2006年12月07日

キャッチボールのできる公園への環境整備を!

 公園でキャッチボール。小坂が子供の頃は普通にどこでも見かける風景でした。しかし、現在、安全中の理由で一部の大規模公園を除いて、キャッチボールを禁止している公園の割合がとても増えています。
 
 公園内でキャッチボールの球が児童に当たった事故が過去に発生していることや、小さなお子さんをお持ちの保護者からの要望も寄せられてのことと聞いています。我が家にも1歳10ヶ月の娘がいますので、公園で無秩序にキャッチボールをされると怖いというのは良く理解できます。
 
 しかし、一定のルールや棲み分けの整理を行い、キャッチボールのできる公園に条件を整備することが、必要だと考えています。中央区ではホームページを見ると、キャッチボールのできる公園を明示しています。
 平成18年9月1日の読売新聞の記事に書かれているような新たな動きも有り、荒川区としても、今までの延長線ではなく新たな方策を考えていくように働きかけて参りたいと思います。
(以下、読売新聞記事の抜粋)
公園でキャッチボール、普及にプロ選手も協力
 公園でキャッチボールをしよう」――。日本公園緑地協会や社団法人・日本プロ野球選手会が、モデル公園を指定したり、プロ選手が参加するイベントを開いたりして、盛んに呼びかけている。

 外で遊ぶ機会の少ない子供たちに体を動かす機会を提供するとともに、親子のコミュニケーションを促す狙いもある。

 公園でのキャッチボールについては、「幼児に当たると危険」「飛び込んできたボールで家のガラスが割れる」など、公園利用者や近隣住民から反対の声が根強い。2002年には宮城県内の公園で、ボールが胸に当たった男児(当時10歳)が死亡する事故も起き、キャッチボールをしていた子供たちの両親に損害賠償訴訟が起こされ、和解金を支払うことで決着した。

 日本公園緑地協会が03年度に、政令市と東京23区を対象に行ったアンケート調査では、公園でのキャッチボールを全面禁止しているところは52%、日時や場所により禁止しているところが8%だった。反面、体力向上の一環として、運動の基本動作であるキャッチボールをする重要性が、専門家の間で指摘されてもいる。また、お互いにボールのやりとりをするのは、親子や仲間同士の絆(きずな)を深める効果も期待されている。

 同協会は今年度から、「キャッチボールのできる公園づくりモデル事業」を始めた。キャッチボール教室などのイベント開催や、移動可能なフェンスの設置などに、上限200万円を助成する事業で、今年度は、全国各地の13の公園管理団体が指定された。

 例えば、指定された山梨県甲斐市では、定期的に芝生広場の一部を移動式フェンスで仕切り、ほかの利用者と分けて、キャッチボールを出来るようにした。

 一方、野球人気復活に向けて、社団法人・日本プロ野球選手会も全面的に協力する。チャリティーイベントの収益金の一部を、同協会の事業に寄付しているほか、現役プロ野球選手やOBを、各種イベントに派遣し、キャッチボールの楽しさを伝えている。今年7月に東京・上野公園で開催され、約350人が集まったイベントには、現役選手ら6人が参加した。

 また、ボールが当たって幼児らがケガをすることのないよう、同選手会では、ゴム製のキャッチボール専用球を、ボールメーカーと共同開発した(参考記事)。

 日本公園緑地協会では「地域の理解を広げ、公園でもっといろいろな運動が出来るようにして、子供たちに外で遊ぶ機会を作ってあげたい」としている。同選手会も「親子だけでなく女性同士でも、専用球なら簡単に出来るので、キャッチボールの楽しさを感じて欲しい」と訴えている。
(以上、抜粋終わり)

 特に、新たに西尾久3丁目から東尾久5丁目にかけて新設される公園(こちらの記事の番1目の議題を参照下さい)において、こうした視点を入れた整備が行われるように、発言をしてまいります。

small_ribon.gif新たなルール作りと金網の設置などで棲み分けを行いながらキャッチボールのできる公園作りを勧めるべき、という方はこちらを押してください。
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2006年12月01日

保育料の逃げ得を許すな!

 区立保育園にお子さんを通わせる際に、保護者は保育料を支払わなければなりません。この保育料はそれぞれの家庭の所得水準に応じて、荒川区の場合はこちらのページに掲載されている通り、例えば3歳未満の第一子を通わせる際には、月額0円〜57,500円まで家庭の所得水準(厳密には前年度の住民税額)に応じて26段階に分けて設定されています。合理的な設定だと思います。
 所得に応じて、相応の負担をしてもらうのは当然のことですし、それが可能な額に設定してあるのです。仮に親が失業したりと、所得水準が急に下がっても、減免の申請をして実態に合った保育料に減額変更してもらうこともできます。

 ところが、保育料を払わずに踏み倒される事例が数多く存在します。資料を要求して調べました。ここ3年間の数字をまず、挙げます。

★徴収しなければならない保育料のうちその年度に発生した分の総額、そのうち徴収できた額と徴収率
 4億7579万円、徴収済=4億4761万円(98.3%)
    (平成15年度)
 4億7298万円、徴収済=4億6397万円(98.1%)
    (平成16年度)
 5億2867万円、徴収済=5億1812万円(98.0%)
    (平成17年度)

★支払いがなされておらず、前年度から繰り越している延滞保育料(時効は5年なので5年間の累積延滞額ということです)とそのうち回収できた額と徴収率
 
 3582万円、徴収済=293万円(8.2%
    (平成15年度)
 3330万円、徴収済=211万円(6.3%)
    (平成16年度)
 3230万円、徴収済=232万円(7.2%)
    (平成17年度)

★5年間で回収できず、不納欠損額(回収をあきらめた額ということです)となったのは
 777万円(平成15年度)
 789万円(平成16年度)
 595万円(平成17年度)

 つまり、毎年新たに発生した保育料の全体の2%程度が延滞となり、延滞となった5年間の累積額の総額(3千万円余)のうち、1年間で回収できているのはわずか6〜8%。そして5年間回収できずに、闇に葬り去られるのが毎年600万円〜800万円程度ということです。その穴埋めはまわりまわって善良な納税者の負担となります。

 分野は異なりますが、「給食費の不払いについて悪意のあるものについては、強制処分の法的措置をとるべき」と本会議でも質問した際の関連記事をいくつかこちらにリンクしました。その問題と共通しているのは「払えるのに払わない。払わなくても、実際にはなんら罰則が無いのだから逃げ得」という構図です。

 現在、保育料が延滞されると、督促状が園で保護者に毎月渡されます。それでも払わない場合は催告状が渡されるそうです。しかし、この両者に大きな違いは特に無く、どちらも「払ってください」と求めるだけです。その後は、特に何の罰則も無く、園児が退園措置をとられることも有りません。

 荒川区のホームページのこちらにも書いて有りますが、「荒川区保育の実施等に関する条例」の第7条ー2に「区長は、前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限内に保育料を納付しないときは、法第56条第11項の規定により地方税の滞納処分の例により処分することができる。」とあります。これは差し押さえなどができるという規定ですが、これが適用された例は今まで無いそうです。

 つまり、保育料を払わなくても、子供を週に5,6回朝から夕方まで預けて昼食やおやつも食べさせてもらい、身の回りの世話をこまごまとしてもらい無事(?)卒園することができるのです!子供にタダ飯を食わせて平然とできる親・・・。ゴネ特、逃げ得をする親の背中を見ながら、これからその子供がどのような家庭教育を受けて、育っていくのでしょうか?

 年度を区切りに退園処置などが取れないのか!と思いますが、こちらのページに書いてある通り法的にそれも難しいとか・・・。一方で年度の初めでも途中からでも、ちゃんと保育料を払って保育園に入りたくても、定員がいっぱいで入れない家庭が多く存在しているのに・・・。そんな「逃げ得」が許されて良いのでしょうか!

