2007年10月09日

「おから」はゴミでなく食料に!

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 今日の決算特別委員会での会派代表者からの締めくくり総括質疑。小坂からは、「もったいない!」といつも思っている「おから」の再生について聞きました。会派に与えられた質問時間(答弁を含まず)はわずか2分間なので、早口で以下の質問をし、答弁が帰ってきました。


小坂:
区の環境問題への先進的取り組みを評価しながら、多方面に派生効果が期待できる施策を求めて質問します。環境先進都市になるには、「もったいない」と思われるような事項を区内から減らすことが不可欠です。身近でその際たるものが、食品廃棄物、特に豆腐製造過程で出る「おから」です。極めて高い栄養価が有るにも関わらず、全国で約七十万トン排出され、その半分が焼却処分されています。特に都市部ではそれが顕著で区内で発生するおからはほぼ全て廃棄されているそうですが、食品廃棄物処理全般及びおからの持つ発展性や処分の状況について認識を伺います。(参考:おからこんにゃく=人気が有るそうです)
清掃リサイクル課長:おからについては、飼料や肥料として利用される他、一部は食品価値のあるものとしてリサイクルされ、クッキーなどの食品原料として使用されていることは認識している。しかし、区の現状をみると、他の食品廃棄物と同様に、排出が少量の事業者については有料シールを貼り、事業系の一般廃棄物として処理するか、大量に排出されるものは、専門の事業者に委託し、焼却処理していると荒川区豆腐店組合から伺っている。


小坂:そこで、自治体でできる取り組みとして区が主導しエコセンターなどでおからを回収、専用の乾燥機械(例えば一例にこんな機械が有ります。)を使用し長期保存が可能な製品にする場を提供してはどうかと考えます。乾燥おからは実に様々な製品と混ぜることによって栄養価を上げる原料になります。多くの可能性を持つ「おから」を今までの焼却処分でなく、再生する場を区内に設置することは極めて有効な環境教育になると思います。
 また、給食や震災備蓄品をはじめとする区関連施設での活用、一般販売して満点メニュー、家庭での利用促進など和食材を活かした健康推進にも寄与することができます。北九州市での先進事例は大規模過ぎて失敗していますが、こうしたリサイクルは公共団体の後押しが無ければ立ち上げが難しい面が有ります。区がバックアップして再生の範囲を広げていけば、将来的には産業振興につなげていくことも可能と考えます。「リサイクル推進」「環境教育」「健康推進」「産業振興」といった複合的効果をもたらす事業を関係団体と協力して始めてはどうでしょうか。(小坂注:おからリサイクルの課題についての研究も有ります
 大量の食料輸入・廃棄を同時に行っている日本の世界への大罪を解消に向けて基礎的自治体ができる事だと思いますが、区の認識と区長の所見をお聞きいたします。

環境部長: 「おから」などの食品のリサイクルを進めていくことは、これからの環境施策の中で、考えていかなければならない課題であると認識している。しかし、委員のご質問のとおり、北九州で国と市から補助金を受け、食品リサイクル共同組合が、乾燥おからの製造販売システムを立ち上げたが、原料であるおからが集まらず、リサイクルしたおからの販売先も確保できずにつぶれてしまった。区においても豆腐店37軒が営業していることから、事業化の可能性はあると考える。したがって、まず、何よりもおからの有用性などについて、多くの区民に知ってもらい、ニーズを開拓するなど、販売網を確保することが、事業成立のカギと認識している。おからに限らず、ビジネスを成立させることは、とても難しいことではあるが、区の関係部署とも連携して、十分かつ慎重に検討していきたい。

区長:「ちはやぶる」という落語に出てくる「おから」はかつては食材として売られていた。もったいないという考えは重要である。そうした意識を自分も持っており、マイ箸を利用している。ただ今の提言を「カラ」にしないようにすべきと考えている。
(質疑・答弁は以上です。)

 今後とも、関係団体や区の関係部署と連絡を取って実現に向けて尽力して参ります!

small_ribon.gifおからのリサイクルを進めるべき、という方はこちらを押してください。
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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おからが廃棄物とされた時、とても違和感を覚えました。
食の嗜好が変化したとはいえ、本当に勿体無い事です。

都電の形のおからクッキーとか商品化して欲しいですよね。

マイ箸は賛否両論あるようですね。
国産の割り箸は間伐材を使用しているので環境破壊にはならない。
むしろ、需要がないと山が荒れると聞いた事があります。
Posted by buru-ri- at 2007年10月12日 14:37
>>buru-ri- 様
 
 そうなんです!裁判でおからは「廃棄物」と既定された「おから裁判」なるものも有るとか(参考記事:http://www.toyoshinpo.co.jp/tofu/tofu0709_1.html

 環境先進都市荒川区の名物、都電の形をした「おからクッキー」。とても良いですね!おからの用途を調べてみると何に練りこんでも使える位広いものです。是非、実現したいものです。

 あと、割り箸についてですが、昔と現状が変わっており、国産間伐材の利用は減少しており、割り箸を作るための輸入木材からが67%となっています(参考記事:http://www.waribasi.com/archives/40_faq/)。
 また、量としても減ってきた間伐材の使い道として、割り箸という「使い捨て文化の象徴」として加工する以外に、こちらの商品=一例(http://www.oruri.jp/008ekoasu.html)だけでなく、多くの用途は有ります。「もったいない」という思想とは正反対の象徴である割り箸、極力使用を控えて、間伐材はもっと大事に使える使途をさらに拡大する努力が必要だと思います。

 
Posted by 小坂 英二 at 2007年10月12日 15:10
久々にコメント致します。震災備蓄品とし
ておからは本当に有効化と思います。
結構美味しい食材なのに何故か産廃になっ
ているのですね。
寂しい限りです。きっちりリサイクルして頂きたい食材ですね。
Posted by uuukankankan at 2007年10月12日 20:49
>> uuukankankan 様
 共感のコメント、ありがとうございます。豆腐屋さんの集まりに先日お邪魔したのですが、各店舗は廃棄の為に1.5万円〜2万円を毎月払っているそうです。こうした負担を減らしながら、リサイクルができる仕組みを作りたいと考えています。
Posted by 小坂 英二 at 2007年10月16日 16:32
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