会場は有明。スポーツタイプの自転車で行くことができる距離です。最短距離は自宅事務所〜不忍通・昭和通経由で築地〜晴海〜豊洲〜有明といったところで所要約1時間といったところです。
しかし遠回りとなりますが、荒川河川敷経由で行くことにしました。理由は3つ。
1.10月6日の記事に書いた荒川ロックゲートを実際に見ること、また、河川沿いに点在する防災拠点も見ておきたい。
2.荒川河川敷には荒川区の野球場やサッカー場が有り、そこには良く行くのですが、他の自治体が管理運営しているそうしたスポーツ施設の現状を確認しておきたい。特に河川敷は台風等に備える意味も有り、構造物の設置が厳しく規制(国=国土交通省による)されており、他自治体における日除けや防球ネットの設置状況等も見たい。
3.都心部を走るよりも安全で河口まで信号も無く、スムーズに走れる。河川敷を走ると様々なものを見ることができるということを読者の皆様に紹介したい。
ということで9時33分に出発。尾久橋を渡り荒川河川敷へ。河口から13キロ程度。
荒川の河川敷湿地帯には多様な生物が住んでいますが、貴重なヒヌマイトトンボが生息しています。淡水と海水が交じり合うアシ原に生息しており、絶滅危惧種に指定されています。(参考ページ:写真、動画)。河川を管理する建設省(当時)では幼虫の放流などを行っています。江戸川においては河口堰建設計画との兼ね合いが問題となっています。

小松川地区自然地再生事業の説明看板。言い古された言葉ですが、河川敷の住民利用と自然保護の両立が大変重要です。絶滅した種は再生できませんのが・・・。近年、中央官庁でもそうした意識が強くなっており、こうした自然再生事業をおこなっている区域が増えています。

荒川ロックゲートに到着。施設の概要はリンク先に書いてある通りで、船のエレベーターです。ここで15分間ほど小休止。




荒川ロックゲートの周囲には1基の風力発電機(写真中央)と10基の風力・太陽光併用発電機が設置されており、管理事務所の電力の一部を担っています。余った電力は電力会社に売電。


風力発電の仕組みと現時点での発電量を示す案内板。

川と運河を遮る門の裏側。軽量化と強度を保つためこのような構造になっています。

閘門の上には階段で上れるようになっています。


荒川ロックゲートはまだ大規模に工事中の区域が有ります。10月6日の記事のリンク先に説明があるように、防災ステーションとして開発が進められています。しかし、国土交通省において計画の見直しが検討されている旨の報道もなされており、当初計画とは異なったものとなりそうです。

全長3キロメートルの荒川・砂町水辺公園にも自然保護地域が広く確保されています。

コスモスが見頃です。他にも様々な花が河川敷には咲き誇っていました。

河口付近になると河川敷にテトラポットが並んでいます。

河川敷の公園・スポーツ施設は自治体によって在り方が様々。河川敷にはすぐに撤去できる構造物しか置けないということで、荒川区の管理下にあるグランドには日除けが有りません。そのため真夏でもグランドの利用者は電力会社の鉄塔の影かはるばる運んできた持ち運び用のテントの下に日陰をつくるしかありません。そうした状況を何とか改善すべく、区の担当者とも相談しながら日除けの設置を働きかけているのですが、関係機関の意識にギャップがありなかなか進みません。
しかし、実際写真のような日除けが河川敷に設置されているのを他の場所では何箇所か見ていますし、防球ネットについても同様です。今後も設置を求めていきます。
参考までに、荒川区の管理している河川敷グランドに既に設置されている水洗トイレ(結構頑丈に作られていますが、すぐに地面と分離できる構造)や物置などは台風で有る程度の増水が予想される場合、荒川区役所職員が事前にこうした構造物を重機を使ってで車に積み河川敷から西尾久三丁目の区民運動場へ運び出しています。台風等が通過後、またグランドに設置に行くのです。

河口からゼロメートル地点に到着。対岸には葛西臨海公園の観覧車が見えます。

このゼロメートル地点付近に新砂リバーステーションがあります。震災後の河川復旧や緊急物資の輸送対策や水運の振興の為に設置されているリバーステーションは都内の荒川沿岸に数カ所ありますが、その一つです。
リバーステーションの役割について詳しくはこちらをご覧下さい。




自転車道の終点は袋小路・・・。来た道を1キロ位戻り、明治通〜湾岸道路経由で危機管理産業展の会場、有明ビッグサイトに11:15に到着。ここまでで記事が長くなってしまったので、危機管理産業展の報告は明日の記事に掲載します。
自転車にとっては一番走りやすいこの季節、河川敷を走って自然を感じながら防災拠点の見学などもなさってはいかがでしょうか?荒川についての情報・写真等はこちらのページをご覧下さい。

★荒川の河川敷に興味を持った、と考える方はこちらを押して下さい。

地図を見るともっとありそうな気がしますが。意外と近いんですね。