 せめて、条例に規定されているように、明らかに払える所得なのに払わないケースは強制処分で給与等を差し押さえを行うべきです。条例で認められた「伝家の宝刀」なのですから、今まで抜かなかったことがおかしいのです。現にそうした差し押さえを行おうとしている自治体があることも報道されています。

 小坂は「誇れる日本を荒川区から」と「正直者が馬鹿を見ない区政」の2つを大きなテーマとして議会活動に臨んでいますが、こうした事例は正に「正直者が馬鹿を見ている」と言わざるを得ません。今まで、甘い対応しかとってこなかった行政の怠慢に怒りを感ます。
 担当課長に対して、強制処分の実施を求めると共に、さらに詳細を把握し他にも具体的な対策を行い「倫理の崩壊」が起きないように強く求めましたが、今後もさらに予算特別委員会等で実際にどのような対応をすることになるか等をこれからも厳しく質問するなど、引き続き改善に向けて取り組んで参ります。

small_ribon.gif保育料の不払いという逃げ得を許すまじ、という方はこちらを押してください。
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2006年08月29日

区立中学校で年金教育を!

 社会保険労務士の様々な活動について話をお聞きし、意見交換する会に出席させていただきました。

 「社会保険労務士とは、労働社会保険関係(健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法、労働基準法、労働者災害補償保険法、雇用保険法等約50の法律)及び人事・労務管理(人事管理、労働条件管理、人間関係管理、労使関係管理等)の専門家として、企業経営の四要素(ヒト・モノ・カネ・情報)のうち、ヒトの採用から退職までの労働及び社会保険に関する諸問題、さらに老後の年金を含む生活設計や介護の相談に応じる、ヒトに関するエキスパートです。 」(全国社会保険労務士会連合会ホームページより抜粋)

 多くの興味深い話が聞けたのですが、その中でも社会保険労務士が講師となって中学生に年金教育を行なった事例は荒川区立中学校でも是非、実現したいものです。

 「年金と職業選択について」の教育授業が実際に行なわれたのは千葉県に有る麗澤中学校。参加した中学生が授業をどのように感じたかをアンケートで答えた内容がこちらに掲載されていますが、とても効果があったことが伺えます(葛飾区の社会保険労務士の方のページです)。

 「年金についての誤ったイメージ 〜 成人後、年金保険料不払いに 〜 ますます年金制度の基盤が揺らぐ」といった悪循環を断つためには、年金問題についても専門家である社会保険労務士に学校教育の場で正しい知識を生徒に対して分かりやすく教えていくことは重要だと思います。

 授業に関わった方の話では「私の親が「年金保険料など払っても将来どうなるかわからないから俺は払わない!」と話しているよ・・・」と授業に参加した生徒が言っていたとか。社会保険庁があれだけ出鱈目・背信行為を続けているので、何を信じれば良いのか分からなくなる気持ちも理解できなくはないですが・・・。
 
 鉄は熱いうちに打てと言いますが、年金について正しい知識を持ってもらう年金教育、区立中学でも導入していくように働きかけて参ります。

 その後、東京書籍本社にて「デジタル教科書こちらのページの右側の「○○のデジタル掛図」で一例を体験可)の勉強会」、自分が事務局となっている区政報告の会と自転車を全速力でこぎ続けた日でした。

small_ribon.gif学校における年金教育の実施は必要、という方はこちらを押してください。
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2006年06月07日

ディマク・コンダの山田耕平氏が荒川区で講演!

 4月12日のブログ記事「ディマク・コンダ〜愛してるよ〜」(まず、こちらをお読み下さい)に書いた、「マラウイで一番有名な日本人」である元青年海外協力隊 山田耕平氏(本人のブログ)の講演が本日16時からサンパール荒川小ホールで実施されました。テーマは「日本の子どもたちと分かち合いたい、アフリカのマラウイでの私の経験」。

 この講演は区立小中学校で「ようこそ青年海外協力隊」事業を今年度から始めるにあたって区教育委員会と提携先である「JICA地球ひろば」が今日、覚書調印式を行う機会にモデル事業として実施したものです。多くのマスコミにも注目されており、東京新聞等が取材に来ていました。JICAと地方自治体がこうした形で協力するのは日本初の取組みです。

 こうした講演という形で山田隊員の話を聞く機会ができたことの一つのきっかけは、実は上記のブログの上記4月12日の記事を読んでくださった方が、荒川区での講演に山田隊員を呼ぼうと考えてご努力して下さった結果です。事情によって詳しくは書けませんが、その方を始め実施にご努力してくださった皆様に心から感謝をこの場でもうし上げます。小坂の拙いブログが一つのきっかけになったことも大変嬉しく思っています。
 
 ただ、残念だったのは、講演を実施するにあたっては、参加者を区立小中学校の教職員だけに限るような話が出ていたので、「区報での周知は時間が限られていて無理でも、折角の貴重な話が聞ける機会なのだから区民にも広く参加を呼びかけるべき。ホームページやメルマガ、区の掲示板などその気になれば周知できる。また、締結式・講演に区議会議員も全員呼んで事業についても理解を深めるのが当然ではないか?」と教育委員会に対して話をしていたのですが、区民の参加は「まずは趣旨からして教職員の理解を深めることが先で、区民の幅広い参加は今後の課題」として取り入れてもらえませんでした・・・。区議会議員への呼びかけはぎりぎりで決めたようで昨日やっと行われ、小坂も参加できた次第です。参加者はJICAの関係者と区立小中学校教職員と区長、区議会議員。約100名。会場を工夫すれば、参加を希望する区民も含めもっと入れるのですが・・・。

 山田隊員の活躍については、4月12日の記事に概要が書いてありますので、重複となるので書きませんが、講演の中で出てきた話をいくつか。
「仲間の協力があってこそできた。現地のトップアーティストの協力も得られ、JICA隊員として赴任してきた職員にNHKの元カメラアシスタントがいたりと仲間に恵まれた。」
「作成した音楽ビデオをパソコンに入れ、テレビ局に飛び込みで持ちこんだら採用してもらえた。」
「マラウイではエイズは日常の中で感じられること。エイズで亡くなる友人、同僚などは全く珍しくない。毎日のように葬式が有った。エイズへの偏見を無くし、謝った知識を正すために、受け入れてもらい易い音楽・音楽ビデオという形を考え付いた」
「マラウイと日本との繋がりはJICAが大きな部分を占めている。日本の民間企業は1社も進出していない。JICAの先輩が頑張ってこられたこともあり、任地に赴くと、「この技術はミスター○○(JICAの先輩隊員の名)から教わったんだよ」という話をされることも良くあった。それゆえ、とても親日的。」
「今後、日本の若者にこの経験を還元したい。子ども達に興味を持ってもらえるような活動をしたい。帰国後、様々な機会に講演をした。興味を持ってもらえば、後はネットや書籍で自分の意思でさらに詳しく知ることができるのだから、そのきっかけを作りたい。」

 こうした話を児童・生徒が聞けるようになる「ようこそ青年海外協力隊」事業は、きっとじわじわと教育上の良い効果が出てくるものと確信します。

 区長の挨拶に続き 
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 覚書の交換がJICA地球ひろば所長と区教育長で行われました。
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 教育長の挨拶に続き、JICA地球ひろば所長の挨拶
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 山田氏の講演に先立ち、「ディマク・コンダ」のビデオが流され、
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 講演する山田耕平氏
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 TBSのブロードキャスター(平成18年2月4日放送)で紹介されたビデオも流されました。
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 講演終了後、山田氏と短い時間、立ち話をしました。本当に爽やかな好青年で、現在、日本で「ディマク・コンダ」のCDを発売することも活動の一つとして進めていて8月には発売する方向とのこと。その売上をマラウイに持ちかえりエイズ予防の取り組みをする活動に使いたいとのことです。読者の皆様も、是非、応援宜しくお願い致します。JICAの隊員は累計で約2万5千人が世界のあちこちで途上国のために働いてこられ、現在も約1400名の方が任に当たられています。心から敬意を表したいと思います。

 最後に、今日覚書調印式を行った「ようこそ青年海外協力隊事業」について昨日の文教委員会の資料に基づき概要をご報告致します。

目的:青年海外協力隊員の貴重な体験をもとにした講話を通し、荒川区の子供たちの好奇心や想像力を育み、将来に向けて「夢」や「希望」を持って、これからの人生を切り開いていこうという子ども達を育成することを目的とする。
 本事業は区教育委員会と独立行政法人 国際協力機構広尾センター(JICA地球ひろば)が提携して実施する。

