がでる場合もあります。もしテロリスト
や仮想敵国が民間機を装って航空機を滑走路に墜落させたらどうでしょうか?
航空基地は機能を失います。また、機密保持の面からも軍民共用空港は
危うさがつきまといます。仮想敵国の民間航空機にスパイを同乗させて
基地区域を偵察させる。これは実際に那覇空港(基地)で「中国東方航空」
機長が基地内を撮影している姿が捉えられています。中国、韓国、北朝鮮の
民間航空会社のパイロットは、そのほとんどが軍出身者です。安易な軍民
共用化は日本の空の守りに穴を開けることにもなりかねません。
参考:軍事評論家=佐藤守のブログ日記
「那覇空港(基地)」における中華航空炎上
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20070821/1187661715
「中国東方航空」パイロットによる那覇基地撮影
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20070822/1187744619
貴重なご指摘ありがとうございます。ご指摘のような事態を防ぎながら軍民共用化ができればと思います。軍事的機能確保と利便性のバランスの上で具体的に決めていくべきと考えます。