
小坂は委員では有りませんが、「観光・文化推進調査特別委員会」において「観光と文化政策における文学館のあり方」というテーマで山崎一穎氏の講演がありましたので拝聴して参りました。
荒川区では昨年亡くなった吉村昭氏の文学館をどのような形で設置をするかを、有識者、議員、区職員を交えた懇談会で検討をしてきており、3月にはその報告書も完成しております。その座長をされていたのが山崎氏で、各地の文学館の成功例や失敗例なども多くご存知の方で、非常に示唆に富む話を聞けました。
「箱物を整備してから展示内容を決めるのは間違いで、その逆の流れでなければならない」
「収蔵庫はただの物置ではなく、収納するものに合わせた適切な状態を保ちながら展示面積の3倍位の広さを確保すべき」
といったことを強調されてました。
区報に記載の通り、「区では区ゆかりの作家・故吉村昭氏の功績を称える文学館設置の取り組みを進めています。
この度、故吉村昭氏の夫人で作家の津村節子氏から、自筆原稿など故吉村昭氏の所蔵品が寄託されました。」
3月にまとめられた懇談会の報告書では、
「複合施設として整備することで、複合施設との連携強化を図り、充実した活動を展開し、施設整備や運営の負担も低減する」
「荒川区における文学の拠点とし、区民の文化活動の活性化と文化醸成に寄与する」
「郷土出身の偉大な作家である吉村昭氏の足跡を小中学生にも分かりやすく伝える工夫をすることで、地域や社会、文学に親しむきっかけとする」
旨が記載されています。
上記のような目的を達成できるような施設になるよう、今後、行政がどのような案を出してくるのか注視して参ります。上記目的達成と同時に、地域の方から「来場者が少ないあの施設は何なの?」と後ろ指を刺されないような形にどのようにしていくか、知恵を絞っていくつもりです。
参考までに、近隣の文学館の例として
・台東区の池波正太郎記念文庫
・文京区の鴎外記念本郷図書館
などが有ります。




千代田区の秋葉原は、路上禁煙の区域なのですが、区が準備した喫煙所は、以前JTが運営していたものに比べて面積も小さく、周知徹底されていないのか、利用者もすくなく、税金を投入してつくったハコは、意味をなしているとは思えません。
とにかく、古い考えを捨てて、建造物をつくらなくても、インターネット上のバーチャル博物館でもいいわけですし、何かハコをつくればいいというのだけは、やめてほしいと思います。
箱物優先は断じてあってはならないことですね。文学館はあくまでメインの施設があってのその併設のような形でなければ、地域の方から「無駄遣い」と批判を当然受けることになりますし、故人もそのようなことは望んでいないと思いますので。もちろん、バーチャルでの情報発信も併せて充実すべきと思います。
懇談会の報告書の言葉を少し替えてみまして、
「荒川区における文化の拠点とし、区民の文化活動の活性化と文化醸成に寄与する」
「郷土出身の偉大な伝統工芸を継承している方々の足跡を小中学生にも分かりやすく伝える工夫をすることで、地域や社会、文化に親しむきっかけとする」
こんな感じでしょうか。
別の日に書かれたテーマにもつながるのですが、芸術大学と連係を図るのであれば、それらの伝統工芸と共働して、質とデザインの両面で世界に誇るようなものを作っていく、ぐらいまでやってもらえたら、荒川区がもっと面白くなるんじゃないでしょうか。
吉村昭さんの展示に関しては、荒川ふるさと文化館にスペースを作って、あの文化館をもっと活かす、という方向は考えられないか、と思います。
商人の私としては、今持っている施設を最大限に活かすことを先ず考える、という姿勢を行政から強く感じたいです。
重要なご指摘ですね。伝統工芸の展示については、今年度、区役所のロビーに実演スペースも含め設置する予定です。文学館はふるさと文化館内ではスペースの確保はやはり難しいようで、できるだけ費用をかけず、何かの施設に併設できる形が一番良いかと思います。