報告書は8つのポイントについて多岐に渡るものですので、割愛しますが、その防災機能に関連した部分のみ下記に記します。
★ふれあい館整備ニュープラン(ふれあい館整備計画の見直し)の骨格案
非常時にも活用できる施設に!
1.消防団支援策として、必要な分団についてはふれあい館内にも分団本部倉庫と詰め所を設置し、そこに火災時の緊急避難所的機能も持たせる。
・格納庫、訓練・待機室、便所等で80平米程度が必要。
・震災・火災発生時の参集・待機場所、教育訓練の場所、地域住民に対する防災指導の場所とする。
・待機室については、火災時の緊急避難的機能を持たせ、必要な設備を備える。
2.大地震の非常時にも、一定の役割を担える機能(災害時要援護者の避難所としての活用、備蓄スペースの確保)を付加する。
※こうした「より弱い避難者」は学校の体育館ではなく、設備の充実した施設に!ということも過去の委員会で指摘した事項で取り入れられたことに感謝!
・地域防災計画では、現在、小中学校の他に、ふれあい館、ひろば館等を併せ74ヶ所を避難所として指定している。
・ふれあい館については、250名前後の収容が可能とされるので、大規模な避難所で共同生活することが難しい災害時要援護者の避難所として活用する方向で検討する。
・災害時要援護者を受け入れる避難所として機能させるために、災害時の生活用水を確保するため、受水槽・高架水槽や防火水槽等を設置する。
・障害者等が生活する上で必要な設備についても、福祉部等と調整の上設置する。
・新たな避難者数の想定では、地域防災計画の策定時と比較して1.5倍に増加し、備蓄スペースの確保が求められているため、今後、各ふれあい館には備蓄スペースを可能な限りの広さで設置する。
・標準的規模=1館あたり約30平米、食糧(約2,700食)・飲料水・毛布・トイレ等を備蓄。
(小坂からの質疑と区側の答弁)
小坂:ふれあい館に消防団分団本部を併設して欲しいという地域の願いを委員会を通じて主張してきたが、こうしてニュープランにおいて震災時の拠点としての機能を今までよりも明確に盛り込まれたことを高く評価したいと思う。また、80平米という想定も妥当なものと思う。案においては、尾久消防団の第5分団の分団本部は西尾久一・四・五丁目ふれあい館においてとなっているが、何時頃か?土地が見つかってから何年程度かかるのか?いつになるか分らないということだが、震災はいつ来るか分らない。早い備えの為に開設時期が明確になっている尾久ふれあい館においてこそ消防団分団本部を合築するということはできないか?尾久ふれあい館の概要が資料にもあるが、見直しすべき。
区民課長:西尾久一・四・五丁目ふれあい館については土地の目途が立っていないが、見つかってから検討してもすると、21年度以から4年間はかかる。尾久消防団第五分団本部設置の建設候補ふれあい館として西尾久一・四・五丁目ふれあい館を示しているが、あくまで案であり、尾久ふれあい館を建替えるということが決まれば地域の方の意見を聞きながら見直しをしていく。
小坂:今後、ふれあい館の建築において、地産地消という観点を取り入れることも環境先進都市を目指す荒川区において必要だと思うが、考えは有るか?具体的な例を挙げると上野恩賜公園では東京都が地面に「多摩木材」を敷き詰め東京の木材を使用することで山林を守ることに貢献している(参考記事)。ふれあい館建設で使う木材をブラジルやインドネシアなどの熱帯雨林から環境に負荷をかけて多大なエネルギーを使って運び、利用するでなく東京で算出された木材を使ってはどうか。多摩の木材を使用することで、東京の山林を守ることにもなる。多摩地域の自治体においてはかなり積極的に取り組んでいる。費用は輸入剤よりかかるが、公的観点から鑑みると大いに進めるべき。木材に関わらず、そうした観点を導入すべきではないか?
区民課長:今までの検討の中でそうした観点は無かった。指摘を受けてこれからの検討の中でということになるが、経費も鑑みながら十分考慮していきたい。
小坂:日暮里ふれあい館は民間建築物の床賃借を検討しているようだが、目途は?吉村昭記念館の建設の方針が示されているが、日暮里や諏訪台のふれあい館において合築するということを考えるべきではないか?
区民課長:日暮里ふれあい館の場所については、現在管理部で話をしている。決まったら議会に報告する。吉村昭記念館については地域としては日暮里というのは考えられる。
小坂:区施設への合築については、例えば学校との合築を検討しているのは具体的にどこか?
区民課長:早期に実現できればと考えている。区立学校は古い建物が多い為、建替えの時期をこれから迎える。教育委員会で学校の建替えなどについても平成20年度に計画を立てるので。その計画の検討の段階で意見を伝えていく。
小坂:アクト21(男女平等推進センター)は区民課長指摘のように、十分活用されていない。特に1階部分は学生が少し自習している程度で、商店街に面した良い立地であるのだから、もっと有効に使われるように今までも子育て世代支援の場として使うべきとの指摘をしてきた。アクト21はふれあい館として広く区民の利用に供するべきである。また、さつき会館(こんな経緯が有った施設!)をふれあい館にすることについては、アクト21のふれあい館化後に検討するということだが、全体計画であるニュープランにそもそも盛り込まれていないというのは何故か?当初の計画に盛り込まないということ自体、理解できない。ふれあい館化を是非実現し、広く区民が利用する形にすべき。そうしたことを明確にニュープランに盛り込むことを重ねて要望する。
区民課長:さつき会館がニュープランの中に盛り込まれていないのは、今回のニュープランは「14年度の整備計画を見直し」ということで、当初の整備計画に盛り込まれていなかったから。アクト21をふれあい館とした後、さつき会館についてもその状況を踏まえて対応していく。利用状況を踏まえると所管としては、ふれあい館として広く利用できるようにすべきると考えている。
(質問の概要は以上)
消防団の拠点が、ふれあい館のような区民が多く利用する施設に合築されることは、防災時の機動性はもちろんですが、日頃区民が消防団に親しみや関心を持っていただく良いきっかけになると思います。今後も委員会を通じて、地域の防災力を向上できるような形になるよう発言して参ります。
区施設の防災力を更に高めるべき、という方はこちらを押してください。
お粗末な施設が多いですよね。
管理人様のような取り組みが全国的に広
まると心強いのですが!
これからもより良いご提案を期待してい
ます。
ご指摘の通り、全国的な問題ですね。例えば、所属の尾久消防団では6つの分団のうち2つは「詰め所」と呼べる場所が確保されていますが、4つの分団は「機材庫」程度の分団本部しか有りません。
震災時に消防団が有効に動けるように、これからも団員の目から見て必要だと思ったことを積極的に発言してまいります。また、アドバイス等有りましたら、是非、お寄せ下さいませ。