事業内容
1.対象:小学校5,6年生、中学校の任意の学年

2.実施:各校 年1回 2時間 原則として学級単位で実施

3.内容:講話・体験談・実演及び交流会等

4.講師:「農林水産」「加工」「保守操作」「土木建築」「保健衛生」「教育文化」「スポーツ」の7部門の元青年海外協力隊員

5.実施方法
 (1)講師派遣については、教育委員会とJICA地球ひろばが連携して行う。
 (2)教育委員会は各学校の講師派遣希望を取りまとめ、希望一覧をJICA地球ひろばに提出する。
 (3)JICA地球ひろばは教育委員会及び各校と連絡調整を行いながら、青年海外協力隊経験者の派遣手続きを行う。
 (4)事業実施に係る経費は、教育委員会が予算措置を行う。

 以上、概要を書きましたが、こうした事業を学校だけでなく区民全体に参加を呼びかけられるような形にすべく、引き続き発言して参ります。提携先の「JICA地球ひろば」(多くの児童・生徒が来訪して学ぶことができ、途上国の現状を追体験すできる仕掛けがあるそうです。NGO団体の活動拠点ともなる施設。詳しくはリンク先を参照下さい、イベントも多数実施)も今度、是非、訪ねてみようと考えています。

small_ribon.gif海外で国際協力に従事する青年海外協力隊の努力は素晴らしい、と考える方はこちらを押してください。
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2006年06月05日

小児専門医による夜間小児科専門外来、開設!

 4月20日の記事でご報告し、区報6月1日号のこちらの記事にも掲載されましたが、「荒川区医師会小児初期救急医療センター」が6月7日に開設される直前の今日、開所式が開かれ出席して参りましたので、施設の概要を写真を交えてご報告致します。「荒川区医師会小児初期救急医療センター」の設置者は荒川区、運営者は荒川区医師会(場所はリンク先ページの「医師会の案内」をご覧下さい)

 「夕方、子どもが熱を出した」「夕食後に食べたものを吐いた」など、一般の医院の診療時間が終わっている時間帯(準夜間)でのお子さんの急な発病の際に、荒川区民だけでなく、区外の方も利用できます。区では、現在、医療機関が診療を行わない日の日中や土曜日の準夜間に、区内の医療機関が順番で初期救急医療を実施しています。しかし、小児の平日準夜間初期救急については、これまで女子医大付属病院などに多くの患者が流れ、結果として本当に重篤な方を対象とする救急医療への負担となっていたのですが、その受け皿として整備されました。

☆診療所概要
○名称:荒川区医師会平日準夜間小児初期救急医療センター
○設置場所:荒川区医師会館1階(荒川区西日暮里6−5−3)
      電話(3893)1599
○診療時間:平日(月〜金曜日:祝日を除く)の19時〜22時
○受付時間:平日(月〜金曜日:祝日を除く)18時30分〜21時30分
○対象者:救急車による搬送や、入院を必要としない15歳未満の急病患者
○診療医師:小児科専門医(近隣医科大学の医局からの派遣医師と荒川区医師会の小児科医の輪番)
○施設概要:診察室(2室)、安静室、授乳室、隔離室(2室)、滅菌室、薬局、事務室、受付
○開所は6月7日
○利用時は健康保険証を持参して下さい。

荒川区医師会館の入り口に、大きく「平日準夜間小児初期救急医療センター」と表示してあります。
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待合室から各部屋の入り口を撮影
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こちらは乳幼児のための授乳室。奥に電気ポット等が用意してあります。
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安静室。特に具合が悪い時はこちらで横になって待てます。
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事務室・受付の隣に薬局があり、院内で薬を処方してお渡しします。
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診察室2。主に点滴や処置等に使う部屋で、奥に見える診察室1は主に診察に使います。
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隔離室。感染性のある疾患の方に利用していただきます。専用の白衣と医療器具を使用するとのことです。
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small_ribon.gifこうした環境の整備という形での子育て支援こそ必要、と考える方はこちらを押してください。
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2006年06月01日

子ども家庭支援センター、全面開設

子ども家庭支援センターが移転・拡充し、今日、6月1日に全館オープンしました!(お知らせ記事)。今朝、早速様子を拝見してきました。小坂のホームページこちらの記事の6つめの議題から以下に引用したように、地域の子育ての拠点として、子育てに関する総合相談・情報提供、子育て交流サロン、子育てサークル室などを設けています。

E 子ども家庭支援センターの全面開設

☆現在、改修を行っている子ども家庭支援センターが6月1日に全面開設する。

 1.所在地:荒川区荒川5−12−10(旧宮地ひろば館)

 2.建物概要(1,2階は既に開設済み)
   1階 子育て交流サロン(約50平方メートル)
   2階 事務室(約40平方メートル)、情報提供コーナー(約25平方メートル)、相談室(約5平方メートル)
   3階 子育てサークル室(約30平方メートル)、相談室(約10平方メートル)
   4階 地域交流室(洋室・約47平方メートル、定員30人)
   5階 地域交流室(和室・18畳、定員30人)

 3.愛称名 宮地子どもセンター
   (地域交流室利用者等への便宜を図るため、センターの所在地を示す愛称名を設けた)

 4.事業概要
   ○子ども及び家庭に係る総合的な相談に関する事業
   ○子ども及び家庭の支援に係る関係機関との連絡及び調整に関する事業
   ○子育てに係る情報の提供に関する事業
   ○子育てに係る区民活動の支援に関する事業
   ○児童虐待防止に関する事業
   ○その他区長が必要と認める事業

 5.周知方法
   ○区報(6月1日号)への掲載
   ○ホームページへの掲載
   ○チラシの配布
   ○情報誌の配布

 6.今後の予定
   5月24日 施設完成式典
   6月 1日 全面開設、区報掲載

 尾竹橋通り側から撮影
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 1階の「子育て交流サロン」の入り口。こちら子育て中の親子同士の遊びと交流の場として自由に利用できます。平日9時〜17時まで。安全上の理由から、オートロックとなっており、来場者は入り口でボタンを押していただき、中にいる保育士さんが相手を確認してから初めて入れます。
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館内の案内。当然、全館禁煙です。
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5階の和室、改装されており、綺麗です。4階、5階は子育てに関係無く、予約制で貸し部屋を利用できます。区民利用料金は2〜3時間程度で1室400円、一般料金は900円です。予約は2ヶ月前から2階の事務所で受付。今日から利用開始です。
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4階の洋室。利用については5階と同じ要領です。
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3階の相談室。子育てに関する相談が専門知識を持つ職員に対してできます。
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3階の子育てサークル室。登録をした子育てに関する自主サークルや子育て支援に関わるボランティア団体は予約の上、無料で利用できます。ただし、11:45〜13:00まではその対象外。理由は1階の子育て交流サロン(衛生上、ここでの飲食は不可)で午前中過ごし、午後も引き続き過ごしたい方が子供と昼食を食べられるように開放しているからです。今日から利用開始。
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2階の事務室には常勤4名、非常勤2名の6名程度が様々な業務を4月3日から行っています。そのうち4名は育児の相談を受けられる専門知識を持った方です。貸室の貸出手続きや子育て支援サービス(ショートーステイなど)の受付や一時保育、緊急一時保育についても相談を受け付けています。関係機関との連携を取りながら、幅広い相談について応じています。

1階の子育て交流サロン。こちらは4月24日から先行して稼動。今朝は既に1組の親子が来てました。説明を受けていると、5組の親子も来て賑やかに。「個人情報保護」の関係から、人物が写らないように撮影。子連れで自由に遊びことのできる空間です。多いときは十数組の親子がいらしたこともあるとか。
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 今日と明日は「小麦粉粘土で遊ぼう」というイベント?でお母さんが小麦粉粘土で形を作ってました。保育士さんが常に2〜3名常駐して育児相談にも応じてくれます。
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 子育て支援センターは区内にこの1ヶ所ですが、上記写真のような「子育て交流サロン」は区内にこちらを含めて4ヶ所(あとは、ドン・ボスコ保育園内(荒川地区)、小台橋保育園内(西尾久地区)、はなみずき保育園内(南千住汐入地区)有ります。子育て世代同士の交流の場として「公園デビュー」ならぬ「サロンデビュー」を多くの方がされて、「孤立しない子育て」をしていただけることを願っています。
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 そう言えば、6月は、子育て環境向上につながる新規のものが多くあります。6月5日に小坂も開所式にも出席する予定になっている小児準夜間初期救急診療所(参考記事)は7日から稼動しますし、1日からはこちらの記事の5つ目の議題として書いているショートステイも始まりました。

