林英臣政経塾 東北講座の為に仙台市へ来ました。講義までの時間は、持ち込んだタブレットなどで作業を進めたり、仙石線に乗って30分間で被災地の松島町(宮城県)を視察してきたり。
松島町は松島湾に浮かぶ多くの島々が、自然の防波堤となり、東日本大震災の際の巨大津波の規模を5分の1程度に低減したと聞いておりました。他地区での凄まじい被害を見て来ましたので、それとの比較をしながら海岸沿いをずっと歩いておりました。
やはり、被害は隣接する被災地と比べて極めて小規模でした。建物が完全に破壊されたような形跡を感じる場所はみつからず。浸水や一部破損で使えなくなった建物は見受けられましたが、あとは現時点で、見られたのは海岸の低い堤防に付随するタイルが剥がれていたりという形跡程度。
津波の高さは2m程度で、その後堆積したヘドロは10cm程だったそうです。延べ2,000名に及ぶボランティアの参加を経て除去していったとのことでした。
海からも松島湾の島々の被災状況を概観すべく、湾内一周船に乗りました。小さな島は一部が崩落しているところも有りました。
陸上での被害は他地区に比べて軽かったようですが、海上では「松島島巡り観光船企業組合」の船舶のうち、中型船2隻、小型船26隻は桟橋ごと流されてしまったそうです。しかし、大型船2隻、中型船2隻、小型船70隻は津波を逃れたとのこと。
松島町は「復興一番乗り」を掲げ、町・ボランティア・観光業者が一体となり全力を尽くし、震災から1ケ月半後の4月29日(昭和の日ですね!)に観光船は運行を再開、東北本線全線復活はその8日前の4月21日、仙石線は5月28日に「あおば通り駅」〜「高城駅」が開通。
他の被災地とは「松島湾」という天然の堤防が有った点が違ったとはいえ、驚異的な速さでの復旧です。日本人の底力の強さを実感した次第です。
夕方の林英臣政経塾では東北講座の同志に加え関東、関西からも同志が集い共に学び、議論をして参りました。講義内容の一部をツイッターで書きとめておりましたので、転記させていただきます。
「儒家、道家、法家、兵家の四つを総合的に学ぶことは大局観を持って行動する政治家に不可欠。中国思想は極めて経世的で(世代を超えて縦糸で引き継いでいく)で現実的。それは政治的な方向へ繋がる。」
「民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず。という言葉は誤解されている。この意味は民に信頼を受けることは十分可能である、ただ、細かいことを周知して広めていくのは難しい、ということ。ここでの、「べし」という言葉は「可能」という意味。」
「天地の為に心を立て、生民の為に道を立て、去聖の 為に絶学を継ぎ、万世の為に大平を開く(近思録)。これが政治の果たす役割である。※生民とは活き活きと頑張っている国民。去聖とは亡くなった立派な人。絶学とは放っておくと消えてしまう学問。」
「人能く道を弘む。道、人を弘むに非ず。※人格が確立して初めて物事が広がっていく。その逆ではない。人間が主体であり、自己確立から入っていくことが不可欠。(論語)」
「「修身」「斉家」「治国」「平天下」(大学)個人が身を修めて、家を整え、国を治めるに至る。そうすれば天下は平らになる。また、その逆も真であると「大学」では述べている。」
「その性をしれば即ち天を知るなり。その性を養うは、天に事ふる所以なり。(孟子)自分の天性や個性を知り、それを育てることで天の求めることを掴み応えて行くことができる。一番、、出会わなければならないのが自分自身である。天神合一。自分の中に天や宇宙が有り繋がっている。」
「政治家は思想家であり経世家でなければならない。目の前の政局や数会わせなど些末なこと。日本の政治家の多くが世界で通用しないのは底が浅く深い思想が無いから。自分の天分は何かを一言で語れるようでんあければならない。」
「山の思想:儒家=仁、義、忠、信。谷の思想:道家=無、愚、拙、柔。どちらの要素も身につけて行かねばならない。どちらかだけでは成長に限界が有る。例えば、無欲だからこそ世の中で活躍できたのが坂本龍馬などの志士。「無」のレベルに達さねば天下を良い方向に変えていけない。」
「愚直を貫いていたら必ず力を貸してくれる人が出て来る。また、拙なるものだからこそ見る人、使う人が完成させていく。例えばシステムも作成されて完成ではなく、有効に利用されてこそ完成に近づいていく。力を柔らかく受け流すことができて、その力を自分のものに出来る。」
「その身を後にして身先んず(老子)。あえて天下の先とならず(老子)。大巧は拙のごとし(老子)。柔は能く剛を制す(三略)。先ほど述べた谷の思想を表した言葉。達観した教え。我々は山の思想と谷の思想を両方を踏まえ、達観、超然とした姿勢を持たねばならない。」
「吉田松陰先生が孟子の講義をしたのは獄中。とても力を持つ思想が孟子の思想。政治は徳治が最高。その下が礼治。更にその下が法治。」
「法家思想(韓非子が代表)は「仁義忠信を貫けるのは世の中の一部の人々であり、大多数は利や法で動く現実」を踏まえた思想。法を整え、人心を掴み、利を示し、地位も活用する。」
「参観:自ら、あるいは部下が現場を必ず見て判断すること。必罰:例外なく罰する。信賞:頑張ったら必ず報われる。一聴:会議などでも必ず一人一人に聞け。喋らせると意志決定に参加した意識を持ち、責任感も生まれる。これが組織運営の基本。」
「善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ。(孫子)」大局の誤りは中局では正せない、中局の誤りは小局で補えない。政治がしっかりしていなければ、いっくら軍が頑張っても勝利に繋がらない。戦わずして勝のが最善。
食事、徹底討論、少々の懇親の後、24:00に今度は仙台市から新宿駅前へ夜行バスで帰京。帰りも2500円。田沼隆志千葉市議も同時刻、同ルートの別のバスで帰京。



