予防接種については「細菌性髄膜炎」については平成19年7月3日のブログ記事にも書きましたが、もう一点。
水痘=水疱瘡(みずぼうそう)は大変感染力の高い伝染病です。生まれてから5歳になるまでに8割が感染すると言われています。
日本で開発された水痘のワクチンは米国や欧州・亜細亜各国で広く接種されています。日本では任意接種となっており、接種率は2割程度と低い状態です。
接種を定期化・無料化した米国では、以下のような報告が有ります。
(以下、こちらから引用)
2005. 9. 12
水痘の予防接種を定期化したら入院が9割、外来診療が6割減少
米国の実績、米医師会誌で報告
米国は1995年以降、幼児と、リスクの高い子供と成人に対し、水痘の予防接種を定期化しているが、それによって、水痘による入院率は88%、外来診察率が59%、それぞれ減少したことが明らかになった。これに伴い、医療費総額も74%削減した。これは、米国疾病対策センター(CDC)のFangjun Zhou氏らが、100超の医療保険に加入する人を対象に、後ろ向き調査を実施して明らかにしたもの。研究成果はJournal of American Medical Association(JAMA)誌2005年8月17日号に報告されている。
(引用終わり)
一般的に水痘接種の効果は9割と言われています。1割程度の方は接種しても罹患するのですが、症状の重さは未接種の場合と比べてはるかに軽く済みます。
水痘にかかると「伝染病」ですので、保育園などにも10日間程度は通うことはできなくなり、その間働いている親は仕事を休むことになります。水泡は250〜500程度出るそうで、かゆみも強く子供にとってもつらいもの。水泡を掻いてしまい、そこに細菌が着くと、一生跡が残ることになります。顔などに跡が着いた場合、それを消そうとすると高額な美容外科手術に頼らざるを得なくないります。
また、近年指摘されている効用として、水痘ワクチンを接種していると、大人になって帯状疱疹にかかる確率がかなり減るということもあります。帯状疱疹は大変つらい病気だと聞いています。
また、接種における副作用は様々な接種の中でも極めて低く、安全性も高いとされています。
こうした事実を踏まえると国が「定期接種」としてきちんと位置づけて、広く接種を勧めるべきと考えますが、現時点では、14の自治体が任意接種に対して補助を出しているという状態です。
水痘ワクチン公費助成の現状(2007年7月現在 14自治体)
北海道(壮瞥町)
宮城県(気仙沼市)
茨城県(水戸市)(土浦市)(かすみがうら市)
埼玉県(北本市)
東京都(足立区)(品川区)
三重県(玉城町)
兵庫県(加古川市)
広島県(三次市)
香川県(観音寺市)(三豊市)
大分県(竹田市)
国が定期接種としての位置づけをするまでの間、荒川区においても、任意接種した世帯には補助を出す制度を創設し、水痘の接種を推進すべきと議会の場で強く求めていこうと考えています。
水痘予防接種への公費助成に賛成!、という方はこちらを押してください。