 また、子供が遊べる場所ということで、区のホームページのこちらの記事に書かれている瑞光橋公園も8日に開園式典の後、利用ができるようになります。
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 今後も、ばら撒きでなく、環境整備の面での子育て支援策を充実していけるように、1歳4ヶ月の娘の父親として感じたことを踏まえながら議会で発言していきたいと考えています。

small_ribon.gifばら撒きでない子育て支援の施策こそ、充実すべき、と考える方はこちらを押してください。
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2006年05月30日

給食費について

 、昨年12月20日の記事「給食費滞納のツケ」5月26日の記事「給食費滞納、荒川区も断固たる措置を!」に学校給食費用の滞納について詳しく書きましたが、それに関連して、基本的な現状報告を。

4月17日の文教委員会で「荒川区包括外部監査人からの監査結果報告書」とその指摘に対する区の対処が報告されました。外部監査をしてもらった「選定テーマ」は偶然にも「学校給食事業及び管理業務について」で15項目、51ページに渡る報告書が提出されました。そのうちの一部の課題やデータ等を紹介しながら、先日の記事へ寄せられたコメント等を踏まえてご報告します。

 まず、基本的なこととして費用の負担は以下の通りとなっています。

・学校設置者(荒川区)の負担=学校給食に必要な施設・設備に要する経費、学校給食運営に関する人件費や設備修繕費
・保護者の負担する学校給食費=食材料費のみ。私費会計となります。各学校ごとに管理。以下、「給食費」とします。

 給食費は学校給食費検討委員会で毎年検討し、小中学校校長会で1人当たりの共通一食単価が決定されます。共通一食単価は以下の通りです。

小学校低学年 216円(月3,727円)
小学校中学年 232円(月3,997円)
小学校高学年 253円(月4,359円)
中学校    291円(月4,795円)

 給食費の支払いが経済的に難しい方に対しては「就学援助」が出ています。平成16年度では小中学校在校生9,877名のうち3,356名が就学援助を受けており、金額にして1億5656万円となります。

 さて、給食費は各学校とも上記の通り、共通ですが、実際にかかっている一人当たり費用は学校の児童・生徒数の規模で大きな差が出てきています。荒川区立学校は全て給食業務は民間委託されており、入札で選定された様々な業者が給食を作っています。その際の業者との契約金額(人件費等を含みます。)を各学校で比較すると・・・。
 例えば小学校で一番生徒数の少ない「全校生徒が100名以下のある学校」(学校の生徒数の現状については4月17日の記事をご覧下さい。)では、一食あたり、815円、一方、「551名以上の児童が在籍する学校」は一食あたり162円と大きな差が有ります。固定費として大きな割合を占める人件費の差が、小規模校には1人あたりのコストとして大きく影響するのです。その人件費にあたる費用は保護者ではなく税金で賄われます。

 包括外部監査に添えられた意見の一つとして「荒川区には10.2平方キロメートルの区内に33校が点在していて、学校間の距離が比較的短いケースも存在する。そうした現状を踏まえて給食の質の低下をさせることなく、調理業務をいずれかに一方に集約するなど設備の共有化を考慮し、老朽化した設備の入れ替えに合わせてその可否を検討すべき」というものがありましたが、その通りだと思います。荒川区では全ての学校が自校単独調理方式が採用されていますが、他の自治体で実施しているような「共同調理場から配送する共同調理方式」や「給食設備を有する学校から近隣の学校へ配送する親子方式」などを進め、老朽化した施設をすべて新しくするのではなく、ある学校については老朽化を機に調理場を廃止することも検討すべきと考えています。この意見に対しては、区は「事実上困難」として消極的ですが・・・。

 大きな項目で15項目、その中でもさらに細かい点について、詳細な監査意見が出されていますが、その中で「就学援助の支給方法について」も小坂と同じ認識の指摘がされています。現状では、就学援助としての学校給食費は、他の費目とともに、区から直接保護者に支給されています。しかし、「就学援助としての給食費の支給を受けながら、保護者による支払いがされない」けしからんケースが存在します。そこで、監査の意見として出されたのが「就学援助のお金を区から保護者、学校という流れででお金を支払うのではなく、保護者の了解の下、区の支出を直接学校給食費に充当すつことも未納を解決する方法のひとつ」というものです。
 区の対応としては「現行制度でも、保護者の了解を得た学校長からの要請に基づいて、学校長が区から保護者に代わって受領できる方法を定めている(小坂注:つまり、学校長から要請があったケースのみということです)。就学援助の対象者全員の就学援助費を学校長口座に直接支給する方式は、指摘内容を踏まえ課題整理を行い検討する」というものです。給食費としての就学援助を受けているのですから、他の用途に保護者が勝手に使うことなど許されるものでは有りません。保護者の了解など必要無く学校長の口座に振り込んでも何の問題も無いと小坂は思いますが、全体への拡大を引き続き求めて参ります。

 他にも、詳細なデータや改善すべき課題について監査意見が出されていますが、既に長文になりましたので、ここまでにしたいと思います。疑問点やこの点はどうか?ということが有りましたら、コメントやメールでお寄せ下さい。

small_ribon.gif学校給食は食育を支える大事なもの、と考える方はこちらを押してください。
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2006年05月26日

給食費滞納、荒川区も断固たる措置を!

 昨年の12月20日の「給食費滞納のツケ」という記事(まず、こちらをご覧下さい)で荒川区立学校における給食費滞納額について書きましたが、滞納問題に関連して、中国新聞5月15日の記事に以下に引用したような記事が掲載されていますので、まず、ご紹介します。

給食費滞納へ法的手段 呉市 無責任保護者に業煮やす

 ■三次も実施 広島は検討

 小中学校の給食費滞納に苦慮する呉市は、経済的に支払い能力がありながら、長期間滞っている保護者に対し、法的手段を講じた徴収に踏み切った。広島県内の自治体でも滞納問題が深刻化し、未納者対策への動きが出始めた。(増田咲子)

 「愛犬の美容代を惜しまず、新車を購入していた家庭もあった」「差し押さえが職場に知れると分かると、すぐ支払った」。滞納者を戸別訪問した呉市教委の担当職員は、保護者の無責任ぶりを嘆く。

簡裁に申し立て

呉市内の小学校で、行儀良く給食を食べる児童。ある校長は「保護者の滞納は、子どもの教育にも良くないのだが…」と指摘する

 呉市は一月から、就学援助と生活保護受給者を除く三カ月以上の滞納者を調査。把握した五十世帯のうち、学校側での対応が困難な十一世帯を職員が戸別訪問した。四月、再三の督促にも応じない保護者二人に対する支払い督促を呉簡裁へ申し立てた。滞納額は、合わせて十六万六千円だった。

 呉市では、給食費の会計処理が学校ごとに異なる。保護者から納金を受けた後、(1)市学校給食協会にまとめ、業者に一括して支払う(2)各地域の学校給食共同調理場を経由して、業者に支払う(3)学校が直接、業者に支払う―の三パターン。

 呉市教委の調査では、(1)は会計上の未払いが見当たらなかったが、実際は担任教諭や学校長による立て替えなどで補っていた。(2)と(3)は、食材の節約などで対応していたという。

学校は措置歓迎
 学校側の督促に対し、「義務教育なので、支払う必要はないはず」「ローンがあり、給食費にまで回らない」と広言する保護者が増え、三年ほど前から市教委に対策を求めていた。市教委教育改革推進室は「子どもの学校生活より家庭生活を優先。払わずに済ませようという意識が広がっている」とみる。

 中学校長(54)は「子どもが食べた代金は、保護者が当然支払うべき。教職員の立て替えも限界があり、教育活動にも支障が出る」と今回の措置を歓迎。小学校長(55)も「六年間ほとんど払わない保護者もいたが、教員が借金取りのような行動は取れない」と市の対策に期待を寄せる。

