2005年09月15日

43年前から行方不明の110歳ご長寿さん

 昨日、今日と次のような荒川区に関して不名誉なニュースがテレビ、新聞で報道されています。まず、引用させていただきます。

9月14日 読売新聞の記事
(以下、引用)
長寿番付19位・110歳の女性、所在未確認が判明
 厚生労働省が13日に発表した「長寿番付」で「全国19位、110歳」とされた女性について、住民票が置かれている東京都荒川区が本人の所在や安否を確認しないまま、100歳以上の該当者として匿名扱いで同省に報告していたことが分かった。

 同区は少なくとも2002年以降、この女性が健在かどうかを確認しておらず、担当者は「国に提出する名簿に機械的に載せていた」と話している。

 厚労省では「発表への信頼を揺るがしかねない事態」と衝撃を受けており、今後は自治体側にお年寄りとの対面調査を求めることも検討する。

 「長寿番付」の調査は厚労省が市区町村を通じて行っており、「高齢者への感謝と、国民の福祉への理解を深める」などの目的で、毎年9月に結果を発表している。全国で100位以内に入る可能性があるお年寄りについては、氏名を公表していいかを本人や親族に確認するよう自治体に求めているが、連絡が取れない場合でも訪問などは義務付けていない。

 今回の発表で19位とされた女性は、昨年の発表では54位で氏名も明らかにされていたが、今回は匿名となっていた。このため、読売新聞が住所地の荒川区に確認したところ、高齢者保健福祉課の担当職員が「住民票だけで報告したが、長い間連絡が取れていない」と認めた。

 今回の調査に際しても職員が住所地を訪問したが、息子の妻と名乗る女性が「ここには何年もいない。ほかの子供の所を転々としている」などと話したため、それ以上の確認をしなかったという。

 同区は100歳以上の高齢者に対し、敬老の日の区幹部の表敬訪問を希望するかどうかの回答を郵便で求めているが、今回19位とされた女性については、少なくとも2002年から返事が来ていない。

 また、4年前には「何年も前からいない」との申し出が息子の妻からあり、それ以降、公的年金の支給が停止されている。さらに、女性は国民健康保険に加入しているものの、区で確認したところ、少なくともこの1年間は医療機関で診療を受けた形跡がなかった。

 区への住民登録では、女性の息子は既に死亡しており、住所地の一軒家には女性と息子の妻が2人で住んでいることになっているが、近所の住民は「今は70歳くらいの女性の一人暮らしのはず。本人は、しばらく前に別の場所に移ったと聞いている」と話している。

 同課では、「国から本人との対面を求められていないため、住民票があれば所在や安否の確認は必要ないと考えた」と釈明。また、今回から匿名とした理由については「今年4月から個人情報保護法が全面施行されたため、本人に接触できないのに実名発表を続けるのは不適当と判断した」と説明している。

 同省は今回のケースについて、「想定外の事態で、調査の信用性や趣旨を揺るがすことになりかねない。来年以降、対面調査を条件に加えるなどの対策を検討したい」と話している。

(2005年9月14日3時5分 読売新聞)(引用終り)

その翌日の記事
9月15日 東京新聞

(以下、引用)
43年前から行方不明
長寿番付110歳女性 親族、捜索願出さず
 東京都荒川区が区内の高齢女性の安否を確認しないまま、「百十歳」などと厚生労働省の「長寿番付」用に報告していた問題で、この女性が少なくとも四十三年前から事実上行方不明の状態だったことが十四日、同区の調査で判明した。息子の妻(73)は捜索願を出すこともなく、区職員が訪問した際には「親類宅を転々としている」などと回答し続けていた。

 同区高齢者保健福祉課の職員二人が同日午後、「百十歳」女性宅を訪問。現在世帯主となっている息子の妻に面会し、女性の行方などについて約二時間にわたり聴取。妻から(1)女性は一九六二年ごろ、何も言い残さず「買い物に行くような格好」で突然自宅から姿を消した(2)息子(九九年死亡)が関東近県で行方を捜していた(3)女性の親族関係が複雑で、捜索願を出すことは家の恥と考え、出さなかった(4)年齢から死亡しているかもしれないと思っている−などと説明を受けた。戸籍や住民票の取り扱いは、今後息子の妻の意向を聞いた上で検討する。

