2005年10月31日

浸水被害を防ぐポンプ施設、建設へ

 今日も首都大学東京へ行って参りました。学園祭(昨日で終ってます)ではなく「東尾久浄化センター主ポンプ室建設計画」の地域への説明会(東京都下水道局主催)に参加するためです。
 かつて旭電化の工場跡地で現在首都大学東京荒川キャンパスの北に位置する施設である東尾久浄化センターは三河島水再生センター(※最近は「下水処理場」という表現は使わず、「水再生センター」と言います)で処理した水を濾過し、さらにきれいにして隅田川に放流しています。
 しかし、予定されているにも関わらず未だ着工していない2つの施設が有ります。一つは「ポンプ施設」。集中豪雨などの場合、下水道管等で集めた雨水を隅田川に自然に放流できない場合、くみあげて放流する施設で、浸水被害を防ぐのに無くてはならないものです。荒川区は先日の記事に書いた通り、浸水被害に極めて弱い地域で今年の9月4日の集中豪雨でも258件の床下浸水が発生しました。荒川区にとって建設は急務です。
 もう一つは「下水処理施設」。事業主体であり土地の所有者である東京都は建設の意向が強いのですが、区と周辺地域は「下水処理施設」建設に慎重な姿勢を取り続けてきました。都と区で話がまとまらないため「ポンプ施設」と「下水処理場」は長年保留状態に有りました。しかし、西川区長が交渉を進め、「ポンプ施設」を先行して整備することが決まり、平成17年度中にも建設が開始します。それを受けての説明会開催ということです。
 説明会では事業計画説明の後、活発な質疑応答がなされました。「ポンプ施設」のおおまかな内容は次通りです。

・平成17年度から8年間かけて第一期工事を行い、「西日暮里系」のポンプ施設を完成させます。ポンプの能力は汚水を毎秒3立方メートル、雨水を毎秒12立方メートル処理できるもので、地上2階地下4階、(地上17メートル、地下40メートル)の施設となります。完成により尾久地域の浸水被害が軽減されます。8年というと長いようですが、新しい工法で工期を短縮して8年間かかるそうで、従来の工法では12年間の工期が必要とされていました。

・平成25年度から7年間かけて第二期工事を行い、「尾久系」のポンプ施設を完成させます。ポンプの能力は雨水を毎秒48立方メートル処理できるもので、地上2階地下3階の施設となります。完成により西日暮里・町屋地域の浸水被害が軽減されます。

・新たな「下水処理場」については、少なくとも第二期工事が終了する時期即ち15年後までは着工しません。その用地となっており現在暫定利用でテニス場・ゲートボール場として活用されている敷地は引き続き少なくとも15年間は現在の用途で使用可能です。

 荒川区は下水道の整備が23区の中でも早く完了しています。それは下水道が全体的に老朽化していること(もちろん適宜補修はしてますが)や当時との環境の変化(例えば、当時は降雨量の5割が下水に流れ込むことを想定していましたが、現在、地面がアスファルト等で覆われている面積が増え、降雨量の8割が下水に流れ込んでいます。さらに異常気象で強力な集中豪雨が珍しくなくなっています。)が大きいことを意味します。

 今日の説明会に続いて、工事についてさらに詳細が決まれば再度説明会を開催すると聞いていますので、その際にはまたご報告致します。細かい点を書けば切りがないので、取り急ぎ概要(十分長い?)のみとさせていただきます。この問題に限らず、興味を持った分野について資料等が欲しいと言う方はメールをいただければお渡し致しますので、ご連絡下さい。

★ポンプ場の早期完成を望む、という方はこちらを押して下さい。
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posted by 小坂英二 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 防災・防犯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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