 呉市以外の県内十三市の実態をみると、三次市でも昨年度、三人の子どもを持つ保護者に対し、三十七万八千円の支払い督促を三次簡裁に申し立て、給与を差し押さえた。

 二〇〇四年度に集金から口座振り替えに徴収方法を変更した府中市。〇二年度は二十八万八千円、〇三年度は三十七万九千円だった滞納額が、〇四年度には二百九十万六千円と大幅に増えた。未納者に対する督促方法が不十分だったためで、啓発を強めるなど対策を講じている。

教育的に悪影響

 広島市では、〇三年度までの累積滞納額が約七百万円に上る。細かい調査を進め、法的措置や徴収方法の見直しを含めて検討している。三原市や廿日市市などでも実態調査に乗り出す。

 全国学校給食協会(東京都)代表で月刊誌「学校給食」の細井壮一編集長は、飽食の時代に育った保護者のモラル低下を一つの要因に挙げ、「給食制度の目的やありがたさを、もっと理解すべき。子どもが滞納に気付けば、教育的にも心理的にも悪影響を及ぼす」と警鐘を鳴らしている。

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呉市の学校給食と滞納状況 15日から導入される下蒲刈小を含めて小学校56校すべてが完全給食。中学校28校のうち9校が完全給食、19校がミルク給食。1食当たりの給食費は小学校200―240円、中学校240―270円。ミルクは35円71銭。03年度の滞納額は小学校9校36件で101万3000円、中学校4校10件で12万4000円。04年度は小学校15校43件で75万3000円、中学校7校15件で14万6000円。

(以上、引用終わり)

 このように、確信犯的な不払いに対して、断固たる措置を取る自治体が近年増えてきています。例えば、北海道根室市の例岩手県滝沢村の例(裁判所に財産差し押さえの申立)宮城県仙台市の例などなど。

 荒川区においてもこうした確信犯的な不払い者がいます。督促しても効果がないのですが、学校としてはそれ以上の対応をせずに来たのが実態です。「子供への配慮」などもあったようですが、子供にとって本当に有害なのは「ゴネ得で、タダメシを食べられる状態を許すこと」ではないでしょうか?こうした保護者は生活中の別の場面でも、「ゴネ得」を得られるものなら得たいと行動していると思います。それを子供が直接見ていなくても、感じるものだと思います。そのような状態にピシャリと厳しい対応をすべきなのが、区(学校の私費会計なので、直接は学校ですが)なのではないでしょうか?法的手段を含め、断固たる措置をとるべきだと考えます。

 平成16年度の滞納額等については昨年の12月20日の「給食費滞納のツケ」という記事に書いた通りで、17年度の集計は6月末頃にならないと数字として出てこないそうです。今日も教育委員会の責任者の方に上記に書いたように断固たる措置をとるよう、教育委員会としての方針を示すべきと強く求めました。教育委員会もかなり問題意識をお持ちのようですので、今後も、教育の場で「ゴネ得」を許されないように働きかけて参ります。

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2006年05月08日

教科書を大切に使う制度

 まずは読売新聞の「教科書貸与制度の検討」ニュースをご紹介します。(以下、引用)

政府・与党に小・中教科書貸与論が浮上、文科省は反発
 小中学校で教科書が児童・生徒に無償で配布されている制度を廃止し、貸与制や有償制などを導入する構想が政府・与党内で浮上してきた。

 義務教育費を削減するため、財務省などが提案し、自民党内の一部にも理解を示す意見がある。ただ、文部科学省は「無償配布制廃止は教科書に書き込みができないなど、学習にも影響する」と強く反発しており、議論の先行きは見えていない。

 教科書無償措置法では、国が教科書購入費を全額負担し、全小中学生に無償配布することを規定している。2006年度の教科書費用は約395億円。

 4月27日に自民党本部で開かれた歳出改革に関するプロジェクトチーム(一般分野)の会合で、財務省は小中学校教科書について、「先進7か国で無償配布しているのは、日本とイタリアだけだ」などと指摘した。

 そのうえで、教科書を授業中のみ生徒児童に貸し出す貸与制や、希望する保護者に教科書代を負担させる有償制などの導入を検討すべきだとの考えを示した。

 出席議員からは「貸与を基本に検討して欲しい。希望があれば有償でもいいし、教科書を汚した場合は買い取りさせてもよいのではないか」との意見も出た。

 これに対し、文部科学省は小中学校の教科書無償配布は、憲法26条で定める「義務教育の無償」に基づくものだとしたうえで、「日本では昔から無償給付。貸与や有償にすると、大きな転換になり、慎重に判断するべきだ」と反論。

 貸与制の問題点として、〈1〉ハードカバーにするなどの工夫が必要で、教科書価格が上昇する〈2〉自宅での予習復習が困難になる〈3〉保護者が個人用教科書を購入する傾向が強まる――などを挙げた。

 同プロジェクトチーム(座長・中川政調会長)は、政府が6月にまとめる歳出・歳入一体改革に反映させる具体策を検討している。近く再び会合を開き、議論を詰める。

(2006年5月8日3時2分 読売新聞)(以上、引用)


 小坂はこの「教科書貸与制度」を是非、実現して欲しいと思います。その理由としては、まず、教科書を公共物として大切に使う姿勢を身に着けるよいきっかけだと思うからです。教科書の検定は4年に1度ですから、4年間は教科書の内容は変わらないわけです。その間に痛んだものだけ交換すれば良いと思います。

 今までの「教科書を1年間で使い捨て」している制度はなんともったいないことかといつも思っていました。文部科学省の「書き込みができず、学習に影響する」というコメントは、小坂の実感として理解できません。学習の基本の一つとして「きちんとノートをとり、要点をまとめる力を養うこと」ことが重要で、教科書にちょちょっと書き込みをするような学習方法を薦める意味が分かりませんが・・・。学生時代には歴史でも英語でもとにかく広告の裏にでも繰り返し書いて覚えたものでした。

 どうしても、教科書に書き込みをしたい人は買うという選択肢も残しておけば良いのではないでしょうか。あと、貸与教科書の家庭への持ち込みはもちろん認めるべきです。

 また、貸与制度の利点として、教科書会社、日教組、文部科学省の間の利権が縮小することも期待できます。

 記事中にあるように、以下の通り外国でも貸与制度の国が多いのが実情です。

米国の例: 大半の州は、公立の初等中等学校の児童生徒会員に対して教科書を無償で提供すべきことを州法に定めている。無償制の場合、学校が備品として教科書を保管し、児童生徒にこれを貸与する形が通 常である。また、近年は、学力の向上を目指して宿題を出す学校が多くなり、児童生徒に教科書を家庭に持ち帰らせる場合が多くなっているようである。教科書を著しく破損した場合、親がこれを弁償をするようになっている。

英国の例:公営学校の教科書は、(義務教育以後についても)、地方教育当局の経費負担により、各学校が、生徒に無償で貸与している。私立私営の学校の場合は、教科書は有償である。
 公営学校の場合、初等学校では、教科書は学校に備えつけられているが、中等学校では、生徒個人に貸与されA家庭への持ち帰りも認められている場合が多い。

ドイツの例:すべての州で、教科書無償の措置が講じられている。この場合、多くの州では無償貸与を実施し、一部の州(例えばベルリン)では無償給与を実施している。教科書無償の措置は、公立の義務教育学校だけではなく、公私立の初等中等学校のすべてに適用されている。

フランスの例:義務教育学校(小学校及びコレージュ)の教科書はすべての児童生徒に無償で貸与される。一冊の教科書の使用期間は4年が原則とされ、損傷の度合の高いものから毎年4分の1ずつ補充されるようになっている。
 無償貸与の経費は、小学校については市町村が、またコレージュについては国がそれぞれ負担している。
 後期中等学校(リセ)の教科書は有償である。

ノルウェーの例:義務教育学校の教科書は児童生徒に無償で貸与される。一方、上級中等学校の教科書は有償である。

フィンランドの例:初等中等学校の教科書は、教育無償の原則に従って、すべての児童生徒に無償で貸与されている。

 引用はこれくらいで、他の国についても興味が有る方は、こちらのページの下のリンクからご覧下さい。

 教科書を自分の所有物にして好きに使えた方が、使う方は気が楽ですし、新品なら嬉しいかもしれません。しかし、使う本人(や保護者)が喜べば良いというものではなく、「先輩から引き継いだ教科書(公共物)を大切に使い、後輩に引き継いで行く」という気持ちを養う教育こそが、今求められていると思います(参考記事:3月3日「机と椅子の贈り物」)。家庭に帰れば好き勝手に使えるモノがあふれている現在だからこそ、学校という教育の場でそうした姿勢が必要だと思います。

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2006年04月20日

6月から平日準夜間小児初期救急診療所が開設!