 同区保健福祉部は「もう少し早く、こうした面接調査をすればよかった。女性の親族の戸籍などを取り寄せ、安否確認の手伝いをしたい」と話している。

(引用終り)

 この問題については、昨日、本会議終了後に説明を聞き、部署間の情報交換を密接に行うことなど再発防止を求めました。小坂の認識は以下の通りです。

・4年前に息子の妻が年金の窓口に「何年も前からいない」との申し出があり、年金の支給を停止した際に、国民健康保険や戸籍の担当部署に連絡をし、所在の確認をきちんとすべきであった。それでプライバシーに相当踏み込むことになっても止むを得ない。
・少なくとも100歳を超え、区幹部の訪問対象になってからは、必ず面談をして実在を確認すべきであった。戸籍が存在することの確認だけでこうした調査に答えることは軽率。息子の妻がはぐらかす答えをした際にきちんと事実確認をすべきであった。
・ただ、昭和37年(1962年)に当該女性が行方不明になってから、4年前まで区がその事実をつかめなかったことは、現在の制度では止むを得ない面も有る。家族が行方不明になっていることを隠そうとすれば、その事実を行政が掴むことは極めて困難。
・区から支給されていた敬老祝い金については受給している場合は返還を請求すべきと考えるが、そうした祝い金は家族が受取を辞退してきたとのこと。
・老齢福祉年金の受給については、事実を確認し、不当に受け取っている部分を返還請求すべき。制度としては区は年金業務の窓口部分を担っているに過ぎず、返還請求について判断するのは社会保険庁(国)であり、厳正な対処を求めたい。
・行方不明の方も国民健康保険に加入しているが、これについては住民票が存在し、他の社会保険に入っていなければ国民健康保険に加入する形となるとの区の説明は妥当。
・区として、警察と連携しながら事実の確認、戸籍を現状に合ったものにすること、部署間の情報連絡を緻密に行うことを重ねて求めていく。

 このようなことが起きてしまった以上、「行政なんていい加減なもの」という印象を持たれない適切な処置をすることが必要です。因みに荒川区内在住の100歳以上の方は25名(もちろんこのニュースの行方不明者を除いて)。そのうち24名は完全に所在確認ができていますが、1名(外国籍)については調査中・・・。戸籍と実態の乖離を今の制度でどこまで埋められるものか、こうした事がニュースになった以上、限界はあるものの区としてできる努力は惜しんではならないと思います。

★区役所内の部署の情報連絡をもっと密接にすべき、とお考えの方はこちらを押して下さい。
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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 区政全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
行政の問題は同感ですが、それ以上に「行方不明」という事実が不可解でなりません。
住民票も移されず、老齢年金も受け取れないまま、この女性は何処にいるのでしょう?
この女性自身が110歳という事は子どももかなりの高齢でしょうし、尚更年金が必要な気がします。
まずは安否の確認が最優先かと思われます。

それにしても、43年間も行方不明って……。
Posted by you at 2005年09月16日 21:30
まあ、何と言うか「お役所仕事」ですね。
この「お役所仕事」という言葉そのものが今の公務員の体質そのものだと思います。
民間の調査を生業としている会社でこんなことやったら二度と仕事取れないでしょうね。
Posted by 豊島区民 at 2005年09月16日 23:59
荒川区のお役人って結構ルーズですよね。窓口の対応とかはそんなに悪い感じはしないんですが、実際にやってることは??だったりします。

プチ暴露してみます。
去年子供が生まれる際、前払い?で出産一時金を申請して入金になりました。残額は出産後に頂きましたが何故か二重払い。前払いの分が差引かれてません。連絡したところ誰も気付いておらず、「払込票を送るから入金してください」とのこと。それすらもひと月くらい経った頃にようやく来ました。全て嫁任せでしたので詳細は不明ですが、こういうおかしなお金の流れが他にもたくさんありそうでぞっとします。こういうルーズさは前区長殿の負の遺産なのかもしれないし、そもそも人手が足りてないのかもしれない。
何にせよ事務系公務員は胡坐かき過ぎてるんじゃないのか?と思う一件でした。
Posted by tnt at 2005年09月17日 00:10
>区で確認したところ、少なくともこの1年間は医療機関で診療を受けた形跡がなかった。

これって大変な問題では。
Posted by ちょっとまて at 2005年09月17日 20:40
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