 ホームページ本体4月19日の委員会報告にも掲載しましたが、「平日準夜間小児初期救急診療所の開設時期を当初10月と予定していたのを6月からの繰り上げることになりました。「15歳未満のお子さんが急に体調を崩したり、怪我をしたが、救急車を呼ぶほどではないが、次の日までは待てない」といった際に、外来として受診する形のものです。今まではこの時間帯のそうした際の受け皿が無かったのですが、それができました!

 本来、高度な救急医療を行うべき女子医大第二病院等が時間外も大変混雑している状況が緩和されることも期待できます。

 以下、4月19日の委員会報告からの抜粋です。

 平日準夜間小児初期救急診療所については、これを運営する荒川区医師会と開設に向け調整を行ってきたが、小児科専門医師の確保に目処が立つなど開設準備が順調に進んだことから、当初予定していた10月開設を前倒しし、6月7日を目処に開設する。

☆診療所概要
○名称:荒川区医師会平日準夜間小児初期救急医療センター
○設置場所:荒川区医師会館1階(荒川区西日暮里6−5−3)
 ※場所は「荒川区医師会」の「医師会のご案内」をご覧下さい。
○診療時間:平日(月〜金曜日)の19時〜22時
○対象者:初期救急医療を必要とする15歳未満の患者
○診療医師:小児科医師
○施設概要:診察室(2室)、安静室、授乳室、隔離室、滅菌室 等
○今後の予定 工事(4〜5月)、区報・ホームページ等で周知(5月〜)、開設式(6月予定)
(以上、抜粋)

 当初予算よりも安い改装費で準備をし、小児専門医の交代勤務の体制も早期に整えられて、前倒しでの診療所開設となり嬉しく思っています。我が家にも1歳3ヶ月の娘がおりますので、大変心強いです。今後、こうした情報が子育て世代で必要な方に適切に届くように努力していきたいと考えています。

small_ribon.gif子育て環境の整備を望む、という方はこちらを押してください。
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2006年03月20日

全国から注目される 文武両道の区立尾久八幡中学

 今朝は、「区立尾久八幡中学校」の卒業式に出席。105名の涙ながらの旅立ちの清清しさ、培った絆への涙には、多くの列席者の涙を誘いました。新たな場での幸が多からんことを心より祈ります。
 
 その八幡中学校の取り組みが注目されています。プレジデント社が発売するPRESIDENT4月17日号別冊 プレジデント Family [vol.2]に4ページに渡って紹介されています。そのタイトルは「区立尾久八幡中学に人気が集まるわけ 部活が知力を伸ばす 実証データ公開」。

 尾久八幡中学では学校ぐるみで部活動に力を入れて、そのことが学力向上に結びついているという内容の記事です。粗筋としては「七年前の尾久八幡中は今では想像もつかないほど荒れた学校だった。部活動の加入率は55%だったが、ほとんどが開店休業状態だった。教師は生徒の問題行動に個別に対応するのに精一杯。しかしそこで、部活動の効用を自らの経験で知っていたある教師が中心になり、部活動のの活性化に取り組む。部活動を通じて到達目標を達成する充実感を感じることにエネルギーの発散先を見つけ、その集中力が学力向上につながっている。今では卒業生の進路として都立では領国、小石川、私立では巣鴨、安田学園などの進学校に進む生徒も出ている。今年の4月の新入生については学校選択制度の元、定員150名のところに225名が応募するまでの人気校となった。現在、全生徒の96.7%が部活動に参加。
 生徒に「部活動をしていると学力は下がると思うか」というアンケートをとると、思わない=60%、どちらとも言えない=34%、思う=6%と部活動と学業の両立について肯定的な認識が示される。
 中学生の部活について研究している教授によると「部活動に参加することで、生徒は学校の存在を肯定し、部活動以外の学校生活にも適応していく。高い目標に向かっていくようになる。」」

 荒川区の学校の努力がこのような形で紹介され、嬉しいものです。全文を読みたい方は、書店へ・・・。又は小坂へメールででもこっそりとご連絡下さい。

 こうした尾久八幡中学の改革は区内の他の学校に非常に大きな良い影響を与えています。現在の教育長(教育委員会の責任者)は正に尾久八幡中学校でこの改革を実行された方です。こうした地道な取り組みがさらに広がるように、小坂も部活動や域スポーツ活動が行いやすいように議会で発言・活動して参りましたが、今後もさらに力を入れていきます!
small_ribon.gif学校における部活動や地域のスポーツ活動にさらなる支援をすべき、と考える方はこちらを押してください。
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2006年03月03日

机と椅子の贈り物

 荒川区の小学校では入学時に支給された机と椅子を6年間使用して、「自分のものとして大切に使ってもらい」、卒業した時には記念品として持ち帰ることができることを、ご存知ですか?今日はこの話について。

 机と椅子の持ち帰りについては、平成3年度の新1年生(言い換えれば平成8年度卒業の6年生)から区内小学校全校で開始。卒業の記念に「自分の机・椅子」として自宅等に持ち帰るということで、不要なら受け取らなくても良い形となっており、現状としては全体の約2割の方が持ち帰りをし、約8割は持ち帰らないそうです。その残り8割については海外に寄付しており、平成8年,9年はドミニカ共和国へ平成10年以降はジャマイカへ輸送し、現地の学校では大変歓迎されているとの話です。その費用については区立学校から港までの輸送は区の負担とし、船での外国への輸送費については、現在、ジャマイカ政府の負担です。ジャマイカ政府からは「新しく学校を建てる予定も有り、近隣区でも協力してもらえるところが有れば、是非、協力してもらえないか?」との話もされているとか。担当責任者の方の話ではもし処分するとした場合の費用を考えると、区の費用負担もさほど無く外国で大事に使ってもらえるのなら良いことでは?、新1年生には新しい机を贈り、気持ち良く勉強に取り組んで欲しいとの気持ちも有るとのことでした。因みに机と椅子のセットについては新品が約1万円です。

 小坂としてはこのユニークな取り組みについては、海外でも喜ばれていることは良いと思いますが、少しひっかかるところは有ります。それは「自分が6年間使うから大切にしなきゃ」という心よりも公の学校では「皆で共有するものだから自分のものじゃないけど大切にしよう」という気持ちを養うことこそ、力を入れるべきではないかと思うのです。小学校では6年間使うだけで、「持ち帰り」か「海外輸送」の道しか無いようにするのでは無く、「まだ、使えるのにもったいない」との気持ちで、例えば10年以上使うという形のほうが望ましいと思います。小坂が小学生の時(当時は京都市在住)は、新1年生の時にも別に新しい机ではなかったですし、机も年度ごとに変わっていたと思います。

新1年生が新しい机でなく少し傷の有るものなどを使うことになり、一部からは「差が有るのは可哀想」とか「平等で無い」との声も出そうですが、小坂はそうした差が有っても構わないと思います。それよりも新1年生に対して「A君の机は少し傷はついていても、この机は先輩が大切に使いつづけてきた歴史の有る机だよ。それを引き継いで大切に使ってね。」「B君の机はピカピカで新しいね。B君が卒業してもその後に後輩が使い続ける机になるから、ずっと大切にしてね。」とどちらも同じように大切にする心を教える姿勢に転換できないものか、担当責任者の方に話をしました。一つのものを長く使い続けて欲しいものです。現状では現場から異論等も無く、受け入れ国からも感謝されているので、変える予定は無いとの答ですが・・・。皆様はどのようにお考えですか?

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2006年02月11日

教育の荒廃克服に向け 東京都教育研究連盟、発足!

 建国記念日の今日、「東京都教育研究連盟」の結成記念大会が開催されました(関連記事)。自虐的な歴史教育、ジェンダーフリー、権利ばかり教え義務を教えない、愛国心を敵視する・・・。今だにこのような異常な教育がまかり通っている教育の現場に危機感を感じ、「美しい日本人の心の育成」という理念を掲げた教職員の組合として新たに発足したものです。上部の全国団体としては「全日本教職員連盟(全日教連)」に加盟することになります。

 今日は荒川区西尾久で午後にとある集会に出てから、日本財団の大会議場(赤坂)での結成記念大会に相当遅れて駆けつけた(自転車で約35分)のですが、残念ながら記念式典や講演(米長邦雄永世棋聖)には間に合いませんでした。その後の懇談の場に参加し多くの方と話をすることができました。MIXIというSNSで以前からネット上でやり取りのあった方と偶然初めてお会いできたということもありました。閉会後、荒川区内の集会に参加すべく、ペダルを踏み始めましたが、土曜日の官庁街や大手町は静かで道も空いていて走りやすいこと。

 式典に参加された人数は250名だったそうですが、これからこの活動の輪を広げていく取り組みが重要になるかと思います。

small_ribon.gif東京都教育研究連盟が更に活動を活発にし、組織が拡大することを願う、と考える方はこちらを押して下さい。
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2005年12月20日

給食費滞納のツケ

 教育委員会に確認したところ、区立小中学校の給食費の未納についてですが平成16年度末(つまり、平成17年3月末)は区全体で下記の通りです。

小学校 23校合計 107万円
    (32人。うち就学援助受給者は16名、就学援助非受給者は16名)
中学校 10校合計 91万6千円
    (33人) 

 給食費は基本的に集金した金額で賄っています。つまり、独立採算。年間に業者に支払う金額も決まっているのに、支払わない者がいると当然、赤字になります。その赤字を誰が埋めているのでしょうか?

 担当課の責任者に聞くと未納分は「前年度の給食費の繰り越し金を充てているのではないか・・・」とのことですが、実態を正確に把握できていないようです。各学校で対応しているので・・・ということのようで・・・。では繰り越し金が無い場合はどうしているのか?区内外で聞く話では「翌年度に総額で帳尻を合わせている=つまり、翌年度の給食の質を下げて生徒全員に迷惑がかかっている」「校長がポケットマネーで補填している」「他の費用から流用している」といった実例があるようです。いずれも、給食費を支払わない者のツケを善良な第三者が肩代わりしているという形です。

 就学援助を受けているにも関わらず、給食費を支払わない事例が今までありましたが、平成17年度からは、就学援助費は基本的に保護者の口座に振りこむ形に制度変更し、給食費不払いなどが発生した際には、保護者の了解を得て校長の口座に振りこみ、そこから給食費を差し引いた形で保護者に就学援助費を渡すようにしています。現在、そのように校長の口座に入金する形になっているのは区内で100名程度です。

 また、支払う余裕があるにも関わらず、「義務教育の費用はただが当然!」という認識で払わない、そうした悪質な例に対しては、厳しい措置をとるべきと教育委員会に求めたのですが、難しい点が多いのも確かで悩ましいところです。ある夜間高校では給食費を支払わない生徒には給食を出さないそうですが、それを義務教育の場で行うことは難しい面が多いですし、法的措置も回収できる給食費以上のコストがかかってしまいますし・・・。

 やはり、厳しいようですが「給食費を支払わなくても給食を食べられる」=「学校教育の現場で無銭飲食(犯罪)を認める」ということになりますので、「支払う気が無い滞納」=「給食を食べさせない」ということを、まず始めるべきではないでしょうか。所得の低下など様々な理由で支払えない方には就学援助などの制度があるにも関わらず、敢えて支払わないのは食い逃げを黙認してきた結果と言わざるを得ません。金額の大小に関わらず、「正直者が馬鹿を見る」こうした不合理を正していこうと考えています。

small_ribon.gif給食費の滞納に対しては厳しい措置を取るべき、と考える方はこちらを押して下さい。
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2005年12月19日

学校教育で尊敬すべき偉人の生き方を学ぶ

 二宮尊徳や東郷平八郎元帥をはじめ、著名な人物で歴史上大きな役割を果たした人物であるにも関わらず、歴史教科書に掲載されていない人物がいることの異常さを以前も記事で書きました。今日の話はそうした歴史上の人物とは別で、尊敬できる日本人の話を学校教育の中で積極的に扱うことも重要ではないかと思い書きました。

 例えば、西岡京冶氏。アジアの小国ブータンにて日本式稲作を導入し、収穫料を2倍近くまで増やし、ダショー(ブータンにおける1代限りの貴族)を与えられた方(詳しい説明はこちら)。しかし、西岡氏は日本のやり方を押し付けた訳では無く、ブータン南部のシュムガン県の総合開発を任されたとき、西岡氏は単身で村々に乗り込み、村人が納得するまで800回もの集会を開くなど、粘り強い活動をした上での日本式稲作導入なのです。平成4年に亡くなった西岡氏の葬儀はブータンの国葬となり、王女や閣僚など5000人近い人々が訪れ、西岡氏の亡骸を燃やした灰は農場から見えるパロ川に流されたそうです。昨年、テレビ(TBS)でも西岡氏について報道されています。

 西岡氏の技術を多くの人が受け継ぎ、ブータンでそれが生きている。西岡氏に限らず、このような素晴らしい人の生き方を、学校教育の現場でもっと扱う時間を増やすことができればと考えています。

small_ribon.gif素晴らしい活躍をした日本人から学ぶことは多い、と考える方はこちらを押して下さい。
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2005年12月18日

2学期制導入を!

 所属会派の尚志会としても、導入を求めてきた学校の2学期制(参考記事)。中野区では平成18年度から区立中学校14校でいっせいに2学期制を導入し、長期休業日を3日間短縮することが決まっています。中野区の小学校では平成17年度から2学期制を施行しており、順次拡大しながら、平成20年度には29校全校で実施予定とのことです。
 2学期制という言葉になじみがないかもしれませんが、変わるのは通信簿の評価が年に2回になり、長期的な学力向上策が図れること、学期ごとの始業式、終業式が減ることなどです。夏休みの短縮と併用するなど工夫次第で学力向上に充てる時間を十分確保することが可能になります。

 横浜市仙台市宇都宮市などを初め、既に多くの自治体で採用されている2学期制、長所と短所は上記リンク先に書いてある通りですが、長所の方が多いと考えており、荒川区も導入すべきと今後も主張して参ります。

small_ribon.gif荒川区においても2学期制を夏休みの短縮と同時に導入し、学力向上を図るべき、と考える方はこちらを押して下さい。
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2005年12月04日

区立中学校の合同部活動設置を

 荒川区立中学校は10校。しかし、柔道部設置は1校のみ、剣道部については1校が存廃の瀬戸際水泳部は2校・・・。人気の有る運動部についてはそこそこ設置されているのですが・・・。例えばバスケットは全校、バレーボール、ソフトテニスは9校、バドミントン、サッカーは8校、卓球は5校といった具合です。

 スポーツ自体の人気具合に理由も有りますが、1校のみでは成り立たないために「剣道や柔道を部活動で学びたい」と考える生徒の希望に応えることができなくなっている現状です。また、先ほど挙げた人気スポーツの部活についても「校内に設置しているが、部員は5人とか6名」といった学校も珍しく有りません。

 そこで、以前から所属会派で導入を求めてきた「合同部活動」の実施が必要だと考えています。複数の学校の生徒が参加する形で1つの部活動を運営していくのです。「世田谷区の例」「品川区の例」「八王子市の例」「神奈川県の例」などなど都市部でも地方でも多くの事例が有ります。「中国新聞の報道記事」は高校での事例。

 こちらの記事に記載されているような課題は有るものの、青少年の健全育成のために設置がなされるように今後も求めていきたいと考えています。

small_ribon.gif課題を解決しながら合同部活動の設置を進めるべき、と考える方はこちらを押して下さい。
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2005年11月05日

学校校庭の芝生化

 今日、33歳になりました。無事、健康にこうして誕生日を迎えられたことに感謝しながら、今後も不器用でも筋を通しながら地道に活動していこうと改めて決意をしております。

 10月29日の記事に書いた通り、今日は第四峡田小学校の創立80周年の記念式典・祝賀会に参加させていただきました。第四峡田小学校は「荒川区ホタルの会」と協力しながらホタルを学校で育てていること(参考記事:ホタルのページ)が話題になりますが、さらに新しい話題として「校庭の全面芝生化」が有ります。
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 校庭の全面芝生化は築山も含みます。
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 現在、芝生の養生中で児童への本格的開放は来年1月からの予定ですが、今日は特別に5・6年生児童による発表「よさこいソーラン」で使用しました。「裸足で芝生」は気持ち良さそうです。
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 縦方向に伸びる冬芝と横方向に伸びる夏芝を交互に生育させ、耐久性の向上を図っています。
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 昨年度までに汐入小学校参考記事)と尾久西小学校で校庭が芝生化されています。汐入小学校は夏芝のみ尾久西小学校は冬芝のみを植える形でしたが、校庭で活発に運動されると芝生に痛みが出てきていたのが現状でした。そこで、今年度は第四峡田小学校瑞光小学校第二瑞光小学校の三校が芝生化されるのですが、いずれも冬芝と夏芝の併用で痛みにくい形にしています。校庭の芝生化は、児童・生徒のけがの防止やヒートアイランド現象の緩和などの効果を期待して、文部省(現・文部科学省)が平成7年度から全国の公立小中学校などを対象に補助制度を設け、これまでに約三百校が取り組んでいます。汐入小学校と尾久西小学校はこの制度を利用し国から整備費用の3分の1を補助されています。
 実施校では、「児童の自然を慈しむ心が育まれた」「夏場の校庭の表面温度が土のころに比べて低下した」などの声が聞かれる一方、維持・管理コスト(労力、水道・肥料代など)がばかにならないといった指摘もある。このマイナス面を克服しようと、学校と地域が協力して芝を管理する方法が注目されており、尾久西小学校もそうした方法を取っています。

 今年度に荒川区内で芝生化を行うのは都が平成17年度予算案に盛り込んだ「公立学校運動場芝生化補助」(区立小中学校三十校程度を想定、約10億円)を活用するものです。この事業では学校とPTA、地元住民らによる芝生の維持管理の枠組みが整えば初期整備費が都から全額補助されます。施工費用はこちらの入札結果示されている落札価格の通りです。リンク切れに備えて書いておきますと、それぞれの学校での校庭芝生化工事の落札価格は瑞光小学校は2680万円、第二瑞光小学校は2730万円、第四峡田小学校は3670万円(いずれも消費税除く)です。

 芝生化については児童の使用に耐えるように管理する難しさや、決して安くない工事費用(尾久西尾小学校の校庭芝生化で約3700万円)の低コスト化、土の校庭とは使い勝手が異なってくること、様々な工法の長所短所をつかみながら適用していく難しさはあるものの、徐々に進めていければ良いと考えています(参考記事:去年の記事ですが・・・)。眩しいほどの緑の校庭を裸足で走り回れる環境は、やはり児童にとって貴重なものです。
 
★校庭の芝生化を基本的に進めていくべき、とお考えの方はこちらを押して下さい。
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2005年11月03日

学校からの情報発信

 ブログを始める前の昔の「考察・雑感」にも書いたのですが、小中学校のホームページで多様な情報、何気ない日常を保護者や地域に伝える学校が増えてきました。日経BP ガバメントポータルのこちらの記事に詳細な説明が有りますが、まず足立区立五反野小学校のホームページをご覧下さい。

 五反野小学校は、昨年11月より地域運営学校(コミュニティ・スクール=地域の保護者や住人が学校の予算や人事など学校の運営に一定の範囲内で意見を述べることができる学校)の指定を受けた学校で、各区市町村の教育委員会が個別に指定します。昨年9月の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正で制度化されたものです。荒川区にはコミュニティー・スクールは存在しません。民間企業出身の校長が主導して開設したブログ形式のホームページは毎日の給食の献立・写真から行事の詳細、授業の一風景まで沢山の写真と共に現場の雰囲気が伝わってくるような詳細な記事が掲載されています。毎日更新していると、「次はどんな情報が新しく掲載されたかな?」と思って見てくれる人が増え、学校の理解とコミュニケーションを深めるきっかけになると思います。現に今年の4月の開設から約26,000ものアクセスが。毎日の更新は大変だと思いますが、紙面に限りの有る紙の媒体とは別の広報・コミュニケーション手段として荒川区の学校も是非、参考にして良いところを真似て欲しいと思いました。

★学校と保護者・地域の交流手段の一つとしてホームページの充実も行うべき、と考える方はこちらを押して下さい。
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2005年09月09日

修学旅行、これでいいのか・・・?

 まず、今年の6月に実施された、ある荒川区立中学校の修学旅行について取り寄せた資料より。


主催団体:JTB
1日目 東京駅(集合)〜名古屋駅〜愛・地球博(班内行動)〜バスでホテル(滋賀県大津市)へ
2日目 終日タクシー班行動〜ホテルでテーブルマナー講習会(夕食)
3日目 八つ橋作り体験学習〜清水寺〜京都駅〜東京駅(解散)

・参加人数=89名

・生徒に関して支払う一人あたりの経費=68,900円
内訳(乗車賃=20,453円 見学入場料=1,000円 小遣等=10,000円
   その他=37,447円)

・教職員については一人当り54,600円の経費
内訳(乗車賃=23,413円 その他=31,187円)

 それぞれの学校で個別に旅行業者と契約しているので、区立中学校ごとに内容は異なりますので、これはあくまで一例です。

 修学旅行、小坂も楽しい思い出が有ります。でも、楽しければそれで良いものではなく、公の学校が行う意味を再考し、在り方を見直すべきだと思います。もっと「学を修める」旅行であるべきではないでしょうか?上記の行程、体験学習らしきものが確かに有りますが、どちらかと言うと観光旅行を少しアレンジした程度に思えます。
 万博や歴史的な神社仏閣等を訪れることに意義が無いとは言いませんが、もっと違う形・・・。例えば、農村民泊(89名程度なら分散して宿泊すれば可能)で2泊3日を過ごし、農作業や林業の手伝い(下草刈りなど)を行い、食事は現地で取れたものを素材にした素朴でも心のこもったもの。それも待っていれば給仕されるのではなく、生徒も調理の手伝いをする・・・。「田舎体験と田舎ステイ」のページに様々な体験学習の内容、地域別に検索できるページもあるので参考にご覧下さい。

 さて、この学校の修学旅行の宿泊先「ロイヤルオークホテル」はホームページを拝見すると高級なリゾートホテルです。まず、中学生には贅沢ですし、密室性が高く教員の目も届かない、農村民泊のように行った地域の方と交流し触れ合うことができない、誤解を恐れずに言えば「無機質」な施設。「高級リゾートホテル」=「何でもホテルがお客様のためにサービスして差し上げます」という施設に泊まるか、農村等(あくまで一例)で主体的に動きながら宿泊するか、学べるものの多さは天と地の差が有ると思います。(参考記事

 「タクシー班別行動」も珍しいものではありませんが、疑問を感じます。班ごとにどこを訪問するか自分たちで考えて動くのは良いのですが、タクシーではなく公共交通機関を利用しルート・時刻表を自分達で組む努力をするようにすべきではないでしょうか?例えば、こちらの「23区内在住で昨年度は中学3年生だった鉄道好きな高校生のページ」の「昨年度の修学旅行の記事」を読み進むと、班別自由行動も公共交通機関を活用しているようで、これが当然の姿と思います。こちらのブログ主の「今時の修学旅行事情」に同感!こちらの意見にも現実的に難しいものの、趣旨としては共感します。

 費用も内容と比較して割高です。「パック旅行ではなく手配旅行だから割高になる」とか「大人数で2泊3日の行程を手配するのは、かえって困難でコストがかかる」といった説明を聞きますが、今回の行程を見ると内容的には市販のパック旅行にオプションが付いた程度で、そうした行程にわざわざ割高な経費をかけて学年ぐるみで参加する意味が不明です。仮に修学旅行の姿を今と変えないで実施するにしても、こちらの「パック旅行を活用した修学旅行」のように様々な工夫でコストダウンが可能です。

 あらゆる面で、修学旅行の在り方を見直すべきと考えます。ご意見や体験談等ありましたら、宜しければお寄せ下さい。

(修学旅行を知るための参考資料をいくつか)
(財)日本修学旅行協会
平成16年度の修学旅行実施状況等の「調査集計結果の分析と考察」
名古屋市立小学校の修学旅行の状況

★修学旅行はもっと、「学を修める」旅行であるべき、とお考えの方はこちらを押して下